サウンドハウスをご覧の皆様、おはようございます。DJのおわたにです。早いもので記事掲載も4本目、前回の即興mashupの記事がサウンドハウスのトップページの片隅に載っているのを先日見かけた時はなんだかすごく感動してしまいました。

嬉しくてスクショまで撮ってしまった……
さて、今回の記事では以前寄稿させて頂いた複数の記事に必ずと言っていいほど出てきている、ある”場所”の話をしたいと思います。「スタジオ」です。
スタジオと言えばバンドマンの皆さんにはおなじみ、どころか”実家”ぐらいに思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。
傷彦さんとホーリーさんのこちらの記事 ( 関連記事『現役バンドマンが語る ~スタジオ~』) ではバンドマンならではの目線からお二人がスタジオについて語っておられますが、実は近頃、スタジオはバンドマンだけではなくDJにとっても見逃せない存在になってきています。
DJ機材の有償レンタルが以前と比べて手厚くなってきており、家では出せないような大きな音で現場レベルの機材を使って練習できる(しかもクラブのブースレンタルなどと比べても安価に!)場所として活用される方が増えてきている印象なんですね。まあわたしもバッチリその一人なわけですが、しかしただスタジオでDJ練習をするということのみをご紹介するためにこの記事を書いているわけでは、勿論ありません。
本稿で皆様にお伝えしたいのは、既にタイトルにもある通りスタジオDJ練習“会”についてです。“会”と書いているわけですから当然、一人で行うわけではない複数人でのスタジオ練習を指すわけですが、これが本当に楽しいんですよ。
筆者は昨年春以降外出の機会が一気に減ったので(多くの方がそうなのではないかと思いますが)なかなかできていないのですが、コロナ禍が明けた暁には絶対にやりたいことの一つがこの「スタジオでの多人数遊び会」です。
皆様は”B2B”というプレイスタイルをご存じでしょうか?と言ってもクラブイベントに遊びに行ったことのある人であればDJ経験者でなくとも低くない確率で見たことがおありかと思いますが、これはBack to(→2) Backの略で、複数人のDJが一曲ずつ交互に楽曲をプレイする形態を指します。
イベントの中で行われるB2Bは「二人で50分」とか「その日の最後にイベント出演者だったり、時にはオーディエンスからの飛び入りを交えてアンコール的に大人数で」みたいなパターンが多く見られるのではないでしょうか。

通常一人で行うDJプレイは、前後のDJの流れを汲んでその場でかける楽曲を選びながら流れを作っていくか、またあらかじめかける曲を決めておいて現場で披露するというようなもののどちらかになるかと思います。しかしB2Bでは、相手がどんな曲をかけるかは未知数。
もしかしたら相手が自分の知っている曲を選曲するようなことはあるかもしれませんが、それも決して多くはありません。相手の選曲を聴きながら反射的に楽曲を選び、プレイし、そして相手は自分の選曲を聴きながら反射的に楽曲を選びプレイする……B2Bはこの連続です。それを1時間やるとどうなるか?瞬発力、鍛えられるに決まってますよね。
ちょっと自分語りになってしまうのですが、筆者は初心者だったころのDJをすべてセット事前組み型でやっていて、(今でも録音音源をかけるタイプの配信イベントなどは例外的にセットをあらかじめ組んだりもするのですが)現在は基本的に即興でDJをやっています。
DJ始めたての頃は「即興でDJなんてできるの?」と思ってましたし、その後できるようになるとは夢にも思っていませんでしたが、イベントの展開などで音を止めることなく前のDJからスムーズに繋いでいくためには即興でDJをできることが不可欠であると気付き、配信などで即興の練習をしたりもしていました。その中で、やはり圧倒的にDJの即興面での実力アップにつながったと実感しているのが、誰かとB2Bをすることでした。
実際に知り合いのお家にお邪魔してB2Bをしたり、代々木公園でレジャーシートを敷いて機材を囲んだり、パーティーの終わりにB2Bに混ぜて頂いたりして(出演者でもないのに。許可はちゃんと取りましょう笑)色々な場でB2Bをしていると、聴いたことのない楽曲からどう自分の持っている楽曲につないでいくか、頭をフル回転させて向き合うことになります。また自分の手持ちの音源だけでは対応できなくなるような瞬間も見ることになりますが、そういう状況は一人で練習していてもなかなか直面するものではありません。
自分のdigを見つめ直すきっかけになったり、悔しい思いもしたりしましたが受けてきた恩恵はとてつもなく大きかったです。
そんな経験をもとに、ある程度DJができるようになってからもスタジオではよく誰かとB2Bをして遊ぶことが多く、関西や四国からインターネットで仲良くしていただいているDJの方が東京へいらっしゃる際にカラオケに行くようなノリでスタジオに入ったり、10人近い人数で4~5時間ぶっ続けでB2B2B2B2……Bをしたりしています。一緒にDJ機材をいじっていると、何となくその人のことが分かったような気になるというのはDJ諸氏からはわかりが得られるのではないでしょうか。
というわけで、スタジオは新しい機材・接続方法のテストや単純に大きな音で練習できるというようなメリットだけではなく、誰かと一緒に入ってみることでまた違った楽しみが得られるというのが今回のご紹介でした。
機材の紹介などではなかったですが、以前ご紹介した通り複数人のB2BではInterface2のような出力機材があるとかなり便利です。自分の手持ちの機材の新しい使い方を見つけるきっかけにもなるかもしれませんね!
Pioneer DJ ( パイオニア ) / interface2 rekordbox dvs用インターフェース
最後に、DJユース的にお勧めのスタジオ(首都圏寄りなのはご容赦ください)をいくつかご紹介して本文を終わりたいと思います。ここに挙げているスタジオ以外にもDJ機材をレンタルできるスタジオはたくさんありますので、是非皆さんもお近くのスタジオに足を運んだりしてみてくださいね。
スタジオは筆者にとって重要な遊び場であり、都内に出るのが難しくなってしまった昨今の情勢ではなかなか以前使わせて頂いていたスタジオにも行けなくなってしまいましたが、もうそろそろ誰かと気軽にスタジオに入れる日が来るといいな……と心から願っています。お読みいただきありがとうございました!
■ゲートウェイスタジオ渋谷道玄坂店
http://www.gw-studio.com/studios/studio_shibu2/index
■クラウドナインスタジオ横浜西口店
https://www.cloud-9-studio.com/studio/yokohama_w.html
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