近年、プログレッシヴ・ロックというマーケットが活気を帯びてきています。専門のレコード・CDショップ、プログレッシヴ・ロックに注力するライブハウス、プログレッシヴのロックバーも数多く存在します。客層は40~50代の男性が多いようです。
さて、そもそもプログレッシヴ・ロックとはどんなロックなのでしょう。起源は1960年代後半にイギリスで起こったロックのスタイルであり、実験性に富み、その語源にあるように「前進的、前衛的」という意味の音楽ジャンルです。
一方、テクニカルな演奏力や表現力にも注目が集まり、「あれはプログレッシヴ・ロックか?これはプログレッシヴ・ロックか?」と、誕生してから半世紀以上経つにも関わらず棲み分けのはっきりしないジャンルでもあります。また、そういう議論が大好きなリスナーが多いのも特徴です。イギリスのピンク・フロイド、イエス、EL&P、キング・クリムゾン、ジェネシスがプログレッシヴ・ロック5大バンドと言われています。
そんなジャンルに(どんなジャンルだ?)彗星の如く、登場したのが「xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キス・アンド・ハグ・エクストリーム)」。略して「キスエク」。なんと、アイドルグループです。
XOXO-EXTREME Official Site
https://www.xoxo-ex.com/

長いグループ名、略すこと前提なのも戦略かしら?
「キスエク」は、2016年結成。楠 芽瑠・一色 萌・小日向 まお(2018年8月現在、受験勉強のため活動休止中)・小嶋 りんの4名のグループ。メンバーは増える可能性あり(オーディションやってたので)。プログレッシヴ・ロック(略:プログレ)のオリジナル楽曲を中心にパフォーマンスをしています。では、早速見てみましょう。
悪魔の子守唄
彼女たちの代表曲。11分以上ある展開の多い曲(笑)。複数のアイドルが出演するライブでは1曲しかパフォーマンス出来ないらしい(笑)。ちなみにプログレが好きなリスナーであれば、歌詞や曲のフレーズに「あ、〇〇の曲から持って来たな」という発見も楽しめます。
えれFunと"女子"TALK~笑う夜には象来る~
King Crimsonの「Elephant Talk」にインスパイアされたであろう楽曲。元King Crimsonのエイドリアン・ブリューもこの曲に「I like it!」とコメントを寄せている。
そして極め付けが2018年に発表したフランスの大物バンドMAGMAの公認カヴァー「The Last Seven Minutes」。後半の複雑なコーラスワークと変拍子の嵐がもうプログレそのもの!
The Last Seven Minutes (MAGMA COVER)
楽曲だけではなく、シングルやミニアルバムのジャケットもマニア心をくすぐるオマージュを行なっている(摸倣、パクリではない)。

THE LAST SEVEN MINUTES /
ザ・ラスト・セブン・ミニッツ【紙ジャケット仕様】

元ネタはこちら。
Phil CollinsがGENESIS参加前に所属していたFlaming Youthのアルバム「ARK2」

WORKS COLLECTION #01 /
ワークス・コレクション#1 7月7日発売予定

元ネタはこちら。
Emerson Lake & Palmerのアルバム「Works Volume 1」
と、楽曲だけに限らず、あらゆるところを楽しめるアイドルなのですが、本人たちの紹介にもあるように「進化を続けるプログレッシヴ・ロック・アイドル」ということなので、まだまだ進化し、磨きがかかって行くことでしょう。なかなかライブ会場に足を運ぶ勇気が湧きませんが、ライブに行った友人に聞いたところ「大丈夫、ほとんどオヤジばかりだから」とのこと。何が、大丈夫なのでしょうか。