2014年8月30日、日比谷野外音楽堂で開催された「甲斐バンド 40th Anniversaryツアー2014」のファイナル公演に行ってきました!
甲斐バンドは、1974年のデビューから1979年「HERO(ヒーローになる時、それは今)」の大ヒットを経て、80年代には歴史的なビッグイベントを次々と成功させ、数多くの名盤を生み続けてきました。そして絶頂を極めていた1986年に日本武道館連続5日間公演という前人未到の記録を打ち立てて解散。12年に渡る、まさにロックバンドの鏡のような栄光の歴史に一旦幕を閉じました。その後、幾度かの再結成を経て現在に至りますが、人生の半分以上を甲斐バンドの長い歴史と共にと歩んできた方々がこの野音に集結していると思うと、開演前のひとときにその重み、想いの数々を心地よく感じました。私自身も80年代、甲斐バンドと共に青春時代を過ごし、今に至るまで特別な想いを抱き続けているバンドですので、感慨もひとしおです。
今回のライブは、甲斐バンドとしては1978年以来となる日比谷野音、当日は美しい夕暮れと秋の気配を感じる心地よい風と虫の声が響く最高のシチュエーション。まずは1983年、伝説の野外ライブ「BIG GIG」でのオープニングを飾った「ブライトンロック」でスタート。田中一郎さん、佐藤英二さんのギターが絡み、ブルージ―に叫ぶ「ランデブー」「港からやってきた女」ギターロックバンドとしての、激しくも渋さが光るナンバーが続きます。中盤にはこのツアーのための新曲「Blood In The Street」を披露。最新曲の次にはデビュー曲「バス通り」40年前に一気にタイムスリップ。そして甲斐バンドの長い歴史の中でも特に人気の高い、ライブ後半の定番曲「ポップコーンをほおばって」から「漂泊者」までは、田中一郎さんがARISTIDS O2Oを手に、伸びやかに響き渡る実に素晴らしいギタープレイを披露。東京の夜空にARISTIDESの咆哮が響き渡る感動的なエンディングを迎えました。
アンコールは国民的大ヒット曲の「HERO(ヒーローになる時、それは今)」、ハーモニーとビートが美しい「破れたハートを売り物に」そして荘厳な雰囲気が支配する「100万ドルナイト」がオールラスト。40周年を凝縮しながらも現在進行形であるバンドサウンド、田中一郎さんの切れ味鋭く、時に甘く囁く表現力豊かなギター。そして全く衰えを感じさせない甲斐さんの野太いヴォーカルに圧倒されっぱなしでしたが、数々の思い出と向き合いながらも、明日への活力を貰えたような素敵なライブでした。