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RODE / S1 レビュー - Karen Stackpole

PRODUCT REVIEW

S1Live Condenser Vocal Microphone

2005/02

Electronic musician誌

by Karen Stackpole

スタジオコンデンサーマイクで有名なオーストラリアのマイクメーカー、RØDE社はS1の発表と共にいよいよステージマイクに本格的に乗り出してきました。$599という値段も驚きですが、このハンドヘルドタイプのコンデンサーマイクはコンサートボーカル用に特別にデザインされており、スタジオクオリティーの音質を誇ります。またS1は超単一指向性の為、ステージ上のフィードバックにも非常に有効です。さらにハンドリングノイズやポップノイズにも強く、また周波数特性も近接効果や低音の鳴りを最小限に押えるようにデザインされています。

サテン仕上げされたニッケルフィニッシュのS1は他のコンサート用マイクからはかけ離れた優美さを持ち、使用するボーカリストを上品に演出します。またこのマイクは耐久性にも優れ、頑強に設計されたグリルボールの内側に5つのレイヤーからなるメッシュを採用することでポップフィルターとして機能し、さらにヘッド内部の精密なカプセルを保護します。ヘッドを回して取り外すと、ハンドリングノイズを抑える為に採用されたゴムマウンティングに固定されたスモール・ダイアフラム・カプセルを確認することができます。またS1のカプセルは100Hz以下がロールオフする周波数特性を持つ為、低周波数ノイズを打ち消し、調整された近接効果を得ることが可能です。S1にはキャリングケースとスタンド用変換アダプターが付属し、さらに5年間有効の製品保証が付きます。

実際にS1を使い、ライブでボーカルとエレキギターを、またスタジオセッションでボーカル、トランペット、ギター、ドラムのオーバーヘッド、パーカッションをそれぞれ試してみました。セッションはEx'pression College for Digital Arts, Sound Arts Student Assaf Lotan'sプロジェクトスタジオと私のホームスタジオで行い、プリアンプにはMackie 1202-VLZ、Crest V12、M-Audio Octaneを使用しました。その結果、ライブでのS1の音質は非常に素晴らしく、またスタジオセッションでも多くの用途に使用できるという事実を証明しました。
S1が最も得意とするボーカルマイクとしての音質は、ステージ上でもスタジオでも特筆すべきものであり、チャンピオンと言っても過言でないほど洗練されています。その音質は非常に滑らかで、高音の抜けが良く、透明感があります。Ex'pressionのライブ音響エンジニアは、S1の持つ締まりのある明瞭な特性と高いゲインレベルに魅了されていました。また、Jingle Punxのボーカリストのエリック・マーチ氏は、近接効果を利用して得られる低域を好む為、S1の持つロールオフ特性に関しては気に入りませんでしたが、高音が極端にきつくなることなく、ボーカルを際立たせることができる点は非常に素晴らしいと評価していました。
S1の周波数特性を見ると4kHzと12kHzが少しブーストされています。この強調された空気感によって音質の鮮明度が増し、特に柔らかい女性ボーカルはさらに引き立ちます。また1つの部屋で行ったジャズ・クインテットのトランペット録音も、S1のオフアクシス・リジェクションと余裕のある最大入力SPL値によって全く問題ありませんでした。録音されたトランペットのトラックは、一緒に演奏したドラムを含めたその他の楽器の音が入りすぎることなく、非常にクリアーに聞き取ることが可能でした。また、マイクヘッドに内蔵されたポップスクリーンが非常に効果的で、録音の際には全くウィンドスクリーンが必要になりませんでした。
ナイロンアコースティックギター/スチールアコースティックギターを録音する際に私が気にする中低域に関して、S1は少々深みにかける感じはありましたが、高域のキラキラ感と細部にわたる音の表現力は賞賛に値すると思いました。またスタジオ、ライブ両方において、エレキギターの録音に関して非常に良い結果を得ることができました。S1のロールオフされた低域と広がりのある高域を持つ周波数特性によって、ギターの音がミックスに埋もれることも無く、圧倒的な存在感を表現することができました。その特徴的な周波数特性はシェーカーやクラベスにも最適といえます。
今回の検証を行うにあたり2本のS1を用意したので、ドラムのオーバーヘッドに使用してみました。S1の比較的狭い指向性によってステレオイメージが明確になり、部屋の音をあまり拾うことなくドラムの音を再現することができました。S1はPaisteシンバルには少々高音が明るすぎる印象を得ましたが、ドラムセットの心地良いハリのある高域を引き出すことができたと思います。ドラムセットの音質が全体的に暗い場合には非常に有効なマイクだと言えます。

RØDEのS1はすぐにでもツアーに出られる最高品質のライブ用ボーカルマイクです。しかしそれだけではなく、スタジオの中でもボーカルやその他の楽器用に柔軟に使い分けることが可能な万能なマイクだと言えます。高域は幾分か強調されている傾向にありますが決して耳障りではなく、滑らかで空気感のある、透き通った音質を簡単に手に入れることができます。$599というわずかな値段で、スタジオからステージまでカバーするS1。音質、柔軟性、耐久性、外観のどれをとっても、必ず誰のマイクキャビネットにもS1を加えるスペースは見つかるはずです。

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