ここから本文です

モンタナ州ボーズマン

2021-06-21

Theme:sound&person

このサイトを覗くたびに、街の楽器店には置いていなく痒いところに手が届き、しかも価格も安い商品を発見しては一人ニヤニヤと喜んでいる利用者です。
サウンドハウスさんのサイトを見ていて音楽ライター募集とあったので、素人ながら今までの人生で音楽に関する体験談や思い出、楽器に纏わることを書かせていただきたいと思います。

今から4年前の2017年8月、縁あって天文クラブの方々とアメリカ皆既日食観測とイエローストーン国立公園を巡るツアーに同行させて頂く機会を得ました。コロナ禍までは毎年夏にアメリカの友人を訪ねてアメリカ南部へ音楽、歴史に関する旅をしてきましたが、今回は目的が大自然と天体観測ということで趣が今までとは全く違い、出発までにいろいろと現地について調べたり、日食セミナーに出かけたり、カメラ撮影の方法等の知識を習得しながら今までの旅のワクワク感とはまた違う感覚、大自然と自然の神秘との体験に心浮かれていた時間を出発まで過ごしていました。

ツアーを催行する旅行会社がなかなか便利な航空便を取ることができず(当時多数の日食ツアーが便の確保に迷走していて)旅程が二転三転してようやくミネアポリス経由ボーズマン到着という、かなり東に行き過ぎてまた西に戻るという行程で最終到着の空港が初めて見聞きする街、ボーズマンでした。しかし「地球の歩き方」を読んでいると偶然にもギブソン社のファクトリーのある街であると解り、またもや音楽から離れなれない運命かとそのガイドブックを読み続けているとファクトリー見学もできるという事だが今回は団体ツアーなので諦めるしかなく、この時点で皆既日食や国立公園の事よりボーズマンの事が気になり自然体験ツアーなのに音楽に関わるツア-のようにも思えてきました。
ボーズマンのあるこの地はロッキー山脈の北部で、南側はワイオミング州とアイダホ州にかけて広大なイエローストーン国立公園が広がり森林豊かな大自然に囲まれた地であります。この様な自然豊かな地で良質なスプルースやマホガニー、ローズウッドのギターの資材が採取できるという事でギブソン社はこの地をファクトリーに選んだのだろう。

羽田を夕方に飛び立ってその日の夜遅く(-15時間の時差)に降り立ったボーズマン空港は木造建築二階建てのアメリカの空港にしてはこぢんまりとしたログハウス風の空港で、ロビーにはショーケースに収められた珍しい3本のギブソンアコースティックギターが飾られていました。私は暫くそのギターを眺めていて、ふと周りを見渡すと私だけがその場でじっとしていて危うく迷子になり他の同行者に迷惑をかけるところでした。ただ自分の今いる場所が私も所有しているギブソンギターの作られた場所にいると思うと感慨深い思いに浸りました。

この皆既日食ですが、金環日食や部分日食とは違い完全に太陽が月に隠れ、気温が下がり肌寒く風が強くなり、昼間なのに数分間真っ暗になる神秘は五感で体感しなければ語れないものがあります。音楽ならレコードで聴くよりライブで聴いて体験したものの方が語りつくせない素晴らしさがあるのと同じではないかと思います。

日食を体験できるまでの日程にイエローストーン国立公園の観光がありました。世界で初めての国立公園、四国の半分はあろう広大な面積、あちこちから湧き上がる色とりどりの間欠泉、バイソン、ヘラジカ等の大型動物が生息して、数多くの滝や渓谷がありアメリカならではのスケールのデカさはには驚きの連続でした。

ここでも音楽に纏わる思い出がありました。ランチタイムになりビジターセンターで各自自由にランチとお土産の買い物。筆者もお土産を数点手に取りキャッシャーに持って行って会計をしてもらった時、店員が「When I get older lose my hair many year from now…」といきなり歌いだしたので、はっとレジスターに示された金額をみると丁度64ドルだったので私も続いて「Will you still be sending me a Valentine birthday greeting bottle of wine」と歌いました。そうビートルズの「When I sixty-four」だったのです。
アメリカ人というのは音楽が好きで何か関連する曲があったりするとすぐに歌い出したりすることが今までもよくあったりしました。アメリカを訪れると思うのがアメリカ人ってほんとビートルズ大好きやなぁと思うことが多々有ります。本屋では今もビートルズの関連本が目立つところで売られていたり、あのロバート・ジョンソンがギターのテクニックと交換に魂を売ったと言われる交差点、所謂クロスロードのあるブルースど真ん中の町、ミシシッピ州クラークスディルでの楽器店の店内にも壁にビートルズのポスターやLPが飾られていたり、アメリカの友人も皆ビートルズ大好きである。
話しはキャッシャー前の場面に戻りますが、それから周りにいた店員やアメリカ人であろう観光者も皆一緒に歌い出してキャッシャーの周り大賑わいになり、まさに「All together now」状態になったこともありました。これもそれもみんな“アメリカ”であり、デカく明るく音楽大好きな国であることを痛感します。

あれからコロナ禍までにもミシシッピ州やアラバマ州へも旅をしましたが、家でギブソンアコースティックギターを弾くたびにサウンドホールの中を覗くと見えるオレンジのラベル。そこに書かれているBozeman,Montanaの文字を見る“度“にこの“旅”を思い出します。
コロナ禍が終息すれば、またアメリカの田舎の町から町を、途中に買ったソウルフードを頬張りながら、カーラジオから流れるブルースをBGMにクルマで大自然豊かな筆者の大好きな音楽の国アメリカの旅を続けたいものです。

kazunobuNishikawa

1963年、兵庫県生まれ 子供の頃から兄や従兄弟の流すビートルズやブルースの影響で中学生からギターを始め、高校生迄は友達とバンドを組んで弾いていたが無能に気付く。2015年、フェスで永井ホトケ隆さんと森俊樹さんのブルースを聴きまたギターの思いが蘇り森俊樹さんのブルースギター教室に通い始め、発表会等で人前で演奏する機会を得る。好きなジャンルはビートルズやブルース等の黒人音楽。コロナ禍迄は関西近辺のライブハウス、アメリカ南部のブルースやcivil right等の縁の地を訪れる。
Twitter http://twitter.com/indigoblues9

 
 
 

Categories

Translated articles

Calendar

2025/4

  • S
  • M
  • T
  • W
  • T
  • F
  • S
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30

Search by Brand

Brand List
FACEBOOK LINE YouTube X Instagram TikTok