1969年のエルヴィス・プレスリーの大ヒット曲「Suspicious Minds」やB.J.トーマスの「Hooked on a Feeling」などを手掛け、2014年にはソングライターとしての殿堂入りを果たしたマーク・ジェイムスが6月8日にナッシュビルで死去したと地元紙が報道しました。享年83歳。
1960年代後半、メンフィスのレコード・プロデューサー、チップス・モーマンの専属ソングライターになり、1968年にはチップス・モーマンによるプロデュースのもと「Suspicious Minds」をシングルで発表。翌1969年にエルヴィス・プレスリーが同じくチップス・モーマンのプロデュースで同曲のカバーをリリースすると全米No.1の大ヒット曲となり、エルヴィス・プレスリーのライブ定番曲になったことでもお馴染みです。2022年に公開された伝記映画『エルヴィス』においても頻繁に流れており、エルヴィスのキャリアにおいても重要な曲だったことが窺えます。
また、とくにB. J. Thomasには多くの楽曲を提供しており、中でも「Hooked on a Feeling」は、後のヒット曲「雨ぬれても」と並ぶB. J. Thomasの代表曲として人気のナンバーです。
他にもThe Box Topsの「Turn On A Dream」、イギリスの女性歌手Petula Clarkがメンフィスに渡って制作したアルバム『Memphis』に収録された「When The World Was Round」など、さまざまなアーティストの作品でマーク・ジェイムズの曲を聴くことができます。
作曲家としての活躍を見せる一方、1973年にはバリー・マン、スティーヴ・カッツなどをバックに従えて制作されたソロ・アルバム「Mark James」をリリース。ダウン・トゥ・アースでソウルフルなサウンドを放つスワンプロックの名盤として、現在もアメリカン・ロックファンから人気の高いアルバムです。長きに渡りハートウォーミングなナンバーを作り続け、アメリカンポップスをホットに彩ってきたマーク・ジェイムスのご冥福をお祈りいたします。
Mark James, hit-making songwriter of ‘Suspicious Minds,’ dies at 83