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    RODE: The sound of success - part1

    2013/04/27

    一度、経営困難に陥った会社が、どのように音響機器の市場をリードするまで台頭し、オーストラリアでの製造業を牽引するような大企業に変貌したのでしょうか。いつしかRODE Microphoneの名声を聞くようになりましたが、まず、その起源をさかのぼってみることにしました。

    創立者のPeter Freedman氏は、1980年代に会社を設立しました。設立当初は中国製のコンデンサーマイクを分解し、より品質の高いマイクにしようと内部の電子機器を入れ替えていました。RODEの製品は、実演デモを伴う販売手法によって、飛ぶように売れるようになり、チームのメンバー(従業員たち)は、"like a rat up a drain pipe(ネズミが配水管を登るような)"という言葉で売れ筋であることを表現したのです。そこから後に、"Rodent(ネズミ)"の名前がついたのです。そしてFreedmanのルーツでもあるスウェーデン語から、「O」をスウェーデン語の「O」に置き換え、RODEの後に続く商品名の頭文字として、「NT」が使われるようになりました。

    今日、RODE Microphoneは、ホームレコーディング、映画撮影、プロ仕様の製品を取り扱う世界的ブランドとして一世を風靡しています。RODE社の製品はすべて、オーストラリアにあるニューサウスウェールズ州 の自社工場で製造され、現在200人余りがこの工場で働いています。2012年には"NSW Exporter of the Year in 2012"に選ばれ、続いてAustralian Design Awards、更にRed Dot European awardsも受賞しています。

    Silverwater本部にある工場施設に加え、商品デザインとマーケティングの業務に取り組むオフィスをSurry Hillsに設け、今日ではアメリカのSanta Barbaraにもオフィスを構えています。更に、スタジオモニター「Event」製品ラインの研究開発のための補助的な機関として、米国Seattleにある施設を2006年に購入しています。

    【マイクのデザイン】
    オーディオ製品の品質の鍵、それはマイクデザインのこだわりです。それ以外の点は、二の次というのがRODE社の信条です。RODE Microphoneをデザインするメンバーは、自動化された生産方式における利点を十分心得ており、手作業による品質のばらつきを避けるため、正確かつ効率のよいオートメーション化を実現しました。

    マイクのデザイン自体は、その専門分野のエンジニアたちによって行われ、まず "周波数レスポンス"が出発地点として考慮されました。周波数レスポンスは20Hz~20kHzの曲線を描くのが理想ですが、(人間の耳で聞き取れる周波数範囲)、エンジニアたちは、ハンドリングによって生じる低音のノイズをコントロールするため、一番低い周波帯におけるレスポンスの曲線をどうにかしてロールオフするデザインを考えなければなりませんでした。また、人間の声を拾うのが主な用途の時には、中域から高域の周波帯にかけて、レスポンスのカーブが少し右上がりになるように調整される必要性があったのです。このような周波数レスポンスについてこだわりを持った結果、最初にカプセルが設計されてから、ノイズ・リダクションが設計され、そしてそのカプセルや変換器がエンクロージャーの中に格納されるまで、デザイン修正が続けられたのです。また、指向性については 全指向性、及び、単一指向性のマイクロフォンやショットガンマイクとして、使用する用途に合わせて変更することができます。Peter Freedman氏は、RODE社で採用されている多くの技術は企業秘密であり、「魔法などない。必要なのは特別な"技術"だ。それは時間をかけて、やっと手に入れることができる」と述べています。

    マイクのパフォーマンスに関わるその他の事項として、回路のレイアウト、内部パーツ、基盤レイアウト、プリアンプとの相性、感度、インピーダンス出力等があります。これらのディテールがすべて、複雑に関わり合い、パズルのように組み合わされているため、1つのディテールが変われば、すべてが変化します。よって、Freedman氏は「回路構成だけを見るわけにはいかない。僕たちは、最高のサウンドを持ち、ノイズが最小限に抑えられたマイクを実現するため、全体を見通した上でデザインし、それに近づける」、そのため、「1つの事象を見るだけでは意味がない、"すべて"を見なければならない。それには何年もの長い年月が必要になる」と述べています。


    【灰から不死鳥へ】
    RODE microphoneの前身"Freedman Electronics社"は1967年、Freedmanの両親であるHenryとAstrid Freedmanによって設立されました。当初は、ドイツの音楽機器をDYNACORDから輸入していました。父親が亡くなった1987年からは、Peter氏が後を引き継ぎました。1980年代の終わり、ある時、会社を大きくしようとFreedman氏は多額のお金を借りましたが、その当時、株式市場が急落し、「多額の借金を抱えることになった。仕事、家、すべてを失った瞬間だった」とFreedmanは語っています。「とにかく何でもいいから試してみて、お金を得ることができる手段を探していた。何かを試すという意味では、場所、時期、どれでもよかったのです。そしてある日、僕たちが以前、改造したレコーディングマイクを試す機会が巡ってきたのです。」

    そしてFreedman氏は、現代のホームレコーディングのトレンドと、デジタル化したレコーディングへと移り変わることを予知した上で、経営企画を練りました。そして彼らは、伝統的なドイツの製品のように高価格ではなくとも、品質の高いサウンドを家庭で聴くことができるような商品をユーザーに提供することに努めたのでした。この初期段階での成功から、RODE Microphonesは、その特性を活かし続け、独自の製品を開発していきました。また音響の分野においての可能性を広げるために、CSIROや学術機関、産業の物理学者とも協力することとなったのです。

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