マイクの感度は○○dBV/Paというように書かれていますけど、Paってなんでしょう。
本番前のステージで「チェック・ワンツー」と言いながらマイクテストをしている音響エンジニアさん達をピーエーさんと呼んだりしますが、このピーエーのことではありません。
台風が来ると皆さんがよく耳にするhPa(ヘクトパスカル)という言葉がありますが、Paは同じ圧力の単位で、1hPa=100Pa(パスカル)です。
http://www.tenki.jp/guide/chart/
だったら、マイクで気圧の測定ができるのかというと残念ながらできません。マイクが検出するのは圧力そのものではなく、音という圧力の変化です。言い換えると圧力変化のない0Hzの圧力は検出できないということです。
では、1Paの圧力変化がどのくらいの音かと言うと
人が聞き取ることができる最小の音圧(実効値)は20μPaと言われており、この音圧を0dB SPL(Sound Pressure Level)としています。1Paは20μPaの50,000倍なので約94dB SPLとなります。
そこで94dB SPLの音を出すものを探したところ、笛吹ヤカンのピーという沸騰音(蒸気吹き出し口から約15cm)が約95dB SPLでほぼ1Paの音圧でした。
マイクの感度○○dBV/Paは、1Pa(1KHz)の音圧(実効値)に対し○○dBVの電圧を出力することを示します。
感覚的な目安としては、マイクの感度はヤカンのピーという沸騰音を吹き出し口の近くで拾った時の出力電圧に相当することになります。