これなに? | SONYのBluetooth完全ワイヤレスイヤホン。スマホとの連携に特化。周囲の音も聞こえるデュアルリスニング。 |
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どんな人向け? | 音楽を聴きながら仕事をしたい人。スマホを見ずに通知をチェック、時計を見ずに時間や予定を把握したい人。本機の声を担当している声優・寿美菜子さんのファン。 |
価格は? | 24,800円(税抜) |
限定キャンペーン | 期間限定で3,000円キャッシュバック 2018年11月30日~2019年1月15日 |
SONY (ソニー) / Xperia Ear Duo XEA20 N ゴールド
SONY (ソニー) / Xperia Ear Duo XEA20 B ブラック
Xperia Ear Duoは発表当初から革新的なデバイスとして注目された。完全ワイヤレスイヤホンかつ、周囲の音をマイク越しではなく生音として聴くことができるデュアルリスニング設計。
目玉は時間やスケジュール、ニュースを読み上げる「デイリーアシスト」機能。声優による定型文が収録されており、合成音声とは一線を画す。まるでアシスタントが一人付くような、ヒアラブルデバイスとしては前世代のXperia Earをさらに発展させた形だ。
発売当初、LINEやメールを含むアプリの通知読み上げ機能はAndroidのみ対応だったものの、10月のアップデートでiPhoneにも対応。より汎用的なデバイスに仕上がった。
20年来のSONYファンとして、そして前機種・Xperia Earに興味を持っていた身としては、頻繁に価格をチェックしてしまうほど気になっていた本機。
しかし昨今のSONY製ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは、上記のようにファームウェアのアップデートで性能向上や新機能が提供されるため、型落ちという概念が薄れつつある。
つまり待てども待てども価格が下がらない!
SONY製品は、ほしいと思った時が買い時なのです!!
というわけでXperia Ear Duo、買っちゃいましたので使い勝手を正直にレビューします。
■外観

iPhone6とのサイズ比較。かなり大型だが重みは感じない

マイクは計4つ。外部の音を集音するマイクが2つ。
ノイズキャンセリングのためではなく、入力された音声からノイズを除去するための解析用。

バッテリーケースは急速充電に対応するUSB Type-C接続。
今後のスマートフォンで主流となる端子のため、変換アダプタを使わずに長く使えそう。
■音質
この機種に興味がある時点で、あなたは音楽鑑賞用のイヤホン、ヘッドホンは別に持っているはず。これはあくまで仕事向けのイヤホンです。
その上であえて音質に言及すると、ボーカルの聴き取りやすさは特筆すべき点。もともと音声アシストに特化していることから、人の言葉に関してはさすが専門家といったところ。
反面、アコースティック系の楽器はあまり得意ではありません。また低音に関してはイコライザーでかなり大きく持ち上げても迫力は得られませんでした。これはドライバーの性能というよりデュアルリスニングというコンセプト自体に由来していそうです。
デュアルリスニングという構造上、一般的なイヤホン、ヘッドホンよりも音質(※正しくは音の聞こえ方)は環境の静粛性による影響が大きいです。自分が鳴らすタイピング音だけが聞こえるような静かなオフィスでは十分に音楽を楽しむことができますし、この場合は数千円クラスの入門用Bluetoothワイヤレスイヤホンとは一線を画す高音質です。
反面、通勤中の電車の中や、大通りに面した歩道といった環境では外音が大きすぎて音が悪い印象を受けます。
これは密閉性の高いカナル型イヤホンと、オープン型イヤホンの違いに似ているものの、影響は遥かに大きいため注意する必要があります。

大通り沿いの歩道や駅構内では、音楽が外音に負けてしまう
■音漏れ
ありません。これはあらゆるイヤホン、ヘッドホンと比較して本機が優秀な点です。
鼓膜に直接音を伝達する、というコンセプトから、Xperia Ear Duoは完全に密閉されたドライバーで発生させた音を、長い音導管を通して伝達する設計といっていますが、これが奏功しています。
■装着性
装着感は軽く、快適。外音が自然に聞こえることもあり、付けていることを忘れるほどです。
いわゆる「SHURE掛け」の反対のような、耳たぶの下から耳にかける特徴的なスタイルは想像以上にしっかりと固定できます。ヘッドジェスチャーで首を大きく振ってもズレません。
装着にはコツが必要ですが、慣れると耳掛け型ヘッドホンをつけるのと同じくらいの時間で装着できます。
左手で耳たぶを引っ張り、右手に持ったXperia Ear Duoを挿し込むと装着しやすいです。慣れると耳を挟みこむように片手で装着することも可能です。
■LINE
通知が来ると内容を読み上げてくれます。単純ながら非常に便利でスマホを開く頻度がかなり減りました。
既読が付かずに内容がわかるのも、ちょっといいところかもしれませんね。
なおLINE側で通知を切っているグループ・相手からの連絡は通知も無く、読み上げません。
■ニュース
デイリーアシスト機能ではニュースを2、3件読み上げてくれます。
ニュースは4カテゴリあり、Xperia Ear Duoアプリから優先順位をつけることができます。
既定では総合が優先。芸能ニュースが多い印象を受けたため、仕事モードの時に聞くなら経済の優先度を高めるとよさそうです。
■駆動時間
完全ワイヤレスとしては極めて長い4時間再生が可能です。
仕事の間、1日中付けることを考えると少ないように思えますが、お昼休みのタイミングでXperia Ear Duoをバッテリー内蔵ケースで1時間半ほど休ませてあげればフル充電されます。
ちなみに急速充電に対応しているため、7分の充電で1時間分充電されます。急な電池切れにもある程度対応できます。
■遅延
現在のあらゆるワイヤレスイヤホンに共通しますが、有線と比較すると遅延は感じます。
ゲームでの使用はやはり難しいでしょう。
Androidにおける動画再生については、OSあるいはアプリ側で補正される場合があり、ズレを感じない場合もあります。ただし原則としてズレは生じるものと思うべきでしょう。
■出社&帰宅
移動を検出し、出社時、帰宅時に声をかけてくれます。これ意外に元気出ます(重要)。
■タスク管理
予定を読み上げてくれ、タスク管理用ツールとしても使えます。
Googleカレンダーを参照するため、Xperia Ear Duoを接続しているスマホ以外のデバイス、例えば仕事中のPCで入力した予定も読み上げてくれます。
タスク管理にXperia Ear Duoを使うなら、Googleカレンダーの「終日」はあまり使わずに、時間を入れておくのがおすすめ。
直近に迫っている予定は1タップで起動するデイリーアシストが教えてくれ、やるべき仕事からサクサク片付きます。
■まとめ
Xperia Ear Duoのコンセプトを見ると、スマートスピーカーを想像する方は多いと思います。確かに機能やできることは似ているのですが、実は「聞き専」で使えるのがXperia Ear Duo。音声で指示を出すスマートスピーカーとは根本的に異なります。
オフィスで使うとなると、そんなに声は出せないんですよね。「OK、Google」のような掛け声ではなく、耳たぶに触れるような自然な動作(タップ)でデイリーアシストを呼び出せる設計は実用的です。
またデイリーアシストは短いラジオ番組のようなもので、ニュースも時刻もスケジュールもどれか一つを選択するのではなく、とにかく情報を網羅してくれるのでユーザーは受動的でいられます。
スケジュールや移動に応じてXperia Ear Duoが話しかけてくれるため、これもまた受動的。
Xperia Ear Duoは先進的なコンセプトながら、実験的ではなく十分に実用的。スマートスピーカーが合わなかった方にもおすすめできる機種です。