このページでは、ワイヤレスマイクの導入、買い替えを検討する方向けに、SENNHEISER B帯ワイヤレスマイクの概要と選び方を紹介します。
電波法関連法令 無線設備規則の改正により、今後、2004年以前に生産された機種及び2005年に生産された一部の機種(旧規格製品)が使用できなくなります。
SENNHEISERのワイヤレスマイクについては、該当機種を以下の資料にまとめていますのでご確認ください。
現在はコロナウイルスの影響により、旧規格製品の使用可能期限が延長されていますが、お早めに新規格製品への買い替えをご検討ください。
音響機器として使用されるワイヤレスマイクには、大きく分けてA帯とB帯の2種類があります。使用する電波の周波数や規格が異なり、A帯ワイヤレスは高性能である一方で使用にあたっては免許及び申請が必要です。
一方のB帯ワイヤレスは免許・申請は不要。そのため、小規模コンサートやイベント等では、気軽に使用できるB帯ワイヤレスが多く使用されています。このページで紹介されている製品もすべてB帯ワイヤレス。誰でも買ったその日から使用することが可能です。
SENNHEISERのB帯ワイヤレスは、XSW 1 / XSW 2 / evolution wireless G4の3シリーズがあります。これらには、大規模コンサートや放送局などで使用されるA帯ワイヤレス「Digital 6000」シリーズの開発や、長い歴史の中で得られたノウハウが惜しみなく投入されています。
最も簡単でシンプルなシリーズはXSW 1シリーズ。プロ用途に応える音質、機能性を備え、誰でも簡単に扱えることが特徴です。
まずは、XSW 1シリーズで検討し、拡張性と音質をどの程度アップグレードしたいかで選んでいくと良いでしょう。
ワイヤレスシステムはマイク(送信機)だけでなく、受信機やオプションのアンテナなど、さまざまな機器で構成されます。導入にあたってはシステムに含まれる機器類を把握しておくことで選びやすくなります。また、「何人分の音声をワイヤレス化する必要があるのか」を整理しておきましょう。
ボーカリストが2人であれば、ハンドヘルド送信機×2本、2本の電波(=2波:には)を受け取れる受信機が必要、ということになります。4人であれば4波必要です。
一般的にワイヤレスマイクとして認識されているのはハンドヘルド送信機でしょう。ハンドヘルドとは「片手で持てる」という意味で、ワイヤレスシステムにおけるハンドヘルド送信機は「マイク」と「送信機」が一体になった機器のことです。
マイクは機器によって性能や音がさまざまであり、ハンドヘルド送信機も同様に性能や音が異なります。ハンドヘルド送信機に搭載されている「マイク」の質は音質に大きな影響があり、上位機種になるとマイクの質がよくなってきます。
ハンドヘルド送信機がよく使われますが、スピーチやプレゼンテーションにおいてはヘッドセットマイクも使用されます。ヘッドセットマイクの場合はハンドヘルド送信機と異なりマイク本体に送信機が収められないため、別体式のボディパック送信機があわせて使用されます。
ミキサーなどの音響機器では、ワイヤレスシステムの送信機から送信された信号(電波)をそのまま受け取ることができません。電波を受け取って音声信号に変換する機器が必要で、この機器が受信機(レシーバー)です。1台の受信機で複数の送信機の信号を受け取ることができる場合もあります。
ワイヤレスシステムでは最低1組の送信機と受信機が必要ということを覚えておきましょう。
ワイヤレス・システムではいかに安定して電波を受け取ることができるか、そして高音質を確保するかがキーポイントとなります。電波の受信性能を向上させるためのアンテナやスプリッター(分配器)等のオプション、音質を向上させるためのマイクカプセル等のオプションがあります。
基本的には送受信機のセットがあれば使用は可能ですので、必要に応じオプションでより高品位なワイヤレス・システムにグレードアップしていくと良いでしょう。
これからワイヤレスを導入する場合に最適なのがXSW 1シリーズ。SENNHEISERワイヤレス・システムの中でも最もシンプルなワイヤレス・システムです。
受信機のアンテナを内蔵としたことで手軽なシステムを実現しました。周波数の設定も簡単なので迷いません。最大で同時に7台まで使用できます。
拡張性を求める方はXSW 2シリーズまたはevolution wireless G4シリーズ、プロフェッショナルグレードの音質を求める方はevolution wireless G4シリーズをご検討ください。
ハンドヘルド送信機と受信機が1台づつの最も基本的なセットです。
ハンドヘルド送信機と受信機が2台づつの最も基本的なセットです。EM-XSW 1 DUAL受信機は1台で2台の送信機の電波を受信することができ、ばらばらに購入するよりも設置や管理が容易です。
ピンマイク(ラベリアマイク)とボディパック送信機、受信機がセットになっている製品です。マイクの装着を目立たせたくない司会者や役者などの用途に最適です。
ラベリアマイクよりも目立っても良い場合は、より口に近い位置にマイクを配置できるヘッドセットマイクタイプのXSW 1-ME3-JB ラベリアセットがおすすめです。単一指向性マイクのため、不要な音が入りにくくなります。
XSW 1シリーズに拡張性と信頼性をプラスしたシリーズがXSW 2シリーズ。
使いやすさはそのままに、よりプロ向けにチューニング。XSW 1のアンテナ・ダイバシティ方式より高い受信安定性を誇るトゥルー・ダイバシティ方式を採用し、アンテナが取り外し式なのでオプションの外付けアンテナへの換装も可能です。最大で同時に7台まで使用できます。
プロフェッショナルグレードの音質を求める方はevolution wireless G4シリーズをご検討ください。
ハンドヘルド送信機と受信機が1台づつの最も基本的なセットです。
XSW 2受信機はラックマウントが可能なため、2台セットの受信機はラインナップされていません。複数台ご購入いただき、ラックマウントしてご活用ください。
ピンマイク(ラベリアマイク)とボディパック送信機、受信機がセットになっている製品です。マイクの装着を目立たせたくない司会者や役者などの用途に最適です。
ラベリアマイクよりも目立っても良い場合は、より口に近い位置にマイクを配置できるヘッドセットマイクタイプのXSW 2-ME3-JBがおすすめです。単一指向性マイクのため、不要な音が入りにくくなります。
XSW 1/XSW 2は誰でも使える簡単さが特徴でしたが、evolution wireless G4シリーズはプロフェッショナル向けのB帯ワイヤレス。拡張性・信頼性の高さに加え、音質にもこだわったシリーズです。
約20年前から続く製品群で、ew 500 G4は4世代目となります。あらゆる表現の場にゼンハイザークオリティのサウンドを提供し、旧世代モデルとも完全互換。システムの部分更新へシームレスに対応可能です。
evolution wireless G4シリーズにはさらに3つのグレード(シリーズ)があり、送受信機の組み合わせが異なります。
ew 100 | ew 300 | ew 500 | |
---|---|---|---|
受信機 | EM 100 | EM 300-500 | EM 300-500 |
ハンドヘルド送信機 | SKM 100 G4 | SKM 300 G4 | SKM 500 G4 |
ボディパック送信機 | SK 100 G4 | SK 300 G4 | SK 500 G4 |
プラグオン送信機 | SKP 100 G4 | - | SKP 500 G4 |
evolution wireless G4シリーズはプロ向けのため、販売製品の組み合わせが多岐に渡りますので、以下の表を参考にまずはシリーズを決め、次いで送信機の組み合わせを選んでいくと良いでしょう。
ew 100 | ew 300 | ew 500 | |
---|---|---|---|
ヘッドホン端子(受信機) | なし | あり | あり |
ミュートスイッチ(ハンドヘルド送信機) | あり | あり | なし |
PCソフトウェアでの一括管理 | 非対応 | 対応 | 対応 |
さらに各ハンドヘルド送信機はマイクユニットを変更することができます。