レコーディング用マイクから、パソコン、ハンディレコーダーなど、多岐にわたる分野に使用されているマイク。マイクに対して電源供給が必要。低域から高域まで集音可能な周波数の幅が広く、些細な音や息遣いまでしっかりと集音できる感度の高さに優れています。ダイナミックマイクでは得られないレンジの広いバランスの取れたサウンドが特徴です。
ラージダイアフラム | スモールダイアフラム | ラベリアマイク | ヘッドセット | 楽器用クリップマイク | USBマイク | |
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特徴 | レコーディングによく使用されるマイク。直径1"のダイアフラムを使用した、比較的サイズの大きいマイク。 | 小さなダイアフラムを使用したレコーディングによく使用されるマイク。ペンシル型マイクとも呼ばれる。 | 胸元につけたり、目立たない場所に仕込んだりする小型のマイク。ピンマイクとも呼ばれる。 | 頭や耳に装着するタイプのマイク。有線マイクもあるが、ワイヤレスマイクとして使用されることが多い。 | 楽器に直接取り付け使用するマイク。取り付ける楽器によって形状やクリップが異なる。 | PCとUSBケーブルで接続するマイク。オーディオインターフェイスなしでPCへ音声を出力できる。 |
まずは名前についている”コンデンサー”がどのような役割を持っているかを知る必要があります。コンデンサーの構成は下記のようになります。
2枚の金属板の間に空気や絶縁体を挟みこんだ構造を作ります。そこに電気を流すと、-から+方向(矢印の向き)に流れます。絶縁体は電気を通さない性質のため、電気を流し続けると金属板の-側に一定の電気が溜まり電流が流れ込めなくなります。これが電気を溜め込んでいる状態です。
電極に電気が溜まった状態で電池を電球に変えてみます。すると電極に蓄えられていた電気が電球へ流れます。これがコンデンサーの仕組みです。
次にマイクの仕組みです。マイクでは2枚の金属の代わりに、音を拾う薄い膜のダイアフラム(可変電極)、その下に絶縁体を挟みバックプレート(固定電極)があります。このダイアフラム(可変電極)が振動し、電圧が変化することによって音声が得られます。
電気を蓄える必要があるため、コンデンサーマイクは別途電源が必須。また、ダイナミックマイクのように磁石やコイルが必要ないため、ラベリアマイクやヘッドセットマイクのような小型のマイクも多くがコンデンサーマイクです。
周波数特性が広く、低域から高域までバランスの取れたサウンド。ダイナミックマイクに比べ高感度。そのため、些細な音声から細かな表現なども集音できます。一方、振動ノイズやポップノイズを拾いやすく、ショックマウントホルダーやポップガードが必要となる場合があります。
マイクを使用するにあたり、必ず電源供給が必要。ほとんどの場合ミキサーやオーディオインターフェイスから供給できます。供給できない場合、別途ファンタム電源を用意することで解決します。パソコン用のヘッドセットマイクやハンディレコーダー用のラベリアマイクなどでは、プラグインパワー方式を採用している場合があります。この場合、接続機器側でプラグインパワー専用端子が必要です。ファンタム電源での駆動はできません。
強い衝撃や湿気、極端な温度変化、埃や塵などに弱く、場合によっては壊れてしまう可能性があります。デシケーターのような湿度管理ができる庫内で管理するのが理想的。
コンデンサーマイクのそれぞれの種類、用途を代表的な商品と併せ紹介します。
レコーディングスタジオや宅録でもよく見かける一番オーソドックスなタイプ。主にボーカルのレコーディングやナレーションに使用されます。スモールダイアフラムに比べ感度が高く、ノイズが低い一方、超高域は不得意。その他、サウンド全体の集音を目的としたアンビエントマイクとしても活用されます。
サウンドハウス一の人気を誇るラージダイアフラム・コンデンサーマイク。ショックマウントホルダー、ポップガードをパッケージしており、初めてのコンデンサーマイクとして最適です。ボーカルから楽器、ナレーション撮りまでマルチに活躍。
プロの現場では必ずといっていいほど置いてある定番のマイク。ナレーションやボーカル、楽器の集音、アンビエントマイクとしてさまざまな用途に使用されます。
漫才ではよく真中にマイクが1本設置されています。これはSONYの定番マイクC-38Bの場合が多いです。指向性を切り替えることができ、全体の音を集音する際は無指向性、目の前の音声を集音する際は単一指向性と切り替えて使用可能。マイクからケーブルが直接でており、ミキサーとの接続にはXLRオス-XLRオスのケーブルが必要です。
ダイアフラムが小さく、マイク本体も細い。ラージダイアフラムよりも高域の集音に長けています。アコースティックギターやバイオリンなどの生楽器、ドラムのハイハットやオーバーヘッド、マイクバーを用意し会場全体のサウンドを集音するステレオマイクとして使用されます。
ステレオマイクバーを使用し、マイク2本で全体のサウンドを集音。MS方式やXY方式などいくつかマイクのセッティング方法があります。また、その際使用するマイクはペアマッチドタイプ(特性の近い固体をメーカーで選定したもの)を使用します。
高域の集音を得意とし、シンバルやアコースティックギターの集音にも最適。音圧レベルの高い楽器を集音する際は、PADスイッチ(感度を下げる)を装備したマイクを使用することにより、音の歪みを防ぐことができます。
ラベリアマイクは主に胸元や目立たない場所に設置。プレゼンテーションやテレビの収録、また専用クリップを用いて楽器集音に用いられます。ヘッドセットマイクは頭に装着するマイクとなり、プレゼンテーションや実況中継、ドラム・ボーカル用マイク、管楽器用マイクに最適。どちらもワイヤレス用マイクとして使用されることも多いマイクです。
小型で目立たないため、胸元や頭に直接仕込むことが可能。各社マイクメーカーより販売されており、ワイヤレスマイク用が多い。
COUNTRYMANでは様々なワイヤレスメーカーに合わせたセミオーダーマイクを作成することができます。メーカーの他、感度、カラーの選択が可能です。
頭もしくは耳に取り付け使用するマイク。マイクが取り付けられたブーム部分は自由に曲げられるグースネック状となっていることが多いです。COUNTRYMANではラベリアマイク同様、様々なワイヤレスメーカーに合わせたセミオーダーマイクを作ることができます。
楽器へ直接取り付けるタイプのマイク。マイクとクリップが一体型になっているモデルや、楽器に合わせたオプションのパーツを組み合わせて使用するモデルがあります。
管楽器にクリップマイクを取り付ける際は、ベルを挟み込む方法が一般的。フルートのような細めの楽器については、ピンマイクに専用のクリップに取り付け管体へ固定する場合と、奏者がヘッドセットマイクを頭に取り付け、口元で吹き口の音声を集音する場合がります。
僅かな電力で駆動可能なマイク。一般的なハンドマイクやバイノーラルマイク、ビデオカメラ用と様々な分野のマイクで取り入れられています。
イヤホンのような形状をしたマイク。ダミーヘッドや実際に耳に取り付け使用する少し特殊な設置方法。まるでその場で聴いているかのようなリアルなサウンドを得られるため、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response )動画やフィールドレコーディングによく用いられています。
カメラのホットシューに対応できるよう設計されているものが多く、そのままカメラへ取り付けられます。全体のサウンドを集音するステレオタイプ、狙ったサウンドを集音するショットガンタイプがあります。
パソコンとUSBに接続することにより、直接パソコンに音声を取り込むことができます。ラージダイアフラムタイプ、エレクトレットコンデンサーマイクの場合が多い。レコーディングやインターネットを通した生配信や実況用マイクとして使用されます。
パソコンにそのまま接続し、録音用マイクとして使用可能。電源はUSBから供給します。別途オーディオインターフェイスを用意する必要がなく、マイクを使った録音のみであれば完結。また、ヘッドホン端子を装備しており、マイクから集音した音声やパソコンの音をモニタリングできます。
ニコニコ動画やYouTubeなどの配信用マイクとして活用できます。ボーカルやアフレコなどよりクオリティの高いサウンドが必要な際に最適です。商品によってはマイクスタンドへ立てて使用することができます。