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RODE / NT4 レビュー

PRODUCT REVIEW

NT4X/Y Stereo Condenser Microphone

2002

Audio Technology誌

優れたステレオ録音は、洗練された左右のイメージを創り上げる技術をもった優れたエンジニアの腕にかかっているというのが通説でした。ステレオ録音には「マッチした」2本のマイクが必要とされますが、単純に同じモデルのマイクを2本用意したところで「マッチング」が成し遂げられる訳ではありません。どれだけ厳密に制御されたメーカー技術であっても、周波数特性、感度、SPL特性などは同じモデル間でも微妙に異なる場合があります。「マッチした」マイクというのは、本当の意味で「マッチ」していなければなりません。

Centre Image

人間には耳が2つあることがステレオ録音テクニックの大前提となります。人間の耳は左右の音を聴き分け、その音が来る方向を感知します。優れたステレオ・イメージを生み出すとされる「マッチした」2本のモノラル・マイクでも、その2本の相対的な位置によっては結果は異なってしまいます。音源が真正面にある場合(音響的環境も整った状態で)、音は均等に左右の耳まで届きます。つまり、厳密なステレオ録音はこの結果を反映しなければなりません。同じ音響効果を捕らえるには角度も重要な要因です。これにより左右のイメージバランスに加えてセンター・イメージも忠実に再現されます。

Why XY ?

ステレオ録音において最も使用される方法は、「XY」方式によるものです。これは高音質な2本の単一指向性マイクを用意し、2つのダイアフラムをできるだけ近い位置に、そしてお互いに90°に傾けた位置に設置する方法です。
XY方式を採用する一番の利点は、2つのダイアフラムの間隔が狭いことで位相差のズレをなくし、ステレオ録音をモノラル対応にできることです。真正面にある音源は同じレベルで捕らえられ、2本のスピーカー間でもファンタム・センターイメージを再現されます。しかしながら、単一指向性マイクは軸に対する正確な周波数特性を持つため、ステレオフィールド内の最も左右にあたる音はセンターに比べると輪郭も薄れてしまいます。XY方法でのマイクの角度は、通常80~130°とされ、その中でも90°がよく使われていますが、この設定にすることで170°の幅をリアルにカバーすることができます。XY方式では、いかに全体の音がしっかりとステレオイメージを捕らえても、モノラル対応に優れていても、遠近感と深さ(depth)に欠けることがあります。一般的にXY方式とは音の漏れを最小限に抑え、モノラル対応とするためのセッティングなのです。

NT-4の印象

NT-4を初めて目にした時、印象に残る外観にインスピレーションを感じました。

従来のステレオマイクは、高価であるために入手困難なカテゴリーに位置するか、70/80年代に出回っていた2トラックレコーダーに使用する安価なものしかありませんでした。ポータブルDATやMDが発売された頃、高品質でしかも手頃なステレオマイクはほとんど市場になく、DAT用オプションとして今まで販売されているものはプロ機材の基準には達してはいなかったのです。しかし、このNT-4はポータブル・レコーダーに使用する時に優れた威力を発揮します。5 PINマイク端子にはステレオ・ケーブルとステレオミニ端子ケーブルが付属しており、様々なポータブル・レコーダーにも対応します。Sony D8 やTascam DA-P1などはステレオミニ端子とXLRオーディオ入力を両方装備しているので、どちらでもNT-4を使用することができます。

nt4/set Description

NT-4は、ダイアフラムが1/2インチで単一指向性という以外はNT-3にとてもよく似たフォルムですが、デザインや技術面でも相似点が多くあります。ダイアフラムが若干小さめではありますが周波数特性に大きな違いはありません(20Hz~20kHz)。出力インピーダンスと感度の面でもNT-3と同等のスペックを兼ね備えています。

Portable Power

NT4は、電池駆動も可能です。コンデンサーマイク特有の広がりのある高域周波数特性は、スタジオ外での録音にも向いているため、伝統的なスタジオ録音の枠にとらわれることなく活躍します。
ファンタム電源を使用する場合には安定した電源供給が得られるため長時間使用する場合におすすめです。ファンタム電源を使用する際に電池を外す必要はありません。電池交換が必要になると、バッテリー・パワー・ライトが点灯します。ファンタム電源と電池駆動のどちらでもスイッチon/off切替ができます。

Sampling Strategy

20Hz~20kHzの周波数特性と143dB SPLのスペックを誇るNT4は、今まで求められてきたハイコストパフォーマンス・ステレオ・マイクと言えます。NT4は、現場でのサンプル録音にもおすすめです。NT4のカプセルはマッチングテストとXYステレオ・セットアップの精密調整を受けてから出荷されるため、マイクをセットしてレベルの調整をするだけで使用可能です。ステレオ録音の音を重ねることでモノラル・サンプルとして使用することも可能ですし、片側のみのカプセルでのレコーディングも可能です。

NT4 for Video Sound

Mini-DVビデオの普及によって簡単ながら高性能なマイクが求められています。多くのmini-DVのマイク入力はステレオ・ミニ端子ですが、マイク・レベル出力のステレオ・ミニ端子を装備するミキサーで使用することも可能です。しかし、小規模なプロダクション会社などで予算が限られているとしたらミキサーの購入は難しいかもしれません。多くの場合はサブとして使われるカメラは周囲の音のみ必要としています。NT4でしたら9V電池を使用し、ステレオ・ミニ端子のオプションを装備するだけでこのような用途にも使用できるため、大変貴重なマイクになるでしょう。

NT4 in the Studio

NT4のセットアップに関して便利な点は、ステレオ・イメージのマッチング・ペアが出来上がっていることです。NT4に採用された90°のXYイメージは最もポピュラーなステレオセットアップです。このマイキング・テクニックはスタジオにおいてギター録音にもよく使用されます。2つのマイクが使用されていますが、ダイアフラムがマッチングされているため、モノラルとしてもステレオとしても使用することが出来ます。NT4本体の角度を調整することで、様々な音色を録音することが出来ます。マイクを取り囲む面(壁など)からの反射音を拾うことにより、数多くのステレオイメージの変化を捕らえる事が出来ます。ボーカルグループの録音は、とても簡単でしかも効果的です。カプセルのXY軸の位置が正しく設定されているのでレベルとスペクトルのバランスがよく、安心してマイクの周りにボーカリストを配置することが出来ます。

Conclusion

NT4は発売と同時に大ヒット商品になるでしょう。RØDE社は常に市場で必要とされているハイ・コストパフォーマンスのコンデンサーマイクを提供しています。NT4はスタジオでの使用のみならず、場所を選ばないステレオ・コンデンサーマイクとしてサンプリングや環境音の録音に最適です。また、NT4はビデオ撮影などの際にも活躍します。つまりNT4は、様々なステレオ・レコーディングを手軽に行えるマイクという事です。NT4の音はとてもオープンで、高域周波数特性も素晴らしく、この価格帯でこれだけ良いSPL値、ダイナミック・レンジ、ハイファイサウンドと十分な出力を備えたマイクは今まで入手不可能でした。電池駆動可能なので、スタジオ外での使用が容易になり、この性能ならこの倍の価格でもおかしくないマイクです。Rode社がこの驚くべき価格帯で販売出来ることを、心から感謝します!

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