こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します!
いつもはストレッチや体のこと、ギターの弾き方について発信していますが今回は新しく使ってみた弦についてレビューをしてみたいと思います。
その弦とはこちら。Martin MM11 Retro
MARTIN ( マーチン ) / MM11 Retro Custom Light
その説明を読みますと、「1930年代のマーチン弦を現代風にアレンジしたアコースティックギター弦。モネルというニッケルと銅を独自ブレンドした材を巻き線に、錫メッキ銅の芯線に使用。落ち着きがありながらも歯切れの良さも兼ね備えた独特のサウンドが魅力です。」とのこと。
まさにレトロというネーミングがぴったりですね。昔使われていた弦の復刻版だと考えるとなんだかロマンを感じますね。
その名と説明の通り、カントリーやブルース、ブルーグラスといったルーツミュージックを演奏するのには最適な弦だと思います。
素材について
特徴的なのは素材にニッケルを使用していることです。
現在の主流な弦というのはフォスファーブロンズやブロンズといった青銅を素材として使用していることが多いです。これらの特徴としては、主に「きらびやかな音色」にあると思います。この明るいサウンド=アコギの音とイメージされる方も多いと思います。
しかしこのレトロ弦にはエレキギター弦によく使われるニッケルがブレンドされています。これにより明るすぎない優しさのある独特の音色を確立させているのです。見た目もエレキ弦のようなシルバー色になっています。

音色について
肝心な音色なのですが、誤解を恐れず言うと「アコギとエレキギターの中間的な音色と弾き心地」だと個人的には思います。
フォスファーブロンズ弦に慣れてしまっている方からすると、高音の鳴りが物足りないと感じるかもしれません。しかし音がこもっているわけではなく、むしろ一本一本の弦の音が太くなったような印象があります。また超高音部分がマイルドなため耳障りの良い優しい音とも言えます。しかしキレがないわけでもなく、カッティングをしても歯切れ良い音を出すことができます。
またフォスファーブロンズ弦とは異なるテンション感があります。僕は少し細めのカスタムライト弦を張っているのですが、細い弦にありがちな弦が暴れる感じや鳴りが寂しい感じもなく、しっかりとしたやや硬めの張り感があります。
この太くキレのある音色と適度なテンション感がカントリーやブルースに合いそうな音色に繋がっているのだと思います。
また試してはいないのですが、素材がニッケルを含んでいるのでマグネットピックアップを使う場合、フォスファーブロンズ弦と比べても音色のバランスは取りやすいかもしれません。
弦の寿命について
アコギを弾かれる方がよく気にされるのが「弦の寿命」だと思います。 フォスファーブロンズ弦だと、メーカーや弦の種類にもよりますが早くて数日で音のきらびやかさが無くなったり、サビが出てきたりと音色の劣化を感じることもあるかと思います。
その点、レトロ弦は元々きらびやかさが少ないため音色の劣化も少ないように感じます。むしろ弾きこむごとにレトロ弦の特徴的な音色の部分がわかりやすくなるような印象があります。 今張っている弦も2ヶ月ほど使用しましたが音色の変化もさほど感じず、サビが出るようなこともありません。
ラインナップについて
そんなレトロ弦、他の弦と比べてみてもなぜかラインナップが豊富です。
ゲージの種類もエクストラライト〜ミディアムまであり、なんと12弦ギター用の弦まで用意されています。またアーティストシリーズというシグネチャー弦のラインナップまでも用意されています。ブルーグラスで有名なTony Riceとソロギターの名手Laurence Juberのそれぞれシグネチャー弦があります。

通常のミディアムゲージはこんな感じ。

Tony Riceのシグネチャー弦は2,4,5弦が少し細めになっていますね。
Laurence Juberのシグネチャー弦は3〜5弦がさらに細い設定になっていますね。

フラットピックスタイルかフィンガースタイルか、それぞれのプレイスタイルによって弦の太さが微妙に違うようです。演奏スタイルによってゲージを細かく選べるので、拘りたい方にもオススメできますね〜!
いかがでしたでしょうか!
少しはこのレトロ弦の魅力が伝わりましたでしょうか?
ちょっと変わった弦ではありますが、アコギっぽさはちゃんとあり個性的すぎないので弾き語りやフィンガースタイルなど様々なジャンルで活躍できる音色だと思います。 個人的にはルーツミュージックをされる方以外にもオススメしたい良質な弦です。
「ギターの音がなんだかしっくりこない」なんて悩まれている方は思い切って弦の種類を変えてみるのも手だと思います。
いろんな弦を張ってみて、自分の好みを知ることもギターの醍醐味ですよね!くれぐれも“沼”にはまらないようご注意を…。笑
それではまたー!