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EVENT OPAL レビュー

EVENT OPAL レビュー

20/20basなど定評のあるモニターを生み出しているEVENT社の最上級パワード・モニタースピーカー OPAL(オパール)。新しいモニタースピーカーを探していたところ、海外のサイトでOPALの存在を知り、このたびレビューさせていただく機会を得ました。開発期間3年、400万ドルもの開発費がかけられたとのことで、レビュー前から期待値の高いスピーカーです。

様々な環境に適応するモニター

最初に実物を見た印象は、想像していたよりもサイズが大きく、GENELEC 1031が小さく見えるほど。ニアフィールド・モニターと言うよりは、ミッドフィールド・モニターと言えるサイズです。重量は21.2kgもありますが、モニター上部に取っ手がついているため、簡単にコンソールの上に載せることができました。卓上に縦置きで載せるとなかなかの迫力でとても好印象で、付属のゴム製インシュレーターを使用し、ツイーターのウェーブガイドを外して回転させることで、横向きでも使用できるように設計されています。

また、前面にコントロールパネルがあるので、モニターの後ろに回ることなく、サウンドを聞きながら調整できるのがとても便利。LEVEL以外に、SPACE、Q、FREQ、DEPTH、DIM、LF SHELF、HF SHELFと細かい調整ができ、特にSPACE(バスレフ補正)の威力は抜群。低域が多いと感じるときはSPACEを調整することで、その効果がわかっていただけると思います。

LEVEL
音量のコントロール、3dBステップで調整可能
SPACE
3段階のバスレフ補正
Q
Q幅を6段階調整
FREQ
中心周波数(40~280Hz)
DEPTH
6段階アッテネーター(0~20dB)
DIM
EVENTロゴが発光する明るさを調整
LF SHELF
低域シェルビング(±1.5dB)
HF SHELF
高域シェルビング(±1.5dB)

生楽器のレコーディングで使用

今回はドラム、ベース、ピアノ、ギター、パーカッション、ボーカルの、6パートのレコーディングで使用してみました。6人同時レコーディングということに加え、新たにモニターバランスを作るという意味で、少なからず難しい場面ではありましたが、OPALは全体的にレンジが広く、パワーにも余裕があるため、低域で歪まず、違和感なくバランスを作ることができました。
パワー感という点でYAMAHA NS-10Mと聞き比べてみましたが、劣ることのない大音量で鳴らすことができ、ここまでレンジが広いモニターはそれほど多くないため、広いスタジオでも十分使用できると思います。

サウンドは癖も無く非常にナチュラル。高域、中域のモニターもしやすいため、リバーブの奥行き感が見えやすく、EQ、コンプ処理の効果もわかりやすいです。リボンツイーターのような高域に伸びのあるモニターも個人的には好きなのですが、長時間の作業では耳が疲れやすくなるため、OPALのナチュラルな高域は疲れづらいように感じました。

音量を変えても崩れることのないバランス

低域はふくよかで余裕もあり、原音を忠実に再生してくれるので、ドラムやベースの低域もよくわかります。個人的には多少低域が持ち上がっているくらいが丁度良く、大きな音量から小さな音量に落した際も、高域、低域のバランスが崩れることがないことから、幅広い環境で使えるモニターと言えるでしょう。リズム録りなど、大音量の生ものレコーディングでも、リミッターがかかることなく余裕で再生できたことから、完全にプロユースのモニターという印象です。

このクラスで1本10万円台前半という価格設定も、非常にコストパフォーマンスが高いモニターです。

EVENT / OPAL

EVENT
OPAL

スタジオモニターの歴史を塗り替える卓越した技術革新の結晶「OPAL」

石 光孝 (エンジニア) プロフィール

石 光孝 (エンジニア) 2005年 Berklee College of Music レコーディング科卒業後、ロサンゼルス Westlake Studio入社。帰国後はミキサーズラボに所属し、2013年7月からフリーランスとしてスタート。財津和夫、関ジャニ∞、前田敦子、AKB48、NMB48、SKE48、HKT48、ファンキー加藤などを手掛ける。

MIXER'S LAB

PHOTO

OPAL上部の取っ手OPAL上部には取っ手が付いているため、スピーカースタンドやミキサーの上に設置する際に、簡単に持ち上げることが可能。

OPALの前面コントロールパネルコントロールパネルはフロントに搭載。スピーカーの裏に回ることなく、サウンドを聞きながら調整できるように設計されている。

EVENT / OPAL■再生周波数帯域:42Hz~20kHz(±2dB)、35Hz~22kHz(±2dB)■アンプ部出力:<低域用アンプ>プログラム出力(5Ω)387W、<高域用アンプ>プログラム出力(5Ω)112W■入力端子:XLR/フォーンコンボ■寸法:29.5(W) x 45(H) x 27.3(D)cm■重量:21.2kg

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