ヘヴィメタルと聞いてぱっと思いつくボーカルスタイルには、2つのパターンがあるのではないでしょうか。1つはヒステリックなハイトーン。もう1つはいわゆるデスボイス。ことメディアに取り上げられる際にはデフォルメされることも多いため、非メタラーの人には「ヘビメタ」 = そういうものと認識されているきらいもありますね。今回はそんなイメージを払拭するべく、ハイトーンともデスボイスとも異なる「低い声」の魅力を前面に押し出したメタルバンドを紹介しようと思います!
■Rammstein / Links 2 3 4
特異な音楽性と、フロントマンであるティル・リンデマンの低音歌唱などでカルト的な人気を誇るバンド。まさにドイツが生んだ変態インダストリアル・メタルバンドです。Rammsteinではドイツ語歌唱ですが、ティルのソロ活動(Lindemann)では英語歌唱。過激な表現・パフォーマンスでも知られるため人を選ぶ部分は多いですが、英語詞のほうが韻を踏んでいる箇所がわかりやすく、ティルの文学的な才能を感じられるので、気になった人はそちらも聴いてみてください。(MVはやや閲覧注意)
■Lord of the Lost / Haythor
同じくドイツのインダストリアル・メタルバンド。初期は同郷のRammsteinのほか、マリリン・マンソンなどからの影響を感じさせる、良い意味で猥雑なインダストリアル・メタルでしたが、チェリストでもあるボーカル Chris “The Lord” Harmsの素養を活かし、シンフォニック/ゴシックの要素を多分に含む音楽性へ変化していきました。個人的にいま一押しのインダストリアル・メタルバンド。
■Charon / Colder
フィンランド産ゴシック・メタルバンド。フロントマンJ・P・レパオルトは、フィンランド産メタルバンドのボーカリスト4人によるユニットNorthern Kingsにも参加していたので、そちらで見かけたという人も多いのではないでしょうか。Charonは残念ながら、2011年に解散。ボーカルのJ・P・レパオルトは現在、シネマティック・メタルバンドDark Sarahにて活動中なので、声質が気に入った方はそちらもおすすめです。
そんなわけで3組紹介しました。「しっとりした低い声で歌えばいいのに」(THE冠 / 傷だらけのヘビーメタル~女偏~ より)なんて自らネタにするほど、ハイトーンボーカルはメタルのアイコンかつ、華形の一つですが、低音のボーカルも意外とはまるものです。そんな様々な要素をぶっこんでごった煮にしても何故か成立してしまうところがメタルの良さだと思っています。さすがに 編み物をぶっこむのはびっくりしましたけど。