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誌上レポート AUDIX SCX25-A

AUDIX AUDIX SCX25A
PROAUDIO REVIEW 誌
by Russ Long / 2006 8月
AUDIX SCX25A
お洒落なロリポップのような形をしたAUDIX SCX25。PROAUDIO REVIEW誌は、数年前このマイクが発表された際にもレビューをしました。そのSCX25が、カプセル・インターフェースの改良と共に更なるアップグレードを遂げました。ラージダイアフラム・コンデンサーマイクである事に変わりはありませんが、内蔵型ショックマウントと同様の機能を持つ、特許技術のカプセル・サスペンション・システムが採用されています。これに伴い単体での販売だけでなく、アルミ二ウム・キャリングケース、特製のD Flex ピアノマウントが付属したステレオペアでも出荷されています。サウンドはスムース且つナチュラルで、ボーカル、パーカッション、弦楽器、そしてもちろんピアノの録音にも最適です。

FEATURES

重さ6オンスほどのSCX25-Aはトランスデューサータイプのコンデンサー・マイクです。固定カーディオイド型の指向性を持ち、周波数特性は20Hzから20kHz、出力インピーダンスは200Ωとなっています。マイク感度は27mV(1k @1パスカル)、相当するノイズレベルは14dB(A-Weighted)、SN比は80dB(1k @1パスカル)です。最大SPLは135dBで、ダイナミックレンジは121dBとなっています。小型で低ノイズなコンポーネントを使用することによって、AUDIXはSCX25-A用プリアンプ回路を4インチのブラスハウジングに取り付けることに成功しました。これにより、SCX25-Aはこれまでのラージダイアフラムマイクでは成し得なかった省スペース性を実現し、例えばスネアドラムの裏面などタイトなスペースでも容易に設置する事が可能になりました。マイクの信号は、2番ホットのワイアリングで金メッキ処理されたXLRオスコネクタから出力され、48-52Vファンタム電源で動作します。また、カプセル・サスペンションマウンティング・システムを内蔵、高価なショックマウントを使う必要は殆どありません。


IN USE

私は数ヶ月の間、SCX25-Aを実際に使用し、そのパフォーマンスとフレキシビリティに感動しました。このマイクは、ボーカルやアコースティック楽器のサウンドを、素晴らしく細やかに且つリアルに再現する事が出来ます。
最もエキサイティングだったのは、ピアノの集音に使用した時です。NashvilleのHouse of Davidスタジオ(www.houseofdavidstudio.com)でのトラッキングで、David Briggs所有の9.5-foot Baldwinグランドピアノを名手Jeffery Roachが演奏したセッションを録音するのにSCX25-Aを使用しましたが、そのサウンドには本当に圧倒されました。私は一本を高音域側から鍵盤に向けて、もう一本を低音域側から弦の後方に向けて設置しました。過去にこのピアノを録るときは、いつもNEUMANN U87のペアを使っていましたが、SCX25-Aのペアでも全く同様に素晴らしいサウンドを得られる事を発見し、ショックを受けました。私の意見では、このマイクはピアノ録音時にその素晴らしい能力を発揮するので、ピアノ録音のためだけに購入するだけの価値があるものだと思います。オプションのD Flexマイククリップを使えば、ピアノのフレームに取り付けることもできるので、ピアノのマイキングを更に簡単にし、蓋を閉める事も出来ます。

St. Louisで活躍するロックバンドLudoのトラッキングでは、ドラムセットのオーバーヘッドマイクとしてSCX25-Aを使用しましたが、これもまた素晴らしい結果を得る事ができました。このマイクは安いコンデンサーマイクでしばしば見られるような、荒くて味気のないキャラクターではなく、心地よく、生き生きとしたトップエンドを得ることができます。タンバリンやシェーカー、コンガの録音でも満足いく結果を得る事が出来ました。

SCX-25Aはボーカルマイクとしても評価できると思います。特に中高音域から高域にかけて、精密に、細部にわたるまで表現する事が出来ます。近接効果は殆ど無いので、ボーカリストがマイクの24インチ内に居れば問題なく録る事ができます。
何度かアコースティックギターの録音に使用したこともありましたが、これもまた良い結果が得られました。殆どの場合、ギター本体から9インチ程離して、サウンドホールの4-6インチ上の辺りから、指板の付け根とサウンドホールの中間を狙ってやると最も良いサウンドを得る事が出来ました。バイオリンの録音でも良く録音可能です。
私はA-Designs PacificaやPendulum Quartet II、Hardy M-1にLangevin Dual Vocal Comboなど様々なプリアンプと一緒にSCX25-Aを使用しましたが、満足のいく結果が得られなかった事はありませんでした。

SUMMARY

SCX25-Aはとてもフレキシブルなラージダイアフラムマイクで実質どんなボーカル、楽器にも使用することが出来ます。スムース且つナチュラルな素晴らしいサウンドで、価格帯を考えると、今まで出会ったマイクの中でもベストのパフォーマンスを見せてくれたと思います。

■レビュー・セットアップ
Apple Macintosh 2GHz デュアルプロセッサーG5 / 2GB RAM
Digidesign Pro Tools 7.1
Lucid Gen-X-96 クロック
PMC AML-1モニター
A-Designs Pacifica/ Pendulum Audio Quartet II/ John Hardy M-1/ Langevin Dual Vocal Combo プリアンプ/プロセッサー

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