ワイヤレスでもワイヤードでも使える プロフェッショナルクリエイターに最適なイヤホン SENNHEISER IE 100 PRO Wireless レビュー

＜IE 100 PEO Wireless＞

限定品として発売され高い評価を得ていたSENNHEISERのプロフェッショナル向けインナーイヤーホン「IE 100 PRO BT BUNDLE」。その評判から購入を検討するもすでに入手不可能という方も多かったと思いますが、今回発売された「IE 100 PRO Wireless」は「IE 100 PRO BT BUNDLE」とほぼ同じモデルで、プロ向けのインナーイヤホン「IE 100 PRO」とBluetooth化アダプター「IE PRO BT Connector」のセット製品です。

「IE 100 PRO Wireless」は「IE 100 PRO BT BUNDLE」は全く同じ製品ではないので、その違いを含め「IE 100 PRO Wireless Red」を用いてレビューをさせていただきます。
※同一製品の組み合わせ違い製品であるため、本レビューは一部IE 100 PRO BT BUNDLE及びIE 100 PROと同一の内容を含んでおります。ご了承ください。

ワイヤードケーブルも付属！ワイヤレスでもワイヤードでも使用可能。

＜同梱されるワイヤード・ワイヤレスキット＞

パッケージを開けるとワイヤレス状態の「IE 100 PRO」が収納されています。製品名では「IE 100 PRO Wireless」となっていますがワイヤードケーブルも付属しており、ワイヤレス、ワイヤードどちらでも使うことができます。

「IE 100 PRO BT BUNDLE」と「IE 100 PRO Wireless」の違いは、
・パッケージ
・カラーバリエーション有無
の2点のみです。

＜iPhoneの設定からBluetoothをオンにしてペアリング。＞

まずはBluetooth接続でチェックを行いました。

リモコンの[・]ボタンを3秒長押しすると、イヤホンから"Power on"と英語が聞こえ、電源が入ったことがわかります。この状態で端末側のBluetoothをONに。

“IE PRO BT Module”を選択し接続（ペアリング）すれば準備は完了。端末側で音楽を再生すればBluetooth経由で音楽を聴くことができます。

音質チェックの結果は非常に良好でした。もちろん他のモニター機器でもチェックする必要がありますが、「低音の出方」や「各楽器のバランス」といった基本的なチェックはBluetooth接続でも可能なレベルでした。例を挙げると、非圧縮wav音源と圧縮mp3音源の聞き分けは可能です。YouTubeを見ていても音が良い動画と音が悪い動画の判別はできました。

尚、「IE 100 PRO Wireless」のBluetooth接続は"A2DP"プロファイル、コーデックは"SBC","AAC","AptX","AptX Low Latency"コーデックに対応しているとのことです。高音質のAAC/AptXに対応しているので安心です。

＜交換用イヤーパッドやポーチも付属する＞

パッケージには本体とワイヤード、ワイヤレスアダプターの他ポーチと交換用イヤーピース、クリーニングツール、そしてIE PRO BT Connector充電用のケーブルが付属しています。IE PRO BT ConnectorはUSB-C端子経由での充電です。

続いてワイヤードケーブルに換装し、ワイヤードでの音質をチェックしてみます。

ルックスを裏切るパワフルな低音。

「IE 100 PRO」は20Hzから18kHzというワイドな周波数特性を誇っています。数値としては優秀な特性ですが、このサイズで実際にどこまで鳴るのかは気になるところです。早速様々なリファレンス音源で試聴してみましたが、最も驚くことは「低音が出る」ということです。

それはお世辞ではなく、モニター品質とも言えるしっかりした安定感のある低域がこの小さなユニットから飛び出してくるのです。ベースの低音はもちろんのこと、生ドラムのバスドラムの胴鳴りを含む50-80Hzあたり、さらに低域のEDM系のバスドラムやシンセベースの低域も見事に、しかも高い解像度で再生されます。

コンシューマ用途のモデルにありがちな誇張は感じられず、EDMやダンス系など低音のある音源はしっかりとした低音が、クラシックを聞けば自然な低音が聞こえてきます。

正直なところ、このサイズですから低音はそこまで出ないだろうという想いもありましたが、見事裏切られました。むしろスピーカー環境よりもきっちりとチェックすることができ、オーバーヘッドタイプのヘッドホンと同等の使い方ができそうです。

＜小さなルックスからは想像できないしっかりした低音が飛び出す＞

高い密閉性もこの低音再生に影響していると考えられます。きっちりしたハードウェア設計が垣間見える複雑な構造をしており、装着するとまるで自分専用のイヤモニのようにフィットします。

耳に迫る迫力のサウンド。

低域のパフォーマンスは先述の通りですが、その他の帯域でも高いパフォーマンスを発揮。そのサウンドは頭の中で鳴っているような距離感の近い音が特徴です。オーバーヘッドタイプのヘッドホンよりも音像がさらに近く、頭の中心に近い位置で音が聞こえます。これはステージ上などの大音量環境で威力を発揮するのではないかと感じました。

中域から高域に渡っても繋がりの良い繊細なサウンドが特徴で、高域がやや元気よく聞こえる印象もありますが、エージングによって落ち着いてくることが予想されます。このつながりの良さはIE 40から引き続き採用されている10mmダイナミックトランスデューサーによるものでしょう。

＜スケルトンデザインに自信を感じる＞

インイヤータイプではバランスド・アーマチュア型ドライバーが一世を風靡しましたが、弱点は複数のドライバーで広い帯域をカバーするためにクロスオーバーのつなぎに違和感がでる場合があること。「IE 100 PRO」は小型化に成功したダイナミックドライバーを採用、つまりはひとつのユニットですべての帯域をカバーするため、位相差もなくクロスオーバーのつなぎ目というものも存在しません。音を聞いてもつながりの良い一体感のあるサウンドが特徴です。

さて、「IE 100 PRO Wireless」を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。オーディオ系のイヤホンだと音が脚色されて耳に合わないという人に適した製品だと思います。ワイヤレスというのはワイヤレスにする前は色々と抵抗があるものですが、一度使ってしまうと手放せません。移動中はワイヤレス、現場についたらワイヤード。「IE 100 PRO Wireless」は、様々なシチュエーションで使えるプロフェッショナル向けワイヤレスイヤホンと言うことができそうです。

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