
「初心者なんだからメンテナンスなんか出しても音の違いはわからんよ!」
「安い楽器にお金かけても無駄だよ!」
このような気持ちから、なかなか自宅のサックスをリペアに出す気になれない方も多いかと思います。
(そもそも楽器の調整してくれるお店知らない、自分はあまりサックス上手くない、とか)
じゃあサックス初心者は楽器をメンテナンスに出さないでも別にいいの?それとも初心者でも出した方がいいの?
そんな疑問がわきましたので、今回は私(サックス初心者)が実際にリペアマンを探し出し、お店にお邪魔し、楽器を修理してもらいながら話を聞いてまいりました。
こちらが、近ごろハードオフで買ったアルトサックスです。

(美しさに感動するジャスティン氏)
〇 メンテナンス前の状態
品番: YAMAHA YAS-380
初回購入: 2019年1月
ハードオフで買った時の価格: 約88,000円(定価185,000円)
状態: ほとんど使われていなかった様子。タンポの革もきれいに見える
問題点: 吹き始めだけ、G#キーを押しても開かないことがある。キーが全体的にガチャガチャいう感じ(そんなものだと思っていた)
見た目はとてもきれいです。やっぱりメンテナンス要らないんじゃ…
(YAS-380は、YAMAHA最安のエントリーモデルYAS-280の1つ上の機種です。最安ではありませんが、いわゆる「スチューデントモデル」と言われる物です)
〇 苦労したリペアマン探し
ネットで「サックス メンテナンス」と検索したところ
どうみてもあやしいサイトがちらほら
(これで多くの人がやる気を削がれているのか…?)
ここであきらめてはいけないと思い、知り合いのサックス奏者に思い切って相談してみることにしました。
すると私の家の近くのお弟子さんを紹介して下さり、お弟子さんの紹介で信頼のおけるリペアマンの電話番号をもらうことができました。
そこへ電話して無事に予約が取れました。電話に出てくださったのはとてもサックスに詳しい女性のリペアマンでした。
結論: やはり紹介は強い…!
(ネットでリペアマンを探して楽器を発送するような場合でも、やはり文面だけよりも一度電話で話しておいた方が良いと思われます)
〇 リペアショップにて
お会いした女性のリペアマンにお話をお伺いしたところ、大阪や東京にはサックスの修理・調整を専門で学ぶ学校があるようです。全国の楽器店のリペアマンたちは、そのような学校の卒業生が多いそうです。
体系的な教育課程の中で技術を学ばれた方々なら安心ですね。
そして私の楽器の診断・見積りをして頂いた結果
- 低音部のキーのタンポの傾きがずれており、きちんとふさがっていない箇所がある。
- 高音部のキーの連結がうまく行っておらず、同時に動くべきところに遅れがある
- 普段閉じており、ボタンを押した時に開くキー(G#など)のタンポはよごれがたまってくっついている
- ネックをとめるネジが締めすぎのようで、ネックが入りづらくなっている。
などの問題がありました。
外見でとてもきれいに見えるサックスでもこれだけの問題があるとは…

(ハードオフに並んでいた時のYAS-380)
調整の価格は合計6600円、所要時間は1時間15分程とのことで、早速調整をお願いしました。
周辺でお昼ご飯を食べ、楽器店内を物色して待ちました。
〇 メンテナンス終了後
・圧倒的に吹きやすくなっている!
・なんと最低音まで簡単に出せるようになっている!(下手だから出せないんだと思っていた)
・キーの音が「ガチャガチャ」から「パタパタ」になっている!
驚きました。初心者でも明らかに違いがわかります。まるですごく高い楽器に変えたみたいでした。
88,000円+6,600円で新品を、いやそれ以上のものを買った気分…
その後リペアマンの方は、楽器演奏後のお手入れの仕方、注意点など、とても丁寧に教えてくださいました。
お聞きしたところによると、サックスを持って来られる方の中では、スワブ(サックス内部を掃除する布)を楽器内やネックに詰まらせてしまう事故が一番多いそうです。
あとはストラップを留める箇所の金具は思ったほど強くなく、首から楽器をぶらぶらさせていると外れて落下することもあるようです。
6600円の価値は十分にありました。次回も間違いなく同じ方にお願いすると思います。
〇 結論
質問: サックス初心者でも楽器をメンテナンスに出した方が良いのか?
答え: 吹く気があるなら圧倒的に出したがいい
サックスのメンテナンスは半年~1年に一回が基本だそうです。サックスという楽器がこれほど微妙なバランスの上に成り立っている楽器とは知りませんでした。
中古の楽器を手に入れた方、長い間押し入れにサックスをしまっていた方は一度楽器を調整に出してみてはいかがでしょうか。
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