〜プロフィール〜
Cheena:欲しいパーツがなかなか売っていないことから自前で設計しているが、同時に市販されるパーツも買い込んでしまうため自室の一角がリペアショップのごとき様相を呈している。 使うのかも分からないブリッジやペグ、自作したのちに再度外された色々なパーツに再び光を当てる日はいつ来るのだろうか...
→ Cheenaの記事一覧
ネモト:パーツ沼にもどっぷりハマった過去がある。弦、ピックアップ、ブリッジについては過去に記事にしているので良ければ読んでみてください。
ギターはよくわからないのですが、ギター用のビブラートユニットはベースに転用できないもんかと研究したことがあります。
→ ネモトの記事一覧
Cheena:前回までは電装系でしたが、今回はハードウェアに移りますよ。
ペグもブリッジもナットもサドルも何もかも沼ですが、やっていきましょう。
ネモト:やっていこうか。とりあえずペグとブリッジに共通する特徴なんだけど、メーカーが工房系やビルダー/ルシアー系の場合気合いの入り方がわかる。
というのも、ギター、ベースはどちらも木工製品だからメーカーに鉄工製品であるペグやブリッジを作る設備や技術は持ってない。しかも無数の既製品があり、設計者の好みに合う製品は大体ある。色々なハイエンド楽器を見てみたらわかるけど、ペグ、ブリッジは大体の場合既製品を使っている。
だから自前で用意しているメーカーはとんでもないこだわりを持っていると考えていい。
フェンダーみたいに大規模なメーカーは別だけどね。
Cheena:初っ端から飛ばしますねぇ。
オリジナルパーツを積極的に採用するのは、こだわりが深い工房以外にも先鋭的な楽器を作るメーカーにもある傾向ですね。
まぁ、既存の部品では難しいものを作っているから当然ではあるんですが、どちらにせよ独自パーツを使うところは面白い楽器を作りますよね。
あとESPのパーツは最高です。
完全削り出しでできたパーツ類は高いけどめちゃくちゃ格好いいし、それ相応の機能があるんですよね。
ネモト:私もESPのパーツは良いと思う。1番気に入っているのはオンボードプリのシナモン。スラップには向かないけど細かい音作りできるのよね。
Cheena:トレブルの操作がアクティブブーストとパッシブカットなんでしたっけ?
確かにジャズ系とか吹奏楽系には向いている操作系ですね。
ESPの電気系パーツだとバッテリーボックスもいいですよね。
地味なパーツですけど、メインにアクティブサーキットを使用する場合は最高のオプションです。
ネモト:知ってる知ってる。超便利。使いやすいよねー。
ワーウィックはアクティブサーキット用リチウムイオン電池作っているけどESPも作っているのかな?
試してみたいけど単品では売ってないっぽいのよね。
Cheena:調べてみましたが、なさそうですね。
電装品にもハードウェアにもこだわるESPですから、専用のバッテリーぐらい作ってしまいそうなものですが。
ネモト:研究はしてるだろうからそのうち出るのかな。リチウムイオン電池は爆発するリスクがあるから慎重になっていそう。電池だけだと航空危険物だし。
Cheena:確か充電池はリットルあたりの容量で輸送の可否とPSEの要求が決まるんですが、006P-9Vは空輸NGで客室持ち込みなら可能(モバイルバッテリー扱い)、PSEは確実に必要なので現実的ではなく、洋上輸送になりますね。
006P型で充電式はやはりEffects Bakeryのものが1番安いでしょうか…
ネモト:多分そうだと思う。あれはいいなぁ。
読者諸兄、006P(9V電池)の6Pは6Packの略なので一般的な乾電池(1.5V)6個繋ぐと代用できます。これを単1電池でやるとアホみたいにパワー出ます。単品にはもちろん、エフェクトボードの電源として用いても2時間くらいはもつはずなのでやってみてください。ディープな世界では有名なのでちょっとググればどう作ればいいかすぐ出てくるはず。Cheena君は知ってるだろうけど。
Cheena:単1でなくても、あれを一度作ると単6(006Pの中身)の偉大さを思い知りますよね。
あそこまで軽量小型で9Vの起電力があるのは素晴らしい。 ハードウェアの話題からは逸れてしまいましたね。 まぁ楽器関連だからいいか。
ネモト:そうだった…。ブリッジというかビブラートユニットの話しでもしますか?
Cheena:ビブラートユニット!いいですねぇ。
ベーシストにはあまり縁がないですけれども、時々トレモロ搭載ベースやFender Bass VIなんかはトレモロ搭載ですね。
トレモロ、こう言ったらなんですけどインチ/ミリの規格そこまで気にしなくていいので好きです。
ネモト:パーツの生産国によって違うから日本製であってもパーツだけインチ規格とか普通だからね。
そのせいでノブは横ネジタイプのインチしか買わなくなった(笑)
Cheena:ノブが合わなかったときの辛さは他のパーツとは別格のつらみがありますよね…
横ネジ、プラスチック系ノブには搭載できないのが残念です。
金属芯+プラカバーの2重構造でどうにか作ってくれないものか…
ネモト:本当にねぇ…。ハットノブ好きなんだけど横ネジ式ないもん。
Cheena:おっ、ハットノブ派なんですね。
ああいうのは木工用ドリルで凹凸をさらってからボンドを流し込むと無理矢理固定できないこともないんですがなかなか難しいですね。
シャフト入れておかないと溝が形成されないし、引き抜く時にシャフトごと持っていかれるという。 どうにもパワープレイな解決法です。
ネモト:シャフトごと抜けてきのこの山状態になったハットノブ持ってたなー。
Cheena:私もです。もうノブだけは安物は買わん。
って、ノブの話ではなくて、そうそう、トレモロの話ですよ。
私のお気に入りはBigsbyとかの大振りなやつなんですけど、ブリッジとテイルピースが分離されてるタイプのトレモロはベース用にカスタムしていても積みづらいんですよね。
ボディエンドが足りなくてなかなか、ブランコテールピースのものなら改造でどうにか、という。
ネモト:私もビグスビー好きだけど確かにベースには載せ辛いねぇ。ヒップショット、テューン、ケーラーがベース用トレモロ作ってるね。
大別するとテイルピースだけ動くタイプ(ビグズビー等)サドルのみ動くタイプ(フェンダー・ジャガー等)サドル、テイルピース共に動くタイプ(シンクロ)になるじゃない?どれもメリット・デメリットがあるけどどれが1番好きとかある? 私はサドルのみ動くタイプが好きで、クリケット奏法とか面白いよなー、とか考えてる。
Cheena:私はサドルが動かないものが好きですね。
アーミング中に弦高の上下があると弾きづらいし、調整が面倒というのが先行してしまうので。
でもFRTは好きですよ。高いけど。
あと好きなのはムスタングのトレモロですかね。
フェンダーのトレモロとしては少し大きめな部類ですかね、あのプレートにコンパクトに詰め込まれたユニットが素晴らしい。木材への加工も最小限で、裏からザグる必要もない。
しかもムスタング以外のデザインに落とし込んでも意外と違和感がないのです。
ネモト:ダイナミックビブラート。うろ覚えだけどあれ確か細い弦だとテイルピースと弦が密着しなくなるから調整しなきゃならないんだっけ?
スチューデントモデルだから安く効率良く作れるように設計されているのにあのデザインは流石。
モズライトに載ってるビブラミュートも地味に面白い。音程の変化量を6本全て合わせることによって綺麗なビブラートを起こせるようになってるんだよね。
Cheena:トレモロ付きギターには.010以上のセットを張るのが礼儀だと思っています。大概のブリッジ周りとトレモロの問題はそれで解決するので...
ビブラミュートはいいですよね。高機能を詰め込んだ技術の粋。それなのに見た目は梨地に近いサンドキャストの風合い。
あれが単体ではなかなか買えないのが残念です。
ネモト:私がよく呼ばれていたバンドはみんなモズライト好きだったなぁ。独特の太さのある音で扱いやすくはないけど好きだった。永遠の泥試合ブランドになってしまってるせいで色々と手に入らないのよね…。
ヒップショットのトレモロをモズライトベースに載せてベンチャーズごっこしたいな。
Cheena:確かARIAだかIbanezからモズライトコピーが出ていましたね。といっても完全コピーではないですけど。
やはりビザールパーツは手に入りづらいし制作も難しいか…
そしてヒップショットのベース用トレモロよ。
ストラトと同じようなバックスプリングトレモロで、25000円はするんでしたっけ?
ネモト:アリアだね。結構乾いた良い音してる。ベンチャーズファンなのでちょっと気になる。
ヒップショットはそうね。楽器屋に頼めば加工費も含めて5万はかかると思う。ケーラーはもう少し割高だったかな。今はケーラー売ってないけど。
Cheena:ベース用のトレモロは本当に選択肢が少ないですね。
逆にハードテイルだとギターに負けず劣らず種類があるのかな?
Ray Rossのサドルレス・ブリッジとかなかなか面白いと思いますね。
Ray Ross ( レイロス ) / Ray Ross Saddle-Less 5-String Bass Bridge 19mm Chrome
ネモト:レイロスは実にワクワクする見た目してるね。ただ乗ってるベース(確かバッカス)を見たことがあるけどあんまかわんなくね?ってなった。楽器屋の店員も同じこと言ってたような。とはいえ最近はチタンやカーボンで作られたブリッジなんかも出てきたし、アイデア溢れる製品もあるし弛まぬ進化を感じる。
GOTOH ( ゴトー ) / CBB-4
Cheena:カーボンブリッジ!Gotohの上位種のあれはいいですよね。
独特な素材、独自の設計の色々は本当に面白い。
自分でも設計したくなってしまいますね。
ネモト:うんうん。やってみたくなるねー。
もし私が作るならやっぱり木製のブリッジやコマにしたいなぁ。カール・トンプソンみたいなやつ。
Cheena:そういえば、木製サドルのソリッドボディって少ない気がしますね。
カールトンプソンは格好良くて私も好きなんですが、普通はフルアコに搭載するパーツ扱いされている感じがします。
ネモト:確かに少ないね。私が知ってる中だと6つのブランドしか思い浮かばない。どれも生産数は少なく高価。何かしらの理由があるのだろうから推察してみない?
Cheena:まず価格が上昇する理由は希少性ですよね。
コントラバスの駒ならともかく、ソリッドボディに搭載する木製サドルは売れる数も少なければ搭載する楽器の数も少ないですし、高くなるのはまぁ妥当、と。
あとは普通のブリッジに比べた調整の面倒さですかね。
弦それぞれで弦高調整が出来るわけではないし、ブリッジに溝を切るのが面倒だからという理由もありそう。
ネモト:確かに高額にもなるか。素材の強度に個体差があるからどうしても人の目が必要だし、大きな負荷がかかるパーツだから生産管理も難しい。
Cheena:強度もそうですよね。ばらつきを加味しても十分に強靭な材となると、もとより高額なローズウッド、エボニー、そのあたりを使うことになりますし。
あとは町工場の方から聞いた話なのですが、木材の加工は金属やプラスチック類のようにはいかず、同じものを作っても大抵は加工費が高くつくのだとか。特に小さいパーツでは顕著なようです。
理由としては、射出成型や鋳造などの液化成型ができないこと、繊維の方向(異方性)を考慮して割れないように加工する必要がある、夏目と冬目などに代表される材内部の強度が一定ではないこと、毛羽立ちを抑えるために切削ビットの高速回転が必要だが冷却液が使用できないので焦がさないように切削に時間がかかる、など色々あるようです。
ネモト:それは知らなんだ。言われてみると全部納得。
冷却のくだりが特に。こうなるとハンドメイドじゃないと無理というか機械任せにする方がカネかかりそうだね…。ピンクアイボリーを使ったブリッジなんかもあったな。高いんだよな…。
Cheena:ピンクアイボリーは高いですよね。染めたかと思うほどの赤みにエボニー並みの強度。
確かSagoでオーダーが出てましたね。
ネモト:エルリックが作ったピンクアイボリー指板のフレットレス、綺麗だったなぁ…。
サゴって今は国産のツゲを使ったベースを作ろうとしてたな。100万超えるらしく微妙な気持ちになる。
Cheena:黄楊は大きくは育ちづらいし、最上級の将棋駒とかに用いるような高級材なので高いのは仕方ないですね…音響特性はどうなのかな。
ネモト:値段もそうだけどわざわざツゲを使わなくても…となる。一応フォデラで装飾材として使われていた(日本のツゲではないはず)
単純な物性を調べた感じだとエボニーみたいな感じかな?気乾比重が近いしどちらも細工物の材料になるし。少し金属的な鋭いアタックを得られそう。
Cheena:もはやハードウェアじゃなくて木材の話になってきましたね。面白いからいいけど。
黄楊もボディ材にせずにサドルとかナット、テールピースなんかに導入すると面白いかも。
将棋界では打った時に出る硬質な音が好まれるそうで、となると硬いアタックは期待できそうですね。
チークと同じく乾燥後には歪みが出づらいし、価格以外は案外楽器にも向いているのかも…
ネモト:確かに。現在楽器材としては利用されてない木のうちウリンはこれから利用されるかも、、?
思い出せないけどリグナムバイタを使った楽器どこかにあったな。オリーブやブナはエレキ材としてはあまり使われないけど理由はあるのかな…。
Cheena:リグナムバイタ材の楽器はすごいですね。ワックス質というか油分が多くて超硬質、超重量材で全体をリグナムにするのは難しいだろうし、何に使ったんだろうか...
オリーブはあまり大きく育つイメージがありませんけど、どうなんでしょうね。
ネモト:なんだったっけかなぁ…トップ材だったか指板材だったか。
オリーブはイタリア製コントラバスのネックに使われてたりする。高いけど。モミの木もコントラバスのボディに使われていたかな。
Cheena:ブナはケヤキの代替材として用いられることもあるし、そこそこに強度もあるし...と思って調べてみたら曲げ加工に適している=反りやすいみたいです。つまり外部からの力により歪みが出やすい。
ギターには用いられない代わりに鍵盤楽器の鍵には用いるようですね。
モミはSPF材のF、firですが、それららしく色が薄く軽量な材ですね。加工しやすいものの腐りやすく耐久力にも欠ける扱いの難しい材で、コントラバスには多分スプルース(トウヒ)の代用材として使われるんじゃないかな、と予想します。まぁスプルースもパイン(マツ)もファーも一般的には区別されることはないんですけれども。
ネモト:色々調べてもらって申し訳ない…。
ブナはスズキの安いやつに使われてたな。
モミはいい杢が出たやつがペルマンに使われてて、カッコ良かったなあ。400万くらいだっけかな?
カッコいいし珍しい割に手頃な値段だったね。
Cheena:400万が手頃な価格というのも何かおかしいですけどね。とはいえSPFで杢がしっかり出てるやつなんて珍しいじゃないですか?
ネモト:バイオリン属の弦楽器は高いから金銭感覚おかしくなるよね。俺のメインギターより幼稚園児が公園で練習してるバイオリンの弓の方が高いなんて笑い話があるくらいだし。
杢が出るのは相当珍しいと思う。確か樹齢200年?300年だっけかな?巨木のモミを切ったら一部に杢が出てたとかそんな感じだった。
Cheena:樹齢幾世紀のでかい木を使った楽器が400万で買えるなら…とはちょっと思いましたけどそう考えるとやっぱり材料費が大半なんですかね。
屋久杉ギターとかも結構な値段しますし。
ネモト:それもあるけど、総単板削り出しコントラバスは伝統的な技法を重視(踏襲にあらず)しながら1人で全部作る場合年間5本作れればって世界だからマエストロの収入を考えるとそのくらいは欲しいのかなぁと思わなくもない。ペルマンの象徴とも言えるライオンヘッドにブゼットのモデルなら600万くらいするけどあれはガンバと比べたらめっちゃ手間かかるし。
Cheena:伝統的弦楽器に比べてエレキギターがいかに簡単に製造できるか分かりますね。恐ろしい。
ネモト:熱曲げや合板を使ってもエレキより手間かかっちゃうし…。
合板で思い出したけど積層合板使ったギターは結局世に出なかったね。試作はレスポールなのにストラトみたいな音がすると言われてて楽しそうじゃない?と思ってたのに。
Cheena:積層合板、ただただ加工が面倒ですからね。
直線で切り出すならともかく、それ以外は引っかかるし毛羽立つし、立体的に削ると積層が目立つし、そこまでメリットも無かったんじゃないですか?
ネモト:そうなのかなぁ…。
ものすごく硬くてきちんとガイドを空けないと木ネジが入っていかないとか言ってた。あと、ベースに使った人もいたのを思い出した。岡野ハジメさんのイカベース(2000年代前半)だったっけかな…。
Cheena:積層合板は接着剤の強度も加味されますからね。確かに強い。
OSBやらMDFを使ったやつは時々ありますよね。FernandesのZO-3もその類だったかな。
要するに扱いづらい異方性がなければ問題ないのか...
ネモト:良質な木材がどんどん枯渇している現状を鑑みるとどんどん増えていくと思うし、積極的に採用するブランドがあれば新興勢力になれそう。
アトランシアのステルスに採用されているネックも木材を無駄にしないためのシェイプだったね。フェンダーのネック1本分の木で2本取れると言ってた。
Cheena:Atlansia Stealthはヘッドの耳(?)がないんでしたね。ペグが一直線に並んでいて、シルエットだとヘッドレスと変わらないような見た目をしている。

https://www.atlansia.jp/STEALTH.html
ルックスの好みは分かれますし、ヘッド重量の低下による音質変化もあると思いますけど、少資材と軽量化における合理性という意味ではヘッドレスと並ぶ最高の選択かもしれませんね。
ネモト:唯一の弱点はチューニングか弦交換するときにどのペグがどの弦かわからなくなること。地味に辛い。
Cheena:確かにそれはつらいですね。とはいえAtlansiaの楽器にはナットやブリッジなどのパーツに独自に開発されたものが多く、見るところの多いメーカーです。
なんならパーツも購入できますし、ネックは安くて高品質との噂。
残念なのは一度売り切れたらなかなか再入荷しないことです。
ネモト:最近はあまり活発に活動していないみたいね…。フェンダージャパンの下請けやってたから1万5千円くらいで売ってるネックもあった。昔のアトランシアは一般的なシェイプで低価格のアバロンってシリーズやアメリカで訴訟になって結局ディスコンになったペグとかとにかく面白い楽器や機構もあった。ヤジロベーとか既存のものを駆逐できそうなものもあった。しなかったけど…。機会があれば行ってみたい。
私がアリアを好きになった理由は社長の林さん(元アリア。SBやPEをデザインした)だったりするのよね。値段も適度だし。人生で唯一2本以上所有したブランドだったり。
Cheena:AtlansiaもAriaも良いメーカーです。Atlansia、一度は使ってみたいな。
ネモト:ネックシェイプが独特でやたら太い。
太ネック好きならきっと気に入るよ。
エッセンスだけでいいならアリアのSB-1000あたりを見てみるといいかな。林さんのデザインだから割と共通点あるのよ。PEも同じような感じじゃないかと思うけどギターはわからない…。
Cheena:複雑な配線系とヘッドシェイプはアトランシア感全開ですね。 SBはロータリースイッチでアタックを調整したりバイパスできたりします。残念ながら終売。
ARIAPROII ( アリアプロツー ) / SB-1000B PR
PEは所持はしていませんが、上位機、低価格帯共にシェイプが変わらないのが素晴らしいですね。
ARIAPROII ( アリアプロツー ) / PE-480 See-through Black Burst
ネックの固定方式の変更やデティールの省略などがよくある低価格帯でも上位機と同じように作りこまれていて、ヘッドシェイプだけを変更することで一目で識別できないわけではないというデザインのバランスが絶妙です。
ネモト:アリアはベースだけではなく低価格ギターでもデザイン面では上級と変わらないデザインなのね。
そういう風に妥協しないで作れるのは老舗が強いね。いや、ファブレスだから強いのかな…?
アリアの上級ラインはT's Guitar製造だったな(今は知らん)アイバはフジゲンだっけ。ボッサはディバイザーでサドウスキーメトロとレイクランドはPGM? 私が所有しているアリアはT's製作のやつだけどいい指板材使ってたなぁ…。ヤマハやアトリエZの試作品を弾いたりしてたけど、今はそういうのにも縁がないから全然詳しくなくなっちゃった。
Cheena:Atlansia、Aria、Ibenez、FGN、T’s Guitars、Deviser、PGM、Yamaha、Atelier Zと錚々たる日本メーカーが出揃っていますね。だんだんパーツ編から離れて面白くなってきた。
ネモト:OEMメーカーだと寺田楽器とかもあるね。今は無き松本木工も。ジョイントプレートに書いてある「matsumoku」の文字を求めていた人いた。
マツモクの影響か長野は楽器メーカー多いね。
これ知ってたらスゲエ!ってマイナーな工房だと大阪の神田商会(グレコ作ってるトコね)の2階。ゼマイティス作ってる。「神田商会の2階」で話通じるやつがいたらヤベェよ。
※改めて調べてみたら大阪営業所は移転していました。移転先でも2階が工房なのかはわかりません。工房は別の場所に移動した可能性もあります。
Cheena:aimoku...は確か愛知でしたね。
あれはボディやネックの卸だけをしているのかな。
ネモト:アイモク…あったね。完全に忘れてた。
卸しかやっていなかったと思う。
最近(といっても数年前)ショックだったのはチャキが倒産しちゃったこと。経営方針を変更したのが裏目に出たね。残念。
これで国産でコントラバスに力入れてるメーカーはオリエンテぐらいになってしまった。
製作家は数名いるけど。
Cheena:Chaki Guitarsはアコ系のメーカーでしたっけ?現物見たことないな。
ネモト:確かになかなかマイナーだね。
国産だとオリエンテより少し安めの価格帯で、スズキと同等もしくはやや上みたいな?
¾のコントラバスがメインで、価格帯もあってスチューデントモデルのイメージが強い。うろ覚えだけどトップモデルでも比較的割安だったかな。
そもそも生産数が少ないしコントラバスは専門店以外だとあまり売られていないから見たことないのはやむを得ないと思う。
もともと客との直接取引を是とする(オーダーで作ることが多い)メーカーだから中古市場にもあまり出ない。
その方針がやや暴走したというか、楽器屋や卸売との縁を切ってオーダー専業にしたので倒産してしまったんだけどね…。
Cheena:コンバスをオーダーとなるととてつもなく数が少なくなりそうですね。
ところで、3/4サイズは日本での一般的なフルサイズでしたっけ?4/4が海外のフルサイズだったような。
どうにもこの辺りには疎くて...1040mmがレギュラースケールってことしか分からない。
ネモト:いんや、古来では日本の4/4が海外での3/4で日本での3/4は海外での1/2になる。でも現在は曖昧。
多分だけど、イーストマンはじめ中国産(ガチ勢)が台頭してきたのと高価な弦楽器を気軽に買えるくらいアジア人の収入が上がったことがあるんじゃないかな。
小柄な人に合わせたものがめっちゃ増えたから今ははっきりしたボーダーはないと思う。
持ち運びのしやすさやピックアップやマイクを使う前提で胴の容積を小さめにしたものもあるから結構カラフルだよ。
アトリエZが作っていたウッドベース(オリエンテ製の改造)なんかが代表例かな。
ウッドの特殊なパーツとなるとコマやテイルピースなんかかな?意外と種類が豊富。
パーツではないけど弦も色んな構造があるね。10万突破する弦もある。
Cheena:コンバス何も分からん。一本欲しいですね...
ネモト:たしなみとして1台欲しいけど決して安くはないからねぇ…。
今の入門機はルーマニア製がいいみたいね。
カルパチア山脈から採れる材の質がいいので安くて良いとか。少し前まではチェコ製が良かったみたい。
曖昧な表現なのは5弦で安いのは国産だったから。海外産はあんまり調べなかった。
Cheena:そういえばWish Instrumentsでもコントラバスやアップライトベースを作っているようですが、大きすぎて海外発送不可のようですね。
ネモト:デカいからねぇ…。
私のウッドはメーカーから直接送られてきたけどデカすぎて笑ったもの。脚立みたいな骨組みの中に入ってきた。
Cheena:そうか、ただの梱包じゃなくてフレームに入れないと危ないのか...
国際配送の場合は余計に危険か。USPSは信用ならないし、UPSでも絶対安全というわけでもないし。
ネモト:運送業界にいるけど国際便は外箱ボロボロになってくること多いなぁ。下手すりゃウチでテープ貼って補修するし。税関オープンされたやつの方が改めて梱包される分頑丈になってたりする。アマゾンはじめ大きなショッピングサイト経由だと違うけど。
アメリカ産のウッドだとコルスタインのイメージがある。コルスタインがどの業者を使って日本に送られるのかわかれば安心して頼めるかもね。
Cheena:日本の運送業界には感謝しかないですね。
ちなみに米国の運送会社だと、FedExとUPSが一番まともに送ってくれます。少なくともバゲッジロストはほぼ無いし、トラッキングもちゃんとしている。
完全にパーツの話ではなくなってきましたね。
ネモト:意外。フェデックスは輸送機の操縦が荒いと空港勤務の知人が言ってたからテキトーなのかと思ってた。
これからパーツの話に戻すと完全に収拾付かなくなるからここで切り上げない?
Cheena:FedExは航空機の機体のグレードにかなり幅があるので、それもあるかもしれません。少なくともUSPSより遥かに信頼できますよ。
今回はここで閉じましょうか。ありがとうございました、次回もお楽しみに。
ネモト:知らなかったわ…。
ありがとうございましたー。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら