ピクシーズの『サーファー・ローザ (Surfer Rosa、1988年)』、ニルヴァーナの『イン・ユーテロ(In Utero 1993年)』などのプロデュース・ワークスをはじめ、1990年代アメリカンロックの創成期からオルタナティブ・ロック、インディーロック界を牽引する活動でロック・ファンから愛されてきたUSシーンのレジェンド、スティーヴ・アルビニ(Steve Albini)が死去。享年61歳。
1981年にシカゴでビッグ・ブラックを結成。メタリックなギター音を放つパンクサウンドに、「アメリカの影と闇」を照らす攻撃的な歌詞を投影した音楽性と、インディー・スピリット溢れるバンド運営方法はその後のミュージック・シーンやロック・ビジネスに大きな影響を与えました。その後プロデューサー、エンジニアワークを行う傍ら、レイプマン、シェラックといったバンド活動も継続。古のUSアンダーグラウンド・ロックを換骨奪胎したようなバンドの音楽性は、アルビニがプロデュースしたPJ ハーヴェイの『リッド・オブ・ミー(Rid Of Me 1993年)』をはじめとする当時の若手ロックの名作から、イギー・ポップ率いるストゥージズのアルバム『ザ・ウィヤードネス(THE WEIRDNESS 2007年)』といった、長いキャリアを持つアーティストの作品でも聴ける「最先端のクラシック・ロック」の元祖として、今再び注目を集めています。今年5月にはシェラックによる10年ぶりのアルバム「TO ALL TRAINS」がリリースされるということもあり、突然の訃報に多くのアーティストが哀悼のコメントを寄せています。「永遠なる今の音」を作ってきた類まれなるオルタナティブ・ロック界の巨匠、スティーヴ・アルビニ率いるビッグ・ブラックの1stアルバムのナンバーをお贈りして、心よりご冥福をお祈りいたします。
Jordan, Minnesota
Steve Albini, Noise Rock Pioneer and ‘In Utero’ Engineer, Dead at 61