自宅スタジオの作り方
自宅にプロレベルのレコーディング空間を作る、ホームスタジオの設置は誰もが憧れる、楽しい時間です。
ホームスタジオを作るにあたって考えるべきものはなんでしょうか?
他に足りない点がありますが、気付くことができる人はあまり多くありません。そう、部屋自体の存在です。
部屋にあるもののうち、音に影響を与える要素というものは数多くあります。その中でも特に見落としがちなのが、大きさや形状、そして壁や床表面の素材です。これらは、使用する機器に関係なく、部屋で鳴っている音の全体的な精度に大き影響します。
たとえこれらの要素が完璧でなくても、吸音材、バストラップ、遮音材を使用することにより、サウンドをかなりコントロールすることが出来ます。
このページでは吸音材に焦点を当てて、ホームスタジオ構築の基本的な内容である音響処理についてご紹介します。
音響処理は何から始めたらいいのでしょうか。
吸音材メーカーである「AURALEX」は、40年以上にわたり、大小さまざまなスタジオ設計をサポートしてきました。
音響科学は複雑ですが、どこを処理すれば最も顕著な違いが出るかという点については、一般的に使われるアプローチがあります。
スピーカーから出る音波はあらゆる方向に放射されます。ここで問題になるのは、固い壁やコンクリート床などの固い表面で反射した音。
このページでは、スピーカーから出た音声が最初に反射するポイントを「第一反射点」、さらにその音が反射するポイントを「第二反射点」と呼びます。また、それぞれの反射を「一次反射」、「二次反射」とします。
部屋の吸音材貼付けなどを行う前に、空間の音響効果を最大限に引き出すためにできることがいくつかあります。
厳密なルールではなく、たとえば以下の内容は狭い長方形の部屋で問題を最小限に抑えるための、簡単かつ効果的な方法です。空間に適した方法は様々ですので、いろいろな配置を試し、その結果を聴いてみてください。
ミックス/ リスニングポジション(自分が視聴する場所)を「部屋の奥行のうち38%の場所」に移動させます。これは世界的に有名なスタジオデザイナー、Wes Lechotが開発した方法であり、ほとんどの長方形の部屋において効果的です。
たとえば今回の例では、部屋の最長寸法(4.6m)に対して、壁から38%の距離(1.7m)が、椅子やリスニングポジションを置くべき場所となります。
音の正確さを得るためには、できる限り左右対称にすることが重要です。そのためには、机、スピーカー、リスニングポジションを部屋の中のできる限り中央に配置してください。
モニターはミキシング/ リスニングポジションに対して45°内側に向けるように設置します。モニターのツイーターは、耳の高さ(通常1.2m~1.3mの高さ)に設置しましょう。最後に、スピーカーとミキシング/ リスニングポジションを繋いだ三角形における3つの交点がすべて60°の角度(正三角形)になるようにします。すべての辺は同じ距離、可能であれば部屋奥行の38%の長さ(1.7m)が理想です。
バストラップを導入する
日本住宅など、小さな部屋における音響処理の第一ステップは、すべてコーナー(角)にバストラップを設置することです。
予算が限られている場合は、床から約0.8m~0.9m(=耳の高さ)にバストラップを設置してください。
コーナーに凹凸があるなど、すべてのコーナーを垂直方向に設置できない場合、水平方向にする方法も可能です。音の正確さには対称性が重要になるため、なるべく同じ形になるよう配置します。
スピーカー背面の処理
二次反射やエコーを抑制することが可能です。
モニターやサブウーファーをMoPAD、ProPAD、SubDudeなどの防振材に載せることも検討してみてください。
第一反射点を見つける
実際に必要な吸音材の貼付け枚数については、部屋の形状や荷物などによって大きく変わります。
予算によっては枚数を極力削減したいケースもあるかと思います。より少ない枚数で高い効果を得るために以下の方法をお試しください。
一人はミキシング/ リスニングポジションに座り、もう一人はモニターと同じ高さを維持したまま、壁に沿って鏡を動かします。
鏡にモニターが映ったらその位置にテープを貼って記録。
そして印を付けた場所に吸音材を設置すれば完了です。
天井の反射をおさえる
ミックス/ リスニングポジションの真上は処理が見落とされがちな場所です。天井から床、また床からの反射も対策すべきポイントになります。
可能な限りミックス/ リスニングポイントの上にも吸音材を設置することをお勧めします。
カテゴリーから探す
ブランドから探す
ブランド一覧を見るアフターサービス
© Sound House