今回は知人の凄腕JAZZギタリストから頂いた相談事例をご紹介します!
GIBSON系のギターには必ずと言っていいほど採用されているTOM(チューンオーマチック)ブリッジ。
シンプルで調整しやすく、多くのギタリストに親しまれている王道のブリッジです。
シンプルが故に、各弦を個別に弦高調整することができず、左右のスタットに噛ませてあるナットを上下させることにより、弦高を調整するというちょっとアバウトな仕組みがかえって親しみを覚えるのは私だけではないはず!
今回ご相談頂いた内容は3弦と4弦の弦高はちょうど良いが、指板の外側に行くに連れ弦高が上がってしまうというお悩みでした。
つまり、3弦と4弦の弦高がちょうどいい状態では、1弦と6弦の弦高が高くなってしまい、逆に1弦と6弦を好みの高さに合わせると、3弦と4弦が低くなり、押弦するとビビってしまうという状態です。
これはTOMブリッジ搭載のギターを長く愛していると発生するブリッジが歪んでしまうという症状です。
GIBSONユーザーの皆さんの中にも同じ症状を感じている方は多いのではないでしょうか。
ネックの反りや設定している弦高が低すぎないかなど、色々チェックしたのに改善されない。。。
そんなときはブリッジの歪みをチェックしてみてください。
歪みと言われてもわからん。。。。。という方のために!画像をご用意しました!

ブリッジの端と比べ3、4弦のある中央部分に隙間があいてしまっているのがおわかりかと思います。これがブリッジの歪みです。
正常な状態では、上部に隙間はできないようになっています。
このように3、4弦を中心にブリッジが歪んでいたため、ネックは正常な状態でも弦高がうまく設定できなくなっていたのです。
TOMブリッジは、指板の丸み(指板R)に合わせ各サドルの位置も丸みをつけ設計されています。
上記の構造により、丸みの頂点に位置する3弦と4弦にテンションが掛かりやすく、ゆっくりと年月をかけて歪んでいってしまうと考えられます。
このようになってしまったブリッジでも、歪み弦溝の切り直し修繕することも可能です。
中には力技で歪みと逆方向に力をかけ修繕していくパワフルなリペア方法もあると聞いたことがあります・・・
上記のように、手を加えることで修理できる場合のほか、例えば弦溝の切り直すリペアを行った場合、弾き心地が変わってしまうこともありえます。
フレットやブリッジ、ペグといったパーツは消耗していく物です。オリジナルパーツも良いですが、弾き心地や演奏に支障が出てしまってはもともこもありません。寸法が近ければ、スタッドやアンカーを入れ替えなくとも、ブリッジの載せ替えだけで交換できる場合も多くあります。
皆さんも自分のギターのブリッジをチェックしてみてください!!