
サックスといえば、ソロ楽器の花形として人気の管楽器です。
その魅力的な音色はもちろん、金色に光り輝くボディは見るだけで人を引き付けるステージの主役です。
「趣味でサックスを吹いています」と言うだけで、何だかカッコよく聞こえますよね。
実はサックスは簡単に始められる楽器です。
管楽器は全般的に難しいという印象を持っている人も多いと思いますが、そこまで敷居の高いものではないのでサックスに魅力を感じている人は検討してみてください。
■ クラシックや吹奏楽だけでなく、J-POPやジャズでも主役!
今やサックスはJ-POPやロック、吹奏楽、ジャズ、クラシックなど、ジャンルを問わずに色々なところで演奏されています。
それだけサックスの個性的な音はソロ楽器として注目されていて、表現の多様性に富んでいるということですね。
深みのあるダークな音も出せれば、輝くブライトな音、どこまでも高く浮かんでいくような典雅な音さえ出してしまいます。
近年、YouTubeなどの動画サイトに多くの演奏動画が投稿されていますが、サックスを演奏されている方がとても多いことからもサックスの人気が高いことがわかります。
■ サックスのサウンドが魅力的な理由
サックスは楽器の成り立ちからちょっとかっこいいエピソードがあります。
正式な名称はサクソフォンといい、1840年代初頭にベルギーのアドルフ・サックスという人が発明した木管楽器です。
木管楽器といえば、クラリネットやフルート、オーボエなど、金管楽器といえば、トランペットやトロンボーン、ホルン、チューバなどがあります。
「え、サックスって金属だから金管楽器じゃないの?」
と考えてしまいがちですが、実はサックスは木管楽器の仲間です。
楽器を根本的に振動させる仕組みが木管と類似しているため、木管楽器に分類されました。
しかし楽器本体が金属で、金管の要素も兼ね備えている、こんな木管楽器は類を見ません。
その理由にはサックスが、吹奏楽から生まれた楽器だからというところにあります。
サックスが発明される前の吹奏楽は、大きくてブライトな音を出す金管楽器と、深みのある温かい音を出す木管楽器の音色同士が調和せず、不安定なサウンドを演奏者の技量で補っていました。
しかし、より調和したサウンドを求め、アドルフ・サックスが考案しサックスが誕生、吹奏楽に採用されました。
そして、吹奏楽のサウンドには音のまとまり、表現の幅が格段に広がることになりました。
このことからサックスには、金管楽器のような大きくてブライトな音を出す力、木管楽器のように深みのある温かい音を出す力の両方を兼ね備えた力があります。
様々なシーンで演奏されていますがその音色が様々なのも、音色や表現の変化に特化し、サウンドの調和を目的として作られたサックスならではのことなのです。
■ サックスの吹き方は? 音を出すのは簡単?
吹奏楽を支え様々な音を出せるサックスですが、実は音を出すだけならとても簡単です。
吹奏楽部の体験入部ではじめに音が出せるのはサックスでしょう。
サックスの音が出る仕組みの根本は、口で咥える先端の部分にあります。
マウスピースと呼ばれ、そこにはリードとリガチャーというものが一緒に付いています。
音は振動が音波として耳に伝わることで音と認知できますが、その振動を作り出す部分がマウスピースとリード、リガチャーです。
これはクラリネットにも同様のものが付いています。
リードというのは薄くカットされた、竹材のようなもので、葦(ケーン)という植物から採取されます。
これとマウスピースをリガチャーという固定具で密着させます。
そしてストローを咥えるように(あまり締め付けないで)息を吹き入れるとすっと音が出ます。
これは息を吹き入れることでリードがマウスピースの蓋の役割をして、それに抵抗して楽器の中の空気がリードを押し開けようとします。
この開け閉めが連続されることで波がつくられます。 これが音として伝わっていくのです。
活字で書くと難しそうと思われるかもしれませんが、そこまで難しい動作ではありません。
■ 楽器の組み立てから片付けまで 持ち運ぶには
サックスの組み立てや片付けは未経験者でも簡単にできます。
本体とネック(マウスピースと繋がっている部分)を取り外すことができ、楽器ケースには本体とネック、マウスピースとそれぞれ別々に入っています。
そのため大きめなケースであっても軽自転車でもラクラク運搬可能です。
持ち運びに便利なショルダー型のケースも売られているので、それを使えば歩きや自転車でも楽にサックスを運ぶことができます。
組み立てる時はネックとマウスピースを取り付け、それを本体に取り付ければいいだけなので3分もかからず完成します。
片付ける際は、今の工程を逆にして取り外し、専用のスワブというもので楽器やマウスピース内部の水滴をふき取ります。
あとは楽器のキーやタンポについた水滴をクリーニングペーパーなどでふき取ります。
サックスは水分に弱い性質があるので、極力水滴を取り除くようにしましょう。
■ まとめ
サックスはジャンルを問わずに、楽しめる楽器です。
J-POPやロック、昭和歌謡などのフレーズを自由に演奏したいという方、ジャズやクラシックなど少し本格的に始めてみたい方、吹奏楽に入りたい、吹奏楽でソロを任されたいという方にもおすすめの楽器です。
吹奏楽に調和を与えることから、優しく温和な性格の方に、ジャズやロックなどソリスティックな部分からバリバリ自分の個性を出したい方にも向いている楽器といえます。
サックスの音色に魅力を感じている人は今からでも始めてみませんか?
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