INTERVIEW
Rock Legend に訊け! vol.1
2018-04-30
NEW EP「Tokyo Bay」
ルーツロック、パンクロック、カントリーロック、パワーロックの担い手として、様々な肩書に耐え得るパブ・ロックの最重要人物ニック・ロウ。1985年の初来日以降何回目の来日だろうか、昨年に続いて今年も日本にやって来てくれた。デビュー・バンドのブリンズレー・シュウォーツから50年以上が経ち、来年には70歳になるニックにサウンドハウス独占用のインタビューを試みたのだ。
ライブ前、昼下がりのホテルのラウンジ。取材場所に現れたニックは英国紳士たる落ち着いた雰囲気で、時折笑顔を見せながら楽しく話してくれた。楽曲、プロデューサーとして、プレイヤーとしてなど、短い時間に様々なことが聞けた。プレイヤーにとってヒントになる情報もあると思うので、参考にしながらインタビューを楽しんでいただきたい。
「Tokyo Bay」という4曲入りEPがリリースされましたね。この曲はこれまでライブでも歌っているそうですね。
ああ、これは数年前に書いた曲なんだよ。
すごく興味深い歌詞ですが、事実に基づいた曲ですか? それとも本で読んだものがヒントになっているとか?
いやいや(笑)。東京にスーパー・ロマンティックな思い出のある男の物語を書いたら面白いんじゃないかと想像して書いただけさ。
このEPにはあと3曲「Crying Inside」、ビージーズのカバー「Heartbreaker」、クリフ・リチャードのカバー「Travellin' Light」が収録されていますが、歌詞を見ると「Tokyo Bay」の前後にある物語のようです。
それは面白い意見だね。特にそんなつもりはなかったんだけどね(笑)。僕はカントリー&ウエスタンが大好きなんだけど、どの曲もすごくシンプルな歌詞なんだ。複雑なことを歌っていても、歌詞自体はすごくシンプルだ。そういう歌詞が最近は好きなのさ。
昔は違いましたよね?
うん。若い頃は愚かだったよ(笑)
ビージーズとクリフ・リチャーズの曲をカバーした理由は?
もちろん両方とも好きな曲で、この2曲はほとんどカバーされていないからいいと思ったんだ。「Travellin' Light」はイギリス人がアメリカのロックンロール風に書いた曲なんだ。当時はアメリカのロックンロールっぽい曲を書くソング・ライターがたくさんいたんだけど、ほとんどはひどい代物だった(笑)。そんな中でこの曲は数少ない、良くできている曲なんだよ。
ジャケットの絵がかわいいですね。誰が描いたんですか?
えーっと、名前は忘れてしまったんだけど、僕のワイフの知り合いのグラフィック・デザイナーだ。
ところで、あなたはギブソンのアコースティック・ギターがお気に入りのようですが、メインで使っているのはJ-150ですか?
以前はね。今はJ-200のリイシューで、それがすごく気に入っているんだ。今のところ3本持っているよ。ツアーのときに持ち歩くので、壊れたり、なくなったりする可能性があるから、見かけたら買うようにしているんだ。見た目もサウンドも最高だよ。
アコースティックの使用弦のメーカーとサイズを教えてください。
ダダリオの弦で、使っているのは011-052のセットだけど、6弦は053に変えている。
ギターは他にマーティンやギルドも使っていましたよね。
今でも持っているけど、マーティンのギターを弾きこなすほど僕は上手くないからね(笑)。僕はヒルビリーとかロカビリーのプレイヤーなので、マーティンには合わないんだ。
エレクトリック・ギターを弾くこともありますか?
ないね。でも僕はハーモニーとかホフナーとかテスコなんかの安物のエレキが好きなんだ。あの手のギターは弾き心地は良くないけど、サウンドは最高だ。だから周りの友達に、ギブソンやフェンダーをやめてハーモニーを弾けっていつも言ってるんだ(笑)
最近なにか買いましたか?
いや、逆にギターをどんどん売っているよ。弾かないギターが山ほどあるので、今はそれを処分しているんだ。
ツアーのときに持っていくのはアコギだけ?
いや、ベースも持って行くよ。古い、青のプレシジョン・ベースとかね。あとは息子がベースを弾き始めて・・・
息子さんはロス・ストレイジャケッツのアルバムにも参加していますよね? ベースを弾いているんですか?
彼はドラマーなんだ。まだ子供なので、アルバムではちょっとパーカッションを担当している程度だよ。ベースは最近始めたんだ。どんどん上達しているよ。
その息子さんですが、CDを買ったりしますか?
いや、CDは買ってないなあ。音楽はダウンロードして聴いているよ。
ですよね。音楽の聴き方は昔とまったく違いますが、レコーディング方法も変わりましたよね。アナログ時代との一番の違いは何でしょう?
そうだなぁ。昔、プロデューサーの役目はスタジオでミュージシャンたちをおだてて、いい気分にさせ、いい演奏を引き出すことだった。雰囲気作りが主な仕事だったんだ。楽しかったよ。でも今はベッド・ルームでレコーディングする時代だからプロデューサーは必要なくなってしまった。今は誰でも素晴らしいレコードを自宅のベッド・ルームで作れるからね。
お好きだったレコーディング・スタジオは?
レコーディング・スタジオはほとんどなくなってしまったね。アビイ・ロードはまだあるけど、ほとんどあそこは観光地になっている。僕が一番好きだったのはミッキー・モストのRAKスタジオだ。あそこは今でも生き残っているよ。アナログの機材があって、メインテナンスをきっちりしているから今でも問題なく使える。
ミッキー・モストが亡くなったあとは誰が経営しているんですか?
彼の娘だよ。本当にファンタスティックなスタジオだ。
中年から楽器をやる人たち、若い頃弾いていたけれどしばらく止めていて、年を取ってまた始める人などにアドバイスをください。
サンバーストのギターを弾くといい。サンバーストのギターを弾けば上達するからね。サンバースト、もしくは赤のギターだ。
色ですか!? 何かオススメの曲は?
3コードのロックンロールかな。必要なコードは3つだけだよ。グッドラック!
2018-04-30
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