
こんにちは。
今日は、歌を歌う人の日頃の喉ケアに大切な【湿度管理】のお話をしたいと思います。
まず、一般的な湿度計に表示されている「○○%」とかの「湿度」は【相対湿度】というものです。
その温度での空気に最大溶け込める水蒸気の量(飽和水蒸気量)と比較して何%の水蒸気が空気に溶け込んでいるのかを示したものが【相対湿度】というものです。 つまり、相対湿度は空気中に含まれる【水蒸気の割合】を表しています。
気温30℃と15℃の場合では、同じ相対湿度でも水蒸気量が変化することになります。
これに対して【絶対湿度】というものがあり、【絶対湿度】とは、縦横高さ1メートルの空間に含まれる水蒸気の重さが何グラムかを示しています。
つまり、絶対湿度は空気中に含まれる【水蒸気自体の量】を表しています。
例えば12g/㎥のように書かれます
仮に今日の気温が30℃相対湿度50%だとすると、絶対湿度は15.2g/㎥となります。
もし、相対湿度は50%のままでも気温が15℃に下がると、空気中に含まれる水蒸気の量、絶対湿度は6.4g/㎥にまで下がります。
今回はこの【絶対湿度】についてお話したいと思います。
■ 秋冬の絶対湿度
冬場など部屋が寒くなってくると、部屋の湿度計が40%くらいあってもなんだか乾燥してるような気になる時ってないでしょうか?
部屋が15℃だと仮定したら、相対湿度40%だと、絶対湿度は5,1g/㎥になります。
(絶対湿度と相対湿度の違いとは(ウェザーニュース)の記事を参考にしました)
喉の状態をベストに保つにはある程度の湿度が必要ですが、実際に人体が感じる湿度感(湿り気具合)は、相対湿度ではなく絶対湿度で感じているように思います。
また、一般的にインフルエンザウィルスは乾燥状態だと感染が広がるとされています。 その目安として【絶対湿度7g/㎥以下はより流行が起こりやすい】とされています。 その他風邪のウィルス(もちろんコロナも)も同じような傾向にあります。
まずは風邪などをひかないためにも【加湿】しましょう。 部屋の温度25℃くらいに暖房すると仮定して、湿度50%くらいにすると、先程のページでの表では絶対湿度11.5g/㎥になります。
先のページの記事からも、およそ11g/㎥以上であれば安心と言えるのではないでしょうか? でも毎回表を見て調べるのも面倒です。
そんなあなたに、【絶対湿度計】があります。
■ 絶対湿度計いろいろ
A&D みはりん坊ダブル AD-5687

夏は熱中症指数、冬は乾燥指数(絶対湿度)が測れる、名刺サイズくらいの小さな温湿度計です。
A&D くらし環境温湿度計 AD5686

壁掛けタイプの環境温湿度計になります。
これらの温湿度計で、およそ11g/㎥から13g/㎥(10月や5月の爽やかなくらいの湿度感)くらいに調整するように加湿していくといいかもしれません。 (もう少し絶対湿度を上げられるかたは上げてもよいかと思いますが、市販の加湿器で冬場に絶対湿度を上げるには限界があり、あまり湿度を上げすぎると場合によっては結露が起こり、カビが発生しやすくなる場合もあります。)
よく、「歌い手さんは部屋の湿度50%くらいに保ちましょう」と書いている記事をネットなどで見かけますが、相対湿度では気温によって実際の湿り気の量(絶対湿度)が違いすぎるので、是非この【絶対湿度計】で管理されると良いと思います。
■ 加湿器
サウンドハウスさんで扱っている加湿器では、以下のものが空気清浄機能もあって良いのかなと思いました。 検討してみてください。
SHARP ( シャープ ) / KC-J50W 加湿空気清浄機
■ 参考資料
私は、OpenWeatherMapという気象サービスの近所の観測点データを1時間毎にずっと記録しているのですが(近所だけでなく、新宿、大阪、福岡、札幌などを2020年3月頃から記録しています)、10月後半・11月や3月・4月はみなさんが思っている以上にに絶対湿度が低くて毎年新型コロナ流行の波が始まるのもこの時期だったりします。 部屋の加湿だけでなく、出かける際も保湿にも効果のありそうなマスクを選ぶなど、注意なさってください。
データ収集方法に興味のあるかたは
【コロナ対策】OpenWeatherMapからの気象情報をGoogleスプレッドシートに1時間毎に貼り付けるGoogle Apps Script【作ってみた】
を参考にしてください。
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