今回のDJ入門講座では、DJをするのにとても重要な「ピッチ」の調整と、"つなぎ"テクニックの第一歩「カットイン」を紹介します。
DJが曲をかける場合、普通に音楽を聴く時と違い、曲のピッチを変えることがよくあります。ピッチというのは、曲のスピード(テンポ)を指します。通常はピッチを上げると曲のスピードが速くなると共に音程が高くなり、ピッチを下げると曲のスピードが遅くなり、音程が下がります。これはビデオのスロー再生で声が低くなるのと同じ原理です (CDプレーヤーにはマスターテンポといって、テンポを変えても音程が上下しない機能もあります) 。異なるテンポの曲をつなげる場合、ピッチを変えて同じテンポに揃えてからミックスすると、異なる曲でも違和感なく、新しいグルーブが生まれます。
一般的にターンテーブルの右側に、写真のようなピッチフェーダーがついています。手前(+)側にフェーダーを動かすとピッチが早くなり、奥(-)側へ動かすとピッチが遅くなります。フェーダー中央の±0となる場所が、通常のテンポとなります。
BPMはBeats Per Minuteの略で「1分間の拍数」を表します。曲のスピードを測る目安となっています。ヒップホップだとだいたい90-110BPM、ハウスやテクノなどは110-150BPMとなります。BPMカウンターを購入するか、フリーソフトをダウンロードすることもできます。小節とは楽譜にした場合の一区切りを指します。例えば4/4拍子の曲は4拍で1小節となります。
お気に入りの同じレコードを2枚準備してください。できるだけ単純なビートの曲が良いでしょう。ピッチフェーダーは2台とも±0。同じレコードの同じ曲を使ってカットインの練習をしてみます。カットインをする前に曲の頭出しをします。曲の一番最初から再生して、一番最初の音が使える場合と使えない場合があります。4拍子の頭から始まる曲もあれば、ドラムのフィルインなどから始まる曲もありますので、注意してください。
曲の頭出しができたらカットインの練習です。カットインとは瞬時に曲を変えるという意味です。片方のレコードは再生しっぱなしにしてください。スピーカーから出てくる音に合わせてリズムを+ 取って、頭出しをしている方をヘッドホンでモニターしてみてください。タイミングを取ってレコードを送り出すと、スピーカーの音とヘッドホンから聴こえる音のズレがわかるかと思います。このズレが無くなるように、何度もヘッドホンで試してみてください。リズムのズレが全く無くなったら、タイミング良くレコードを再生できたということです。クロスフェーダーを真ん中に動かして、両方の音がキレイ混ざっていることを確認できたら、クロスフェーダーを反対側へ動かして下さい。これができたら反対側のプレーヤーで頭出しをして、もう一度同じことをくり返してみましょう。ミスせずにレコードを送り出せるように何度も練習するのがポイントです。
同じ曲でカットインができるようになったら、違う曲でカットインをしてみましょう。違う曲の場合はBPMが異なるため、これを揃える必要があります。ヘッドホンでモニターしながら、カットインをしてみてください。BPMが異なるため、両方のリズムがバラバラに聴こえると思います。ここで難しいのが、どちらの曲が早いのかを聴き分けることです。最初のうちは難しいと思いますが、何度も練習して素早く判断できるようにしましょう。BPMの違いを聴き分けてピッチフェーダーを動かして頭だしをくり返します。全く同じリズムに聴こえるようになったら、BPMが揃ったということです。カットインをしてクロスフェーダーを動かしてミックスしてみてください。時間が経つにつれて合っていたはずのリズムがバラバラになることがありますが、その場合は完全にリズムが合っていなかったことになります。素早く曲を切り替えてズレを目立たないようにするか、より厳しくBPMを合わせられるようにくり返し練習してください。
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