JHS PedalsのJFETクリーンブースター「Fumble」は、伝説的なダンブルアンプのFET回路をルーツに持ち、音に厚みと明瞭さを加えます。独自のINPUTノブで低音域とゲインを同時に調整でき、タイトなサウンドから豊かなクリーントーンまで幅広く対応。ペダルボードの先頭での常時使用や、オーバードライブ・アンプのプッシュ、ソロ時の音量アップなど、多彩な用途で活躍するブースターです。
■製品誕生の背景
「Fumble」は、JHS Pedalsの歴史上、最大のミスから生まれたペダルです。
2025年5月、JHS Pedalsは2作目となるハンダ付け不要のDIYペダルキット「NOTADUMBLE」を発売しました。ダンブル系サウンドの中でも特に人気の高い2つのサウンドを搭載したモデルです。
オーバードライブ側は、ラリー・カールトン、エリック・ジョンソン、ロベン・フォードらのリードトーンを彷彿とさせる、ブティックスタイルのオーバードライブ回路を採用。一方、クリーン側には、本来「A Box Later」と呼ばれるバッファー付きエフェクトループ機器の回路を再現する予定でした。これは、1980年代にハワード・ダンブルがアンプ設計とは別に製作した機器です。
ジョン・メイヤーが所有する希少なこの機器を借り受け、JHS Pedalsは回路を解析・再現。「Box It Later」と名付けたこのレプリカは、2021年以降、ジョン・メイヤーのペダルボードで使用されてきました。
ところが、NOTADUMBLEの発売から1週間後、製品紹介動画の準備中に重大なミスが発覚します。クリーン側に搭載されていたのは「A Box Later」の回路ではなく、2019年にジョン・メイヤーのために別途解析・再現していた、まったく異なるダンブル製プリアンプの回路だったのです。類似した2つの回路を取り違えてしまったのでした。
JHS Pedalsはこの事実を動画で公表し、残りの在庫を販売した後、15,000台の販売完了をもってNOTADUMBLE V1を生産終了。返品を希望する購入者には返金対応を行いました。
こうして誕生したのが、Fumbleです。
■Fumbleとは
Fumbleは、ジョン・メイヤーのために再現したもう一方の回路「Dumble BBC-1」を忠実に再現した、量産モデルです。
NOTADUMBLE V1の生産終了後、購入者からクリーン側のサウンドを高く評価する声や、単体で販売してほしいという要望が寄せられました。Fumbleは、その回路をコンパクトな筐体に収め、単体で購入できるようにしたモデルです。組み立て式のキットではなく、完成品として手軽に導入できます。
さらに調査を進めると、驚くべき事実が判明します。BBC-1の回路は、実際にはダンブル独自の設計というよりも、1970年代にBarcus Berryが製造していたアコースティックギター用プリアンプの回路を、ほぼそのまま踏襲したものだったのです。
当時、現代のようなアコースティックギター用プリアンプが一般的ではなかった時代に、Barcus Berryはピエゾピックアップの信号をエレキギター用アンプに接続するための小型機器を製造していました。ハワード・ダンブルはその回路を再現し、ロサンゼルスの一部のプレイヤー向けに独自の筐体へ収めた機器を製作。さらに、同じJFET回路を自身のアンプにも採用し、「FETモード」と名付けました。
つまり、20万~40万ドルの価値があるとされるダンブルアンプの伝説的なFETサウンドは、1970年代のピエゾピックアップ用プリアンプを起源としていたのです。
Fumbleは、その回路を再現したBBC-1をさらに再現したモデル。ペダルの歴史でも類を見ない、3世代にわたる数奇な経緯から生まれた製品です。
■特徴
Fumbleは、2つのノブとトゥルーバイパススイッチを備え、クリーンサウンドを際立たせるJFETクリーンブースターです。
・OUTPUT(出力)
マスターボリュームを調整します。ノブを上げることで音量を増加させることができます。
・INPUT(入力)
一般的なゲインノブとは異なり、回路の入力段で低音域と入力ゲインを同時に減衰させる独自のコントロールです。
右いっぱいに回すと減衰は行われず、コントロールをバイパスした状態に相当します。左に回すほど低音域とゲインが徐々に抑えられ、タイトで引き締まったサウンドへと変化します。設定を上げれば、より豊かで音量感のあるサウンドが得られます。このような動作をするブースターは、市場でも非常に珍しい存在です。
・おすすめの使い方
1. ペダルボードの先頭に常時接続するバッファー兼クリーンブースターとして
OUTPUTを控えめに設定し、INPUTを好みに合わせて調整します。後段のエフェクターへ送る信号を引き締め、サウンド全体に自然なまとまりを与えます。常時オンにしておきたくなるような、さりげない音質補正にも適しています。
2. オーバードライブペダルの前段に接続する
ゲインを重ねる際、歪みペダルを追加するだけでなく、その前段にクリーンなJFETブースターを配置するのも効果的です。Timmy、King of Tone、Klon、Morning Gloryなどのオーバードライブの前に接続することで、後段の歪みを活かしたサウンドメイクが可能になります。
3. 歪ませたギターアンプの前段に接続する
TweedやPlexiなど、すでに歪み始めているアンプとの組み合わせにも適しています。サウンドに厚みと明瞭さを加え、INPUTを絞れば、高音域が際立つタイトなアタックを得られます。
4. エフェクトチェーンの最後に接続するソロブースターとして
OUTPUTを上げ、INPUTを好みの位置に設定すれば、コーラスやソロなど、音量を持ち上げたい場面で活躍します。
■仕様
・バイパス方式:トゥルーバイパス
・コントロール:INPUT(低音域・ゲイン減衰)、OUTPUT(マスターボリューム)
・電源:DC 9Vセンターマイナス(別売)
・消費電流:5mA
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