回転可能なHPSウェーブガイド & X-ARTツイーター
ADAM AudioのHPS(高周波伝搬システム)ウェーブガイドにより、ツイーターは水平方向に幅広く、垂直方向にはしっかりと焦点を合わせた音をコントロールしながら拡散させることができます。Aシリーズでは、回転可能なHPSウェーブガイドデザインを導入しています。これにより、ツイーターを90度ずつ回転させることができ、スピーカーを横置きと縦置きのどちらで設置しても、HPSウェーブガイドの恩恵を受け続けることができます。
AシリーズのHPSウェーブガイドは、新しいガラス繊維ポリマー化合物から作られており、不要な共振のないクリアなサウンドを生み出すのに役立っています。ADAM Audio X-ARTツイーターは、回転可能なHPSウェーブガイドの中心に位置しています。ドイツでハンドメイドされているX-ARツイーターは、非常に正確なトランジェント応答を実現し、音の細部まで忠実に再現します。このX-ARTツイーターは、すべてのAシリーズスピーカーに採用されており、ADAMの特徴である解像度の高い緻密なサウンドを提供します。
マルチレイヤーミネラル・ウーファー
Aシリーズのウーファーは、ミネラルストーン繊維を独自に配合し、焼き固めたもので、軽量かつ安定性の高い素材です。各スピーカーコーンの鉱物組成、積層、形状は、各機種に使用されているドライバーに固有の設計となっています。この素材と新しいマグネットシステムを組み合わせることで、Aシリーズのウーファーは高出力かつ低歪みで、クリーンなローエンドを実現します。
Sシリーズから受け継いだミッドレンジドライバー
Aシリーズのミッドレンジドライバーは、Sシリーズスピーカーに採用されている画期的なADAM Audio DCH™ミッドレンジドライバーを応用し、人間が特に音の色付けに敏感な周波数帯域でとてもクリーンなサウンドを実現しています。ミッドレンジ専用ドライバーを使用することで、ウーファーが中域を再生することが不要になり、結果として低域と高域においてより明瞭なサウンドを提供します。A77HとA8Hは、いずれもAシリーズのミッドレンジドライバーを採用した3ウェイ・システムです。
ハイブリッド・アンプ
Aシリーズは、デジタルとアナログの両方の良さを兼ね備えています。ウーファーは、歪みを抑えながらリニアなパフォーマンスを実現するクラスDアンプによって駆動されます。このアンプは、音質と消費電力の両面から、特にパワーと効率性を重視して選ばれました。また、熱放散が少ないため、ヒートシンクの小型化、低コスト化が可能となり、Aシリーズのパワーと性能をさらに向上させるために可能な限りの投資が行われています。
ツイーターとミッドレンジドライバーには、スムーズで自然な高域再生を実現するAB級アンプを搭載しています。各アンプは担当する周波数帯域に合わせて最適化されており、その結果、綿密なチューニングが施された妥協のないスピーカーが誕生しました。製品が完成するまでに、ADAM Audioは無数のアンプとアンプ部品を検証し、徹底した測定と試聴を行っています。
DSP搭載のエレクトロニクス
Aシリーズは、DSPを搭載したエレクトロニクスがもたらす革新的な性能を活用し、アナログ回路のみで構成されたスピーカーと比べて、より優れたチューニング精度と予測可能な品質を提供します。また、イーサネット接続によるファームウェアのアップデートにより、新しいフィルタータイプや新機能、そして新たなボイシングなど、ADAM Audioの最新のDSP機能を長期にわたって統合することができます。
ルームアダプテーションEQ
Aシリーズ・スピーカーのバックパネルには、4つの帯域のルームアダプテーションEQが用意されています。Bass、Desk、Presence、Trebleの4バンドです。各帯域はあらかじめ設定されたdBステップで調整でき、スピーカーの配置によって生じる典型的な音響的問題を補正するために100通り以上の組み合わせでチューニングオプションを提供します。
ボイシング
ボイシングはAシリーズ・モニターにあらかじめ設定されているサウンドプロフィールです。バックパネルより、"UNR"と "Pure"の2種類のモードから選択できます。また、イーサネット接続によるA Controlソフトウェアの機能を活用する"Ext"モードも用意されています。
"UNR"(Uniform Natural Response™)は、ADAM Audioが独自に設計したダイナミックで自然なサウンドプロフィールで、先行するAXシリーズを含むADAM Audioを代表する様々なレガシー製品に由来しています。その魅力的で存在感のあるサウンドは、創造性や集中力を引き出すのに向いており、制作、作曲、ソングライティングに適しています。また、単にスピーカーで音楽のリスニングを楽しみたい時にも最適です。
"Pure "は、高精度かつニュートラルなサウンドを実現するボイシングです。ミキシングやマスタリングなど、細部にまでこだわり、入力したオーディオ信号の音を忠実に再現したい場合に最適な「フラット」なセッティングです。
“Ext”は、イーサネット接続によるA Controlソフトウェアの機能を活用するモードです。ユーザーがA Controlの6バンドEQを使用して作成したカスタムボイシングをモニタースピーカーに設定することができます。
A Control(リアルタイム・リモート・コントロール)
AシリーズのDSPベースの機能は、無料でダウンロードできるソフトウェア「A Control」を使って、イーサネット経由でリアルタイムにリモートコントロールすることができます。A Controlは、Aシリーズモニターを登録されたお客様を対象に、www.adam-audio.com のMyADAMエリアからWindowsとMacOSでダウンロードできます。
一度ダウンロードしてインストールすれば、スタジオスペースの様々なリスニングポジションから、複数のスピーカーを同時にコントロールし、イコライゼーションやディレイの設定を正確に調整することができます。また、フェーダーや物理的なインターフェースから離れた場所でも、作業中にモニターレベルをリモートでコントロールすることができます。特に多目的な制作環境では、ボイシングやEQなどの設定を思い通りに行うことができるため、リモートコントロール機能は非常に有効です。
音響補正とSonarworksの統合
Aシリーズスピーカーは、使用環境や好みの変化に適応できるように設計されています。A Controlソフトウェアを使用すると、高度なフィルター設定や補正データをモニターに搭載された組み込みプラットフォームに直接読み込ませて、問題のあるルームアコースティックを補正することができます。この組み込みプラットフォームは、業界をリードする音響補正ソフトウェアのメーカーであるSonarworksの音響補正データに対応しており。Sonarworksソフトウェアと測定用マイクを使用すれば、新しい部屋や好みの変化に合わせてスピーカーをキャリブレーションすることができます。
バスレフシステム、エンクロージャー、取り付け金具
新しいAシリーズのキャビネットは、ADAM Audioの伝統なデザイン、特にAXシリーズの設計を受け継ぎながら、それらをさらに進化させたものになっています。新しいキャビネットにはより深い面取り加工が施され、音の回折をこれまでに以上に低減しています。バッフル壁を厚くすることでキャビネットも強化し、内部振動が低減されています。さらに、バスレフはデュアルサイド・フレアポート設計になっており、空気の流れが最適化され、ポートノイズが著しく低減されています。すべてのAシリーズスピーカーには、金具取り付け用のネジ穴が底面に設けられており、必要な場所にAシリーズスピーカーを柔軟に取り付けることができます。
接続性とコントロール機能
- アナログ入力: XLR / RCA
- イーサネット(RJ45):リモートコントロール、ファームウェアの更新
- 電源のオン/オフ
- レベルコントロール
- ボイシングの切り替え
- 入力の切り替え
- ルームアダプテーションEQ:スイッチ x 4
- LEDビジュアルインジケーター(EQ、ボイシング、I/O)
- フロントLED(状態表示:オン、スタンバイ、リミッター)
- 取り付け穴の仕様:深さ10mmのM8ネジ穴×4 / 127 mm x 70 m
閉じる
すべてのレビューを見る