DTM、DAWシステムで音楽を制作する際の必需品、それはスタジオモニタースピーカーです。一般的なオーディオ用スピーカーが「音を楽しむ」ためのものであるのに対し、スタジオモニタースピーカーに求められることは、正確に確認をするため、原音を忠実に再生する「高い再現能力」「フラットな周波数特性」です。
ヘッドホンでのチェックも、もちろん重要なことですが、実際にスピーカーから出てくる音を耳で聴くことにより、ステレオで録音された音の定位(各音源の位置)をより正確に確認することができます。
初めてスタジオモニタースピーカーを購入するとなると、メーカー、モデル数が多く、どれを選んだらよいか迷うかもしれません。そんな時は、定番メーカーの人気モデルをご検討いただくと良いと思います。
同じ音源、同じレコーダー、同じ録音環境を用意し、定番モデルの音源を収録しました。ヘッドホンでじっくり聞いて、サイズの違いやメーカーの違いによる音の違いを比べてみてください
部屋の大きさと音響特性は、サウンドに大きく影響することがあります。スタジオモニタースピーカーをデスクに直接置いたり、壁の近くに設置したりするときに起こる低域のブーストを抑え、バランスを考えて高域を調整することができるモデルがあります。
左:JBL 3 series MkII → Boundary EQ、HF TRIM
右:YAMAHA HSシリーズ → ROOM CONTROL、HIGH TRIM
定番と呼ばれるメーカー、シリーズには、低域のみを再生するための専用スピーカー=サブウーファーがラインナップされています。サブウーファーをスピーカーシステムに追加することにより、迫力のある低音を出力できるようになります。また、フルレンジスピーカー側も低域以外の信号を鳴らすだけでよくなり、効率よく中高域を鳴らせるようになります。
もっと生々しい低音を「耳で聴く」というより「振動で感じたい」という人にはサブウーファーの追加をお薦めします。
ステレオシステムの場合、サブウーファーは 2 つのメインスピーカーの間に設置します。スピーカーの設置の仕方により聞こえる低音の量は変わりますので、サブウーファーのボリュームを好みに応じて変更してください。
スピーカーの性能を発揮し、より良い音で聴くためにはスピーカーを正しくセッティングする必要があります。定番スタジオモニタースピーカーHSシリーズ、MSPシリーズのヤマハでは、セッティングについて下記のようなアドバイスが公開されています。
モニタースピーカーの設置にはいくつかのポイントがあります。
<壁やコーナーから1.5m以上離れた場所に設置が理想>
壁やコーナーから1.5m以上離れた場所に設置が理想的です。
壁や部屋のコーナーに近づけば近づくほど、壁からの音の反射によってスピーカーの低音が強調されやすくなります。壁からの距離を確保できない場合は、ROOM CONTROLスイッチを使って、スピーカーの低音が強調されるのを補正してください。壁に近づくにつれて、ROOM CONTROLスイッチを「0」→「-2」→「-4」にすると、自然な低音になります。
<左右対称に設置>
左右対称にスピーカーを設置することをおすすめします。スピーカーから壁までの距離を同一にしてください。
<自分の位置と正三角形を作るように設置>
スピーカー2台と自分の位置(リスニングポイント)の3点で正三角形を作るようにします。また、スピーカーのフロントパネルを自分の方向に向けてください。
<ツイーターと耳の高さを合わせて設置>
ツイーターと自分の耳が並ぶ高さにスピーカーを設置してください。より正確なモニタリングが出来るようになります。
POINT
スタジオモニタースピーカー用スタンドには、デスクトップに置くタイプ、床に置くタイプがあります。
ボトムプレートに取り付けるアジャスターボルトが付属し、水平調整にも対応しています。高さは285-365mmの間で調整可能。トッププレートは、最適なリスニングポジションに合わせて角度と向きの調整をすることができます。
クランプタイプの卓上スピーカースタンド。設置スペースを節約し、デスク上のスペースを広く使うことができます。MST2と同じく、最適なリスニングポジションに合わせて高さ、角度、向きの調整をすることができます。
お手頃価格で作りもしっかりしている卓上スピーカースタンドです。
デスクに直接スピーカーを置いた場合、どうしても耳の高さより、少し低い位置になりがちだと思います。少し高さを上げたい時にお薦めです。
床置きタイプのスタンドならコチラがお薦め!
こちらも頑丈なスチール製で高さ調整は5段階。ボルトと固定用ピンにより、左右の高さを簡単に合わせることができる点も推しポイントです。インシュレーターが付属している点も見逃せません!
こちらはMST20よりも少し低い高さにセッティングできる床置きタイプです。パッド、アジャスター、スパイクと充実した付属品。そして高さはなんと16段階と細かな調整ができます!!
2本の支柱で支える安定性の高いモデル。小型から中型スピーカーに対応しています。
他の床置きスタンドと比較してベース部分の面積が小さく、設置スペースを抑えることができる点もお薦めポイントです。
どんなにミキサー、マイク、プリアンプ、ケーブルやその他の機材の質が良くても、モニタースピーカーを周辺環境から分離できていなければ、録音した本当のサウンドを聞くことはできません。アイソレーションパッド、インシュレーターは、モニタースピーカーとモニターが接している物の間に生じる音波を分離することにより、モニタリングシステム全体の精度を向上させることができます。
CLASSIC PRO CIP10
スタジオモニター用アイソレーションパッド 2台分
柔らかく取り回しの良いウレタンスポンジを採用し、しっかりとした制振効果を実現。UpperクッションとLowerクッションを組み合わせることにより、スピーカーに応じた角度調整にも対応します。
付属のMoPAD Wedge Adjustersにより、5種類の角度設定(-8°, -4°, 0°, +4°,+8°)が可能です。
多くのパワード・スタジオモニタースピーカーは、音量調整を背面にあるツマミで行います。そのため、音量を変えるときは、背面のツマミを回す。または、オーディオインターフェース/ミキサーなど接続機器側のツマミを回す必要があります。
モニターコントローラー(ボリュームコントローラー)をオーディオインターフェース/ミキサーなどとスピーカーの間に接続し、手元に配置することにより、リスニングポイントから移動することなく、左右2台のスピーカーを同時に音量調整することができるようになります。