こんにちは。マンドリンについてのブログ第3回目です。
今回は、クラシックマンドリンのオーケストラ編成で演奏される、おすすめ曲を紹介します。
マンドリンオーケストラは、一般的に下記の6パートで構成されます。
・1stマンドリン
・2ndマンドリン
・マンドラ(マンドリンより一回り大きい。)
・マンドロンチェロ(マンドセロとも言う。マンドラより一回り大きい。)
・クラシックギター
・コントラバス
通常のオーケストラ編成のバイオリン属を、マンドリン属に置き換えたような感じです。ここにフルートや打楽器、マンドロンチェロよりもさらに大きいマンドローネが加わることもあります。
私が思う、マンドリンオーケストラならではの魅力の1つに「自然の風景を表現する力」があります。これは私の個人的な見解ですが、複数人のトレモロ(単音を素早く繰り返して長い音に聴かせる奏法)が重なって生じる独特な音の揺れが風を想起させ、曲が描いている風景に臨場感を与えるからだと思います。
そこで今回は、自然の風景とそこに吹く風を感じられる、マンドリンオリジナル曲を3曲紹介します。曲名に「風」が入ったマンドリン曲も多くありますが、あえて入っていない曲を選びました。また、マンドリンの演奏を初めて聴く人にもわかりやすい、聴きやすい曲を選んでみました。 ぜひそれぞれの風景を想像しながらお楽しみください!
1曲目「海辺の時計台」
個人的に今1番おすすめのマンドリン曲です。
私はこの曲を聴くと、少し暖かい海風を感じます。静かに打ち寄せてはひいていく波のように繰り返される強弱が心地よく、この音の中に溶けてしまいたいと思うくらい大好きです。また、ノスタルジックなメロディーが魅力的。海の近くに暮らしたことがないにも関わらず、なぜか懐かしい気持ちになります。
マンドリニスト青山忠さんのご子息で、ご自身もマンドリニスト、作編曲家である青山涼さんが作曲し、動画では自ら指揮をされています。この曲は大学4年生という若さで作曲されたそうで、驚きました。
2曲目「桜舞い散る小径」
「今は亡き大切な人が最後に見たであろうこの桜舞い散る小径を、一人歩く」という情景を表現したそうです。風がそよそよと吹いているかと思えば時折強く吹く、空気の冷たさがまだ少し残った春風を感じます。日本人にとって、年度の変わり目に咲く桜は、特別な感情とリンクする存在だと思います。ぜひ思い出の桜を思い浮かべてお聴きください。
作曲者は、1曲目に紹介した青山涼さんのお母様である武藤理恵さん、動画で指揮をしているのはお父様の青山忠さんです。
3曲目「杜の鼓動」より 第2楽章「魂の還る場所」
湿気を帯びてひんやりとした森の中独特の風と、木の香りを感じます。日常の喧騒から離れて、静かな森の中でマイナスイオンを思い切り浴びている気分になれる曲です。
作曲者はマンドリンやギターの曲を数多く手がけている丸本大悟さん。「杜の鼓動」は4楽章からなる作品で、それぞれの楽章のメロディーがリンクしています。この曲が好きだなと思った方は、ぜひ他の楽章も聴いてみてください。
いかがでしたか?
忙しい毎日の中でほっとするひとときをお届けできていれば幸いです。
今回はしっとりした3曲を紹介しましたが、マンドリン曲には激しい曲、かっこいい曲もたくさんありますので、またの機会に紹介したいと思います。