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DRAWMER(ドローマー)の歴史

DRAWMERの歴史

Drawmerとは

気がつかないうちに、私たちは過去30年間、ラジオをつけるたび、テレビを見るたび、ライブに行くたびに、Drawmerの音を聴いてきたのです。1982年にDS201ノイズゲートを発表して以来、Drawmer製品はプロデューサー、エンジニア、アーティストの絶対的な支持を受け、その結果、世界中のほとんど全ての主要なレコーディングスタジオ、ライブ会場、放送施設に導入されています。Drawmer製品は、エンジニアが素晴らしい音を作り出すために不可欠なツールなのです。

イギリス・ヨークシャーに本社を置く同社は、オーディオ回路の設計に情熱を傾けていたIvor Drawmer氏によって設立されました。「全ては1981年に始まりました。それまでは、ヨークシャーのバンドでキーボードを弾いていたのですが、あまりうまくいかず、しかも既に若くはなかったんです。友人の勧めもあって、マルチトラッカーと名付けたステレオディレイラインを少量作ったのが、Drawmerの始まりです。」

DS201 ノイズゲート

DRAWMER / DS201

1982年、Drawmerは世界初の「周波数検知動作」を実現したノイズゲートであるDS201デュアルノイズゲートを発表し、ゲートの世界に革命を起こしました。「これは、Phil Chapmanというプロデューサーと仕事をした時に、彼にゲートを作って欲しいと頼まれたのがきっかけでした。私は何も調べずに、スイッチがONになった後、一定時間保持し、音がOFFになるものを作りました。もちろん、全く実用的ではないものでした。それで、私はスタジオを回って、ゲートが現場でどのように使われているのかを見て回りました。驚いたのは、エンジニアがゲートを最適に設定するため、多くの時間をかけて調整していることでした。」DS201のユニークなハイパスとローパスのキーフィルター、包括的なエンベロープコントロール、超高速アタックタイムは、それ以来、世界中の「業界標準」ゲートとなりました。DS201は、それまで単純な「オン/オフ」装置であったゲートを、現代の音楽制作において重要な役割を果たす、パワフルなクリエイティブ・ツールへと変貌させたのです。

DS201のデザインは何年も前からほとんど変わっておらず、Ivor Drawmer氏は、「1980年代前半と同じように今も売れ続け、現在までに何万台も売れているのです。」と言います。

1960 マイクプリ/チューブ・コンプレッサー

DRAWMER / 1960

1984年、Drawmerは、2つの高性能マイクプリアンプ、2つの「ソフト・ニー」チューブコンプレッサー、EQ付き楽器用プリアンプを組み合わせたオリジナルの1960マイクプリアンプ/真空管コンプレッサーをリリースしました。1960は、最初の自己完結型の「フロントエンド・プロセッサー」であり、1つまたは2つのマイク入力チャンネルだけを必要とする多くのレコーディング担当者にとって、ミキシングコンソールの代わりになり、独特なサウンドで高品質の信号をユーザーに提供するものでした。

1960のコンセプトは、8つのアクティブ真空管ステージの「暖かみと個性」とソリッドステートエレクトロニクスの低ノイズと信頼性を融合させることでした。1960は、世界中のプロデューサーやミュージシャンに採用され、音源と録音メディアをつなぐ究極のダイレクトインターフェースとして高く評価されています。1960の基本設計と機能は現在も変わっていませんが、定期的にアップグレードが行われ、最近ではマイクプリアンプにハイパスフィルターとオーバーロードLEDが追加されています。レトロムーブメント(過去の製品が再評価される動き)が高まるにつれ、「1960の売れ行きは飛躍的に伸び、今ではゲートと肩を並べるまでになった」とIvor氏は言います。

プログラム・アダプティブ

DRAWMER / DL241

1989年、Drawmer社は「プログラム・アダプティブ」と名付けた新しい独自のゲーティング回路を開発しました。この自動化された回路は、入力信号のダイナミックコンテンツを分析し、「アタック」「ホールド」「レシオ」「リリース」パラメータを常に最適化でき、それによって以前よりもはるかに滑らかなゲーティング動作を作り出しました。Drawmerの「プログラム・アダプティブ」回路を組み込んだ最初の製品は、1990年にリリースされたDL241オートコンプレッサーと1991年にリリースされたDS404クワッドノイズゲートでした。また、1989年には「ゼロオーバーシュート」「ゼロレスポンスタイム」のリミットを行う新しい回路も開発されました。これはDL241オートコンプレッサー、後にDL441クワッド・オートコンプレッサー・リミッターにも搭載されています。

1992年、Drawmerは新たに開発した「ダイナミクス・スペクトル・エンハンスメント」回路を高品質なコンプレッサー/リミッターに組み込み、全周波数の圧縮において失われた高域をブーストできるようにしました。その結果生まれたDL251スペクトラル・コンプレッサーは、マスタリング、放送、スタジオの各業界から熱狂的に受け入れられました。

1961 チューブ・イコライザー

DRAWMER / 1961

コンプレッサーの新シリーズがプロ・ユーザーの間で定着してきたため、Drawmerは真空管製品ラインナップの拡大を決定し、1994年に1961 Vacuum Tube Equaliserをリリースしました。1961の設計上の興味深い特徴は、2つのチャンネルそれぞれに可変入力レベルコントロールが搭載されている点でした。この設計アプローチにより、ユーザーは真空管をどれだけ強くドライブさせるかによって「暖かさ」の量をコントロールでき、最高のディスクリート・ソリッドステート設計と同じくらい「クリーン」な音や、ビンテージ真空管モデルのような「ホット」な音を実現できるのです。

MXシリーズ

DRAWMER / MX30

MX30ゲート/コンプ/リミッターとMX40パンチゲートはエントリークラスのダイナミクスプロセッサーで、Drawmerのプロフェッショナルな処理をより多くの音響機器マーケットに提供するものです。MXシリーズは現在、MX50 Dual De-EsserとMX60 Front End Oneとラインナップを拡大しています。

シグネチャーシリーズ S3 ステレオ・マルチバンド・チューブ・コンプレッサー

DRAWMER / S3

Drawmer S3ステレオマルチバンド・チューブ・コンプレッサーは、Ivor Drawmer氏による最新の設計を取り入れ、最高級の部品のみを使用した「技術的に妥協のない」回路を作ることを目的としていました。S3は 「シグネチャー・シリーズ」の基礎となるもので、3つのバンドのそれぞれに以前には達成できなかったコントロールとトーンを提供し、各ステージでのゲインコントロールは正確なスペクトル・バランスを提供します。信号経路は高性能入出力トランス、受動部品、10本の真空管(ECC83×8、12BH7×2)で構成され、完全バランスのクラスA設計になっています。

デジタル

DRAWMER / M-Clock Plus

2008年、DrawmerはDMS(Digital Management Systems)製品群に新しい製品を追加しました。A2D2 AES Grade 1 Dual Output A/D Converter、M-Clock Plus AES Grade 1 Master Clock/Dual Sample Rate Converter、M-Clock Lite AES Grade 1 Master Clockなどです。Ivor Drawmer氏は、アナログとデジタルの両方の専門知識を持つ優秀な技術者のチームと連携して開発。Ken Gilesのセールス&マーケティング部門とDrawmerインターナショナル代理店ネットワークからのフィードバックに基づき、革新的でユニークな製品を作り続けています。

APRSがIvar Drawmer氏にTechnical Achievement Awardを授与

APRSがIvar Drawmer氏にTechnical Achievement Awardを授与

Ivor Drawmer氏の過去30年間のプロオーディオ設計への影響力のある貢献が、APRS(Association of Professional Recording Studios)によって認められ、同協会は、オーディオ業界に対する生涯技術功労賞をIvor氏に授与しました

氏は、市場で古典的なアナログ製品だけでなく、デジタル研究開発プログラムの先頭にも立ってきました。1995年には、アナログプリアンプ、真空管、24ビットA/Dを巧みに組み合わせた1962 Digital Vacuum Pre-ampを発表、すぐにDigidesign Pro-Toolsシステム用のDrawmer Dynamics TDM Plug-Inが続いて発表されました。

Drawmerの前セールス・プリンシパルであるKen Giles氏は、「Ivar氏のデザインは、シグナル・プロセッシングの進化に重要な役割を果たしただけでなく、他社の製品にも影響を与えてきました。アナログ回路での過去の業績と最先端の24ビット/96Kデジタル処理における存在感は、彼の多才さを物語っており、この業界において唯一無二の技術者となっています。Drawmerのサウンドツールが時代を先取りし、時代の試練に耐えてきたのは間違いありません。特に、DS201は今でも業界の標準的なノイズゲートです。」

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