埋もれたDATが蘇る!ビョーク、1994年放送のFM エアチェックテープ

数年前からカセットテープのブームが到来しているようです。都内のレコード店では、人気アーティストの新品テープが並んでいたり、オークションでもタイトルによっては値段が高騰しているのを見かけるようになりました。
四角いパッケージケースのスタイリッシュな容姿や、レコードとはまた違った温もりある、テープならではの音質が見直されているようです。
このブログを読んでいる方の中にも、昔のカセットテープを押し入れから久々に出して、懐かしみながら聴いている長年の音楽ファンもいるのではないのでしょうか?
さて、そんなご時世だからなのでしょうか、とあるテープをCDとして残したいという相談を友人から受けました。

内容は1994年、若き日のビョークのライブで、その年の来日公演後すぐにFMで放送されたものとの事。しかし、そのテープは通常のカセットではなく、DAT(Digital Audio Tape)なる、80年代~90年代にかけてレコーディングエンジニアをはじめとするプロや、熱心なオーディオ・ファンの間で流通していた、少し小さいサイズのカセットテープでした。困ったのは、もう再生するデッキをもっていないという事。
何とかならないかと考えていたところ、一人DATを持っていた昔のバンド仲間を思い出し、連絡をとりました。そこで「使えるかどうかわからないが、、、」と、出してくれたのがSONY製のウォークマン型DATデッキ。

この機器の仕様についてはオーディオ・ファンが、様々なブログで熱く書いていると思いますので割愛します。基本的なプレーヤーの使い方は通常のカセットと殆ど同じです。ただDATはA面B面がなく、ビデオテープと同じ片面の記録・再生です。
デッキの電源を入れてみると、嬉しい事に、プレーヤーは元気に動作してくれました。
早速、このDATテープからオリジナルCD-Rを作ってみます。アナログ派の私ですが、懐かしのカセットテープや、CDではなかなか手に入らないアーティストのレコード音源をカーステレオで聴きたいと思うことがあります。そんな時は、AMERICAN AUDIOのオーディオ・インターフェイスVERSAPORTを使用してCD-Rに録音します。

まずは、DATウォークマンのヘッドフォン・ジャックから、VERSAPORTのインプットジャックにケーブルを繋ぎます。ステレオ・ミニジャック→RCA(赤白)のケーブルで接続できます。使用したケーブルはCLASSIC PRO / CMR222。そしてPCの電源を入れたら、VERSAPORTのUSBケーブルをPCに繋ぎます。USB端子を介してPCから電源供給されるため、電源アダプターや電池は不要です。
そして、録音ソフトを立ち上げます。
試しに一分間ほど録音し、録音レベルなど問題なければ、いよいよ本番録音スタートです。
テープの冒頭において「マンチェスター・アカデミーでの収録です」とアナウンサーが喋っているのが聴こえてきて、イギリスでのライブという事がわかります。時は1994年、ビョークが参加していたニューウェーブ・バンド、シュガーキューブス解散後、初のソロアルバム「デビュー」時のライブです。録音をしながら聴いていますと、最新アルバムのようなアンビエントやヒーリング・ミュージック中心のムードとは違い、アッパーなクラブ・ミュージック寄りの曲が中心です。
当時リリースされていた12インチ・シングルには、アンダー・ワールドによるリミックス・バージョンが収録されており、アゲアゲなサウンドにレスポンスするオーディエンスのノリが実に熱いです。私もこの時期の来日公演にテープの持ち主と見にいきました。渋谷ON-AIRのステージを動きまわりながら、エナジー全開で歌う若き日のビョークに、会場全体がヒートアップした夜を今でも鮮明に覚えております。
さて、そんな思い出に浸っている間にPCへの取り込み(録音)は終わり、今度は取り込んだ音声を音楽用のCD-Rへ書き込みをして作業は終了。ライブ番組を収録したCD-Rが完成。
しかし、ここまでやってCDの盤だけを渡すのは、レコード・コレクターの私には少し味気ないです。昔、録音したカセットのインデックスカードのデザインに凝っていた頃を思い出して、CD-Rのケースに入れるジャケットも作成してみる事にしました。
テープの持ち主、そして同世代の洋楽好きの友人に、ジャケットデザインで使えそうなビョークに関するものはもっていないか尋ねてみる事に。すると東京公演のチケット、来日時のサイン会でもらったというサイン入りジャケ、さらには当時の写真もあるという嬉しい返事がありました。

画像が揃ったところで、ジャケット作成に挑戦してみます。


ケース表側には、貴重なサイン入りジャケットを。ケースを開けると、東京公演のチケット、ライブ音源が録音されていたテープ、使用したDATプレーヤー、そしてVERSAPOTの写真も入れて、作成工程のドキュメントをさりげなく見えるようにしました。
ケース裏側には、サイン会の写真。曲目を入れたあとは印刷し、不要部分を切って、ケースに入れればオリジナルCD-R遂に完成!

テープの持ち主に許可を得て、貴重な画像を送ってくれた方とDATウォークマンを貸してくれた仲間へのお礼用に、さらに2枚作製。VERSAPORTで一度PCに取り込めば、何枚でも作れます。

その後、DATウォークマンを貸してくれた仲間の家へ返却に行きがてら、CD-Rを聴かせてみました。「おう!そんなら俺も、昔ラジオ番組を録ったカセットテープが沢山あるからよ。ぜひ家のテープ全部持って帰って、俺にもおんなじようにCD-R作ってくれよ!さ、ほら、ぜーんぶ、持っていってくれ!」
ウーン…このブログ…まさかの、TO BE CONTINUED……………?
