吹奏楽経験者の方は、合奏中に先生や指揮者から「少し音程を低く」と指示され、
チューナーでは合っているのに何で?と思ったことありませんか?
それは平均律と純正律の違いです。平均律と純正律。。。違いどころか、言葉自体が初耳という方もいらっしゃるかも知れません。これらは音律(簡単に言うと音と周波数の関係)の種類です。今回はその違いについてわかりやすく書いてみようと思います。
基本的な楽典(楽譜のルール)については「サウンドハウス 虎の巻」を参照しましょう。
ここで最初に書いた先生の指示「少し音程を低く」に戻りましょう。これ実はチューナーを使って解決できるのです。一般的なチューナーは基本的に平均律でのチューニングを前提としています。そして最近のチューナーに三角の印があるのをご存知でしょうか?「この間に針がくればいいよ!」という目印ではありませんのでご注意を(笑)。
実はこの三角の印、左右非対称なんです。
KORG TM-60 WH
この印は、純正律の三度の目安です!
先生に少し低くと言われた際に左側の三角印の辺りに針が来ると、「バッチリ!」と先生に言われると思います。
例えばハ長調の主和音C(ド、ミ、ソ)のコードを演奏するとき、基音のドをチューナーの真ん中、第3音のミは左側の三角印へ合わせるように音を出すと、音にうねりのない心地よい和音になります。イ短調の主和音A(ラ、ド、ミ)のコードでは基音のラをチューナーの真ん中、第3音のドを右側の三角印へ合わせます。
こんな便利なチューナーの機能があったんです!
それでは少し簡単に平均律と純正律について説明してみます。
平均律は1オクターブを12等分にした音律のことを言います。
隣り合う音の周波数は等しく100セントとなり、身近なところではピアノの調律に使われます。
一方の純正律は和音の響きの美しさを重視し、オーケストラや吹奏楽、合唱に使われる音律です。
ミの音を例に取ると、ハ長調の主和音C(ド、ミ、ソ)のコードを演奏するときは低く、イ長調の主和音A(ラ、ド♯、ミ)のコードでは若干高めに音程を取る必要があります。同じ「ミ」の音でも、和音の中での役割によって異なる周波数を取るということです。(実際には細かい計算のもと数値は出ますが、それはちょっと置いておきましょう。)
そこで役に立つのは先に紹介したチューナーやハーモニーディレクターと呼ばれるアイテム!
ハーモニーディレクターYAMAHA HD-200というキーボードは、平均律でも純正律でも音が鳴らせて、吹奏楽等の合奏指導では定番のキーボードです。機能もたくさんあり、至れり尽くせり。
そこまでは必要ないという方には、昨年Rolandより発売されたJUSTY HK-100がおすすめです。価格を抑え操作も簡単。平均律でも純正律でも音が鳴らせる嬉しいモデルです。
YAMAHA HD-200
Roland JUSTY HK-100
次回はこのJUSTY HK-100について詳しく書いてみたいと思います。