CELESTION ( セレッション ) / Celestion Ruby 8Ω ギターアンプ用スピーカー

The Tone Quest Report

Celestionらしい美しいトーンRuby

英国Celestionの伝統を継承したアルニコ・スピーカーをレビューしました。

Rubyのような外観のスピーカーは今まで見たことがなく、印象的です。美しい赤いルビー色に心を奪われました。Celestionの本来のサウンドというと、数々の名曲、奏者、そしてそのトーンが思い起こされます。例えば、Tommy Bolinを考えると、初期の頃からMarshallの100WアンプやHIWATTのアンプを使用していて、搭載されていたのはCelestion製スピーカーだったでしょう。そのトーンと巧みなスライド奏法は魔法のようでした。「Teaser」というアルバムは1975年にレコーディングされたものですが、私もとても感銘を受けて、Tommy Bolinの曲を南東部から西海岸までバーやクラブで演奏したものです。

70年代はハードロックの黄金期と言われていて、米国各地のラジオで頻繁に流れていました。その中でCelestionスピーカーのトーンは重要な役割を果たしました。Celestion Radio社とCelestion社は1927年に設立され、会社の理念は「The Very Soul of Music」。その伝統は今日でも英国Ipswichの地に生き続けています。最新のRubyスピーカーはCelestionスピーカーを伝説にした全ての要素を持っています。

40WのFender Blues Deluxeアンプに35W Robyを搭載し、50W Celestion Alnico Goldと比較してみました。40Wアンプに35Wスピーカーを搭載する程度なら心配いりません。Goldは少しクリーンなサウンド、明るい倍音を生み出す確かで豊かなサウンド、美しい明瞭な高音、妥協のない非常に速い低音レスポンスを持っています。
Rubyも同様に印象深いサウンドながらも、音色は異なります。35Wですが、全体的なサウンドと音量はGoldと同様です。繊細な立ち上がりとマイルドなディストーションを持ち、魅力的です。40Wアンプのつまみを5～6にし、コードを奏でたときに、やや倍音が豊かな歪みを生み出します。決して目立ちすぎることなく印象深いサウンドです。実際、そのサウンドの魅力に虜になってしまいました。「クリーンなディストーション」を想像してみてください。Rubyから出る音はとても魅力的でベルのように澄んだ輝きがあるゆえに、わずかなプッシュ（やや倍音が豊かな歪み）で、Goldとの違いを感じるのかもしれません。RubyをBlue Deluxeから外したくなくなりました。輝くサステイン、ゴージャスな倍音、スムーズな高域、印象的な中域、しっかりとした低域が得られます。完璧なロック＆ブルーストーンです。粗々しさや、ざらつきはなく、コードを美しく、リードギターを際立たせる確かでマイルドなササステインを生み出します。Rubyは中出力のギターアンプに最適で、美しいオーバードライブトーン、クリーンなリズム、鮮明で豊かなコード、明瞭なソロ演奏、ギターと一体となったようなレスポンスを持っています。ピッキングに鋭く反応しニュアンスを表現、トーン全体は豊かな輝きを持ちながら、スムーズで繊細な中域です。紛れもない真のロック＆ロールサウンドです。キャビネットに合えば、15-20Wクラスのアンプにも搭載可能。Blues DeluxeやDeluxeにもフィットします。そのソウルフルなトーンには価格以上の価値があります。