■
AKAI 「MPD32」お馴染みとなったトランスポートボタンは、MIDI Machine Control, System Real-Timeの設定が可能なだけではなく、MIDI CCを送る事も出来ます。ロータリーノブでパラメーターやコントロール・コマンドを閲覧し、プリセットを選択する事が出来ます。ノブを押すと選択が確定します。ロータリー・コントロールの下にあるカーソルボタンは3つのモードメニュー、Preset, Edit、Global内を閲覧する際に使用します。また全てのパッドのベロシティーを127に固定するボタンや、それぞれのパッドに異なったベロシティーを割り振る16LEVELボタンを搭載、後者はベロシティークロスフェードを簡単に再現する事が出来ます。全てのノブ、フェーダー、そしてボタンはしっかり取り付けられており、レスポンスも滑らかです。
また、明るい青のLCDディスプレイには、編集中のパラメーターやパッドからのチャンネルプレッシャーを含むMIDIコントローラーと値が表示されます。私はディスプレイの隅にある、値の変化を数字と図で表示してくれるインジケーターが気に入りました。
CAVALCADE OF HITS収録されているプリセットの量が多く全てはテストできませんでしたが、一番目を引いたのはSpectrasonics Stylus RMXのプリセットでした。
RMX Multisは通常、各パートのMIDIファイルを複数のホストトラックにドラッグする必要があります。MPD32のプリセットではこのようなトラックメイキングもリアルタイムで楽しみながら行う事ができます。最初のバンクにある各スイッチでそれぞれのパートをスタート、ストップする事が出来るので、一つのトラック上で複数のパーカッションを作るのも簡単に、音楽的に行う事が出来ます。私は今までFXpansion Guruをソフトウェア版のMPCだと思っていましたが、MPD32と組み合わせる事により、さらなる相乗効果を得ることが出来ます。MPD32の音源は、ドラム、パーカッションに限られているわけではありません。Ableton LiveやSteinberg Cubaseの便利なプリセットや、Spectrasonicsのプラグインソフトシンセ、いくつかのシーケンサーやPropellerhead Reasonのプリセットが準備されています。
AKAI professionalは、私がここで紹介した以上の、様々なMIDIのプログラミング機能をMPD32に取り入れました。おまけにエディターライブラリアンにライトバージョンのFXpansion BFDとAbleton Liveもバンドルされており、まさに買ったその日から使用可能です。取扱説明書も明快で、ハードコピーのクイックスタートマニュアルに、PDFの操作ガイド、インストール方法や演奏方法まで網羅したプリセットの目録(より詳細な物もAKAI professionalのサイトよりダウンロード可能)も同梱されています。頑丈な作りに柔軟な操作性、そのずっしりとした重量感から期待される通りの機能を満載したMPD32は大ヒットになること間違いありません。
Electric Musician WEBサイトより前のページへ