自然で音楽的なダイナミクスコントロールからブリックウォールリミッター処理まで、定評あるコンプレッサーPortico 5043の特徴を500シリーズフォーマットで継承したコンプレッサー・モジュール。543は、フィードバック/フォワードのふたつの動作モードと、ピーク/RMSのふたつの検知モード、サイドチェインハイパスフィルターを装備したフル機能のコンプレッサー/リミッターです。
■主な特徴
COMPRESSION -コンプレッション
信号レベルがスレッショルドの設定値以下であった場合、ゲインコントロールは機能せず、入力レベルがそのままリニアに出力されます。信号レベルがスレッショルド値に達し、それ以上になった場合、ゲインはレシオ設定に従ってコントロール(コンプレッション)されます。
GAIN - ゲイン(メイクアップ)
コンプレッサーはオーディオ信号のレベルを抑えるプロセッサーです。そのため、オンにした際とオフにした際の出力音量が異なります。ゲイン(メイクアップ)でコンプレッサーによって抑えられたゲインの補正をします。543 は Portico モジュール同様に、-6~+20 dB の範囲のゲインコントロールが用意されています。一般的にはコンプをオンにした際とオフにした際の音量が同じになるよう設定します。
RMS / PEAK - RMS / ピークモード切り替え
通常の平均値を検知して動作するRMSモードと、ピーク検出による1ミリ秒以下の超速モードの切り替えを行います。
S/C HPF - サイドチェインハイパスフィルター
VCAの動作に悪影響をあたえる低域 : 250 Hz 以下をカットするサイドチェインフィルターです。不用な低域による変調歪が発生する際に使用します。
RATIO - レシオ
コンプレッサーのゲイン圧縮比を設定します。設定範囲は 1:1~LIMIT(約 40:1)です。
Threshold - スレッショルド
コンプレッサーが動作する信号レベルを設定します。信号レベルが設定値以上に達した際にコンプレッサーが機能します。設定範囲は -30~+20 dBu です。
ATTACK TIME - アタックタイム
コンプレッサーの開始時間を設定します。設定範囲は 20~75 msです。
RELEASE / RECOVERY TIME - リリース / リカバリータイム
コンプレッサーによるゲインコントロールの持続時間を設定します。設定範囲は 100 ms ~ 2.5 s です。
STEREO Operation - ステレオ動作
LINKボタンをオンにした場合、リンクバスで繋がれた2台のコンプレッサーが連動します。2台の 543 でステレオ信号を扱う際に便利な機能です。この機能はV.C.A.の動作のみが同期しますので、2台のパラメーター設定をほぼ同じよう揃えておく必要があります。揃っていない場合はステレオバランスが崩れる可能性があります。リンクは500シリーズラックにリンクバスが装備されている場合のみ機能します。ラックにリンクバスが装備されていない場合、543 モジュール同士のリンクバスを物理的に接続することで対応できます。
Ducking - ダッキング
2台の 543 モジュールをリンクした場合、1台目のモジュールに通った信号を2台目の音量制御に使用できます。例えば1台目にスピーチ音声が通ると、喋り声を目立たせるために、喋り声の音量に合わせて2台目の音楽や演奏などの信号レベルをコンプレッサーで抑えます。
Meters - メーター
8ポイントのピークレベルメーターが出力とコンプレッサーのゲインリダクションのそれぞれに用意されています。
※Rupert Neve Designs社の500シリーズ製品は、専用ラックシャシーに装着して使用する製品ということもあり、フロントパネル以外のシャシー装着時に見えなくなるパネル部分については、メーカーでの製造過程や検品時にキズがつくことを前提とした生産となっております。該当箇所につきましては新品でもキズがついている場合がありますが、製品不良ではございませんのでご了承ください。
レビューを投稿するWrite a Review