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Sennheiserワイヤレスマイク用カプセル 9機種 比較試聴レビュー

ワイヤレスマイク用カプセル 9機種 比較試聴レビュー

録音の様子

プロフェッショナル向けからアマチュア向けまで、ワイヤレスマイクのリーディングカンパニーとして名高いSennheiser。最新のデジタルワイヤレスEW-D/EW-DXシリーズをはじめとして、プロ向けハンドヘルド・トランスミッターにおいては、カプセルを交換して様々なシチュエーションに対応することができます。PAエンジニア、レコーディング・エンジニア、ボーカリストの合計6名が交換用マイクカプセル9機種を使用、または音源を試聴し、一挙にレビュー。そのコメントを集めました。

最も低価格のMMD 835-1(ベースモデル:e 835)であっても高音質であり、録音を進めるにつれて高音質化し、参加者がそれに驚く様子がコメントからお楽しみいただけます。もちろん、音源とコメントの双方から機種ごとの特徴もご確認いただけます。録音した順番にて掲載しています。

音源の収録方法

  1. 音源
    本企画用に制作された約1分の楽曲(Into Your Heart、作詞・作曲:KOTETSU)を音響ハウス 第2スタジオにて男女ボーカリスト(KOTETSUさん、小此木 麻里さん)に歌唱していただき、収録しました。歌唱用のピアノ音源は、KOTETSUさんの演奏するグランドピアノを、同じく音響ハウス 第2スタジオにて収録しました。
  2. 機材リスト
    EW-D EM受信機からの出力をAMEK 9098 DMA HAにてレベル調整し、Avid HD I/Oに入力。ProTools HDにて収録しました。
  3. 収録及び音源の制作方法
    EW-D SKMハンドヘルドトランスミッターをマイクスタンドに固定して歌唱し、聴感上同程度の音量となるようHAのゲインを設定して収録しました。ミキシングにおいてはリップノイズ等の瞬発的なノイズのみ除去し、EQ・コンプ等の音声処理を行わずにマスターファイルを作成しました。ごく僅かにAvid D-Verb リバーブを使用しています。
KOTETSUさん
小此木麻里さん

録音チーム 参加者とコメント収録方法(敬称略)

各マイクカプセルでの録音前後のコメントや会話を抜粋しました。中内氏はコントロールルームにてNeumann KH 150を通じてモニター、その他の3名はブース内にてヘッドホンを通じてモニターし、コメントしています。

コントロールルームのモニターはKH 150
KOTETSU
KOTETSU

ボーカリスト。本企画では作詞、作曲、ピアノ演奏及び男性ボーカル音源の歌唱を担当。
洗足学園音楽大学ジャズコース、米国Berklee College of Musicを卒業後、"KOTETSU"名義で首都圏を中心にでプロミュージシャンとして活動を開始。俳優の織田裕二氏主演映画"アンダルシア"、福山雅治氏主演映画"ガリレオ ~真夏の方程式~"の劇中歌にその歌声が採用される他、ジャズピアニスト クリヤマコト氏が主催したアドリブコンテスト2011に於いて、その卓越したスキャトのテクニックが絶賛され東京部門で優勝。その他、複数のコンペティションでの受賞暦を持つ。

小此木麻里
小此木麻里

ボーカリスト、舞台役者。本企画では女性ボーカル音源の歌唱を担当。
6歳で子役デビュー。 その後、舞台やコンサートを中心に活動。
ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』ラプンツェル役 歌唱吹替を担当。その他、角松敏生氏のアルバム『東京少年少女』の〝It's So Far Away〟にてデュエットを果たし、コンサートツアーにもバックボーカルで参加している。

中内 茂治
中内 茂治

音響ハウス所属のレコーディング・エンジニア。本企画では録音、ミキシングを担当。
1980年生まれ、福岡県出身。福岡スクールオブミュージック専門学校卒業と同時に音響ハウスに入社。コブクロ、星野源をはじめポップスからジャズ、クラシックに劇伴やCM音楽など幅広いジャンルのレコーディングセッションに参加。また、音響ハウスの鳴りと響きを忠実に再現したプラグイン「ONKIO Acoustics」の開発にも携わる。

小泉こいた。貴裕
小泉こいた。貴裕

フリーのレコーディング・エンジニア。本企画ではディレクション及び企画制作を担当。
1980年生まれ、千葉県出身。ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人 日本歌ってみたMIX師協会 発起人及び代表理事。ライブレコーディング作品が多く、岡本太郎記念館アトリエコンサートシリーズ、KIYO*SEN、NANIWA EXP、XOXO EXTREMEなどのライブ音源制作を担当。

PAチーム 参加者とコメント収録方法(敬称略)

PAチーム試聴会は別日程にて実施されました。ベステックオーディオ株式会社地下のスタジオにて、PCからの出力をNeumann MT 48経由で出力し、L-Acoustics社のPAスピーカーにてステレオ再生しました。各音源の再生ごとにコメントを収集しています。

MT 48を通じて出力
ベステックオーディオ様地下スタジオにて試聴会を実施
德田 時彦
德田 時彦

PAエンジニア。株式会社アーチドゥーク・オーディオ ディレクター/チーフエンジニア。

栗原 利典
栗原 利典

PAエンジニア。株式会社アーチドゥーク・オーディオ ディレクター/チーフエンジニア。

比較試聴コメント

MMD 835-1

MMD 835-1

製品ページ

  • Sennheiser e 835をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:ダイナミック
  • 指向性:カーディオイド

—--録音チーム-----

KOTETSU:最初のカプセルですけど、すでにいいですね。

小此木:歌いやすいです、すごく。

小泉:ライブハウスの定番マイクよりも音の密度が高い感じがします。

中内:ダイナミックマイクっていう感じの音ですね。すでに良いので、この先どうなっちゃうんだろうという感じがします(笑)。

—--PAチーム-----

栗原:定番ダイナミックマイクに160Hz付近は似ているけど、ローミッド、200〜300Hzがすっきりしていますね。2kHz近辺も綺麗に出ている感じ。ただ、声を張った時に女性の8kHz近辺がチリつく感じがありますね。

德田:男性だとちょっと重く、暗く聞こえるんですけど、女性の場合はその重さの帯域が温かさになっていて、女性に適している気がしました。声量が下がった時にマイク乗りが少し悪くなるので、あまり口からの距離を離さずに使ったほうがいいかもしれません。その方が魅力が出せる気がします。

MME 865-1

MME 865-1

製品ページ

  • Sennheiser e 865をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:エレクトレット・コンデンサー
  • 指向性:スーパーカーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:すごい。ダイナミック(MMD 835-1)と全然違いますね!自分との距離が近い感じがします。

KOTETSU:(MMD 835-1よりも)滑らかです。声を張った時の音の出方が違いますね。ダイナミック(MMD 835-1)だと局所的に捉えられている感じがしたんですけど、MME 865-1だともっと全体的にキャプチャしてもらえている気がします。

小泉:MMD 835-1はコンプがかかっているような印象があったけど、MME 865-1はMMD 835-1に対してコンプ感が少ない印象を受けました。

中内:(MMD 835-1よりも)声を張った時の違いが大きいですね。余裕があります。

—--PAチーム-----

栗原:カーディオイドのレンジの中で、ちょうどよいコンプ感があって、収まり良し!という感じ。

德田:MMD 835-1と逆で、男性に向いているなと思いました。男性の声の基音のひとつ下の帯域がよく出ているんですけど、PAってそこが大事なんです。男性の場合は、200Hz付近の膨らんでいる帯域だけ抑えれば、そのまま使える気がしますね。一方で、女性は高域がピーキーに感じました。1.6kHzとか、小さい会場のスピーカーだと早めにピークになる帯域がきつく感じました。あとは指向性が、男性だとスーパーカーディオイドをしっかり感じたんですけど、女性だと遠さとして感じたというか。

栗原:距離の微妙な違いが出るのかもしれないですね。

試聴会の様子
試聴会の様子

MMD 935-1

MMD 935-1

製品ページ

  • Sennheiser e 935をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:ダイナミック
  • 指向性:カーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:全部拾ってくれる感じがします。

KOTETSU:(MME 865-1コンデンサーに対して)これはこれでいいなぁ。ダイナミック特有のガツっとした感じがあります。指向性は広めですよね?これくらいがコントロールしやすいんだよなぁ。

小泉:もうこれでいいじゃん!みたいな音してますね(笑)。想像よりもクオリティが高い印象です。EQかかってないですよね?

中内:EQはかかってないです。バランスいいですよね。

KOTETSU:ウォームな印象。e 935とe 945だと、なんとなくe 945を選ぶ人が多いんですよね。みんなもっとe 935の実力を知ってほしいな。よくできたマイク。

—--PAチーム-----

栗原:よく聞く音ですね(苦笑)。

德田:リファレンスの音、e 935にしたら良かったかもね(笑)。

栗原:普段使っている D 6000 + MMD 935-1カプセルだと2.2/2.3kHzあたりが多いイメージなんですけど、MMD 935-1 + EW-Dの組み合わせだともう少し低い1.6kHzあたりにピークを感じました。200〜300Hzも思ったよりもすっきりしていました。

德田:トランスミッターの組み合わせで差が出るのかもね。普段は280Hzとかにピークが出ることがあるけど、MMD 935-1 + EW-Dの組み合わせだとそういう印象はないですね。

栗原:あとは女性の方がマイク乗りが良い感じがしました。

德田:MME 865-1よりもリバーブ乗りが良かったね。雰囲気がある。指向性が広い分、部屋の残響を拾っている気がしますね。

MMD 945-1

MMD 945-1

製品ページ

  • Sennheiser e 945をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:ダイナミック
  • 指向性:スーパーカーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:MMD 935-1とMMD 945-1だったらMMD 945-1が好きです。これ、めっちゃ歌いやすいです。

KOTETSU:(MMD 935-1に対して)ミキシングしていないのに音が仕上がっている感じが強いです。

中内:高域がよく出ているので、EQ処理しているように聞こえると思いますね。シンプルにハイファイな音です。

小泉:ヘッドホンでモニターしているんですが、「コンデンサーマイクです」と言われたらコンデンサーマイクに聞こえると思います。判別する自信がないです(苦笑)。

KOTETSU:指向性はタイトなので、弾き語り等で歌唱時に動きがある人は、注意が必要ですね。音はいいけど難しさも伴うというか。面白いマイクですね。

—--PAチーム-----

德田:今までのカプセルで最もベースモデルに印象が似ていますね。ワイヤレスなりの変化はありますけど、音色は同じ。e 945を使っている人は違和感なく使えると思います。カプセルを握り込んで歌う人にはお勧めできないかも。音質が激しく変わるかもしれません。ちょっとオフマイクで歌う人には向いている気がします。

栗原:低域はe 945の方が締まってるし、400〜500Hzは思ったより出てるかもしれない。

德田:でも中域のピークが先に気になっちゃうかもしれないね。中域がしっかり出ているけど、その分高域も欲しくなる。でもそうすると、子音が気になってくる。

栗原:昨今のスピーカーの高域とぶつかっちゃうんですよね。その辺の処理でe 945/MMD 945-1の方がエンジニアの腕が出る気がします。e 935/MMD 935-1はそれがないので、扱いやすいと思います。

德田:特性はEQでカバーできるけど、被りはなんともならないんですよね。そういう意味では、小さいライブハウスではe 945/MMD 945-1、大きい会場ではe 935/MMD 935-1でのびのびと、という使い分けもできると思います。

MMK 965-1(Cardioid)

MMK 965-1(Cardioid)

製品ページ

  • Sennheiser e 965をベースモデルとしたマイクカプセル。カプセル内で指向性を切替可能。
  • トランスデューサー:トゥルー・コンデンサー
  • 指向性:カーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:歌いやすい!どんどん歌いやすくなりますね(苦笑)。

KOTETSU:(MMD 945-1に対して)音が大きい。全然パワーが違います。

中内:普通に音がいいなと思いました。確かに音は大きいですね(苦笑)。

KOTETSU:ワイドレンジで、歌いやすさがあります。

小泉:コンデンサーマイク!という感じ。ベースマイクであるワイヤードのe 965を愛用しているんですけど、ワイヤードよりもパワフルな印象でした。

—--PAチーム-----

※MMK 965-1 CardioidとSuper Cardioidをまとめて試聴し、コメントを収集しました。MMK 965-1 Super Cardioidの項を御覧ください。

MMK 965-1(Super Cardioid)

MMK 965-1(Super Cardioid)

製品ページ

  • Sennheiser e 965をベースモデルとしたマイクカプセル。カプセル内で指向性を切替可能。
  • トランスデューサー:トゥルー・コンデンサー
  • 指向性:スーパーカーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:これ、すっごい歌いやすいです。やりたいことが叶うマイク、という感じ。同じマイクなのに全然違いますね。

KOTETSU:MMK 965-1 Cardioidに対してゲインあがってませんか?音量が上がっている感じがするし、高域がよく出ている感じもある。

中内:設定は同じですけど、確かに音量が上がっている感じがしますね。ビシっとしっかり向きが揃うと、より中央をしっかり拾うのかもしれないですね。スーパーカーディオイドのカプセルは声を張った時でもバランスが良い傾向があります。指向性が狭い方が飽和しそうなイメージがありますけど、逆にバランスがいいです。

小泉:普段は無指向性や指向性の広いマイクの方が好きなんですけど、Sennheiserのボーカルマイクシリーズにおいては指向性が狭い方が良いかもしれないと思いました。

—--PAチーム-----

栗原:MMK 965-1だと、僕はカーディオイドの方が好きですね。

德田:同じく!(苦笑)MMK 965-1カーディオイドは優しい歌ものにとてもいいと思います。あとはブレス感がとてもいいです。パート数の少ない編成で、ボーカルのブレスでリズムを取るような音楽には、MMK 965-1カーディオイドのブレス感はとてもいいと思います。

栗原:カーディオイドの方が倍音の出方がよくて、高域のピークも綺麗に収まっている気がしました。スーパーカーディオイドは少しドンシャリ。200〜300Hzは少ないけど160Hzくらいが目立って聞こえました。女性だと、どちらの指向性でも低域が均等に出ているんですけど、男性だと声を張るに従ってうるさくなってしまう印象でした。

德田:カーディオイドの方が声量の変化に対してリニアな印象でした。ブレスも綺麗に出ているし。スーパーカーディオイドは被りが減った分、美味しいところも減ってしまったのかなという印象です。スーパーカーディオイドの方が声を張った時の粗が気になって来てしまうというか。

栗原:スーパーカーディオイドはオフマイク気味に使ってもらう方がいいのかなと思いました。

德田:それを加味した上でもラウドな音楽だとスーパーカーディオイドの方がいいとは思います。Sennheiser、特にe 965/MMK 965-1は握り込んで歌ってもダイヤフラムが隠れにくいので、あまり音がかわらないんですよ。

栗原:握り込みでの変化は結構重要です(苦笑)。

德田:マイクカプセルを握って歌いたい人はSennheiserにしたらいいと思います(笑)。

マイクの使用方法に即した現実的なコメントが興味深い
マイクの使用方法に即した現実的なコメントが興味深い

MM 435

MM 435

製品ページ

  • Sennheiser MD 435をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:ダイナミック
  • 指向性:カーディオイド

—--録音チーム-----

小此木:近い感じ。リアルですね。

KOTETSU:高域がしっかり出てますね。これはいいなぁ。声が重くなりやすい人は、すごく楽に歌えると思う。ボーカルの定位が自然と上に移動する感じ。

小泉:ここまでのカプセルに対して、MM 435からグレードが上がったような印象がありますね。別格。ダイナミックレンジのあるボーカルをすべて収めることができている感じ。

中内:美しい音です。900シリーズまでは声を張った時に波形の上限を感じたんですけど、MM 435は天井がない感じがします。余裕のある音です。MMK 965の方が高域は伸びているかもしれないけど、MM 435の方が綺麗に収まっている感じがします。エンジニア的にもコントロールしやすいです。

小此木:包容力のあるマイクですね。

—--PAチーム-----

※ MM 435とMM 445をまとめて試聴し、コメントを収集しました。MM 445の項を御覧ください。

MM 445

MM 445

製品ページ

  • Sennheiser MD 445をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:ダイナミック
  • 指向性:ハイリジェクション・スーパーカーディオイド

—--録音チーム-----

KOTETSU:ここまでで一番好きかも。ライブで使ってみたいです。自分の声がグッと軽くなったような印象。音楽に入っていけるような印象が強いです。あとは(MM 435に対して)より極端なキャラクターがありますね。リニアな印象です。

中内:ちょっと中央からずれた時のスーパーカーディオイドらしいニュアンスもしっかり出てますね。

KOTETSU:MM 445はカーボン素材のスポーツ用品というか、スーパーアスリートマイクみたいな印象があります。

小此木:私もこれ、めっちゃ好き!無理せず、意識せずに全部表現できる。スーパーカーディオイドが好きなのかもしれない。

KOTETSU:あとは吹かれにくい気がします。

Sennheiser:ハイリジェクションスーパーカーディオイドという特性で、ダイヤフラムが軽くて過渡応答が特に良いマイクなので、吹かれの違いはその効能かもしれません。

小泉:小此木さんには特に合っている気がしますね。ライブに行きたくなっちゃう音です。

—--PAチーム-----

栗原:男性MM 435、女性MM 445。

德田:同じく!(笑)。思っていたよりも、MM 435がいいです。特に男性でいいです。リニアでした。エンジニア目線で欲しくなるマイクですね。

栗原:言葉尻とか、口が開いている感じもわかりますね。空気感もとても良かったですね。MMD 935-1/MMD 945-1と比べると、MM 435/MM 445の方がドライに感じますね。PAはじめた頃に使っていたMD 431-Ⅱみたいなドライ感。MDシリーズの音なのかもしれないですね。

德田:ボーカルマイク!っていう感じがするよね。

栗原:男性の低域の聞こえてほしい部分がそのまま出てくるのがカーディオイドのMM 435なのかなと思いました。

德田:女性だとその低域が濁りみたいになってしまうので、余計な響きが削ぎ落とされたスーパーカーディオイドの方が合うのかもしれないですね。

栗原:女性がスーパーカーディオイドで歌うと、より切なく聞こえますね。

MM 445はPAチームからも高評価だった
MM 445はPAチームからも高評価だった

KK 204

KK 204

製品ページ

  • Neumann KMS 104をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:トゥルー・コンデンサー
  • 指向性:カーディオイド

—--録音チーム-----

KOTETSU:さすがのNeumannという感じ。Neumann特有の中域のベルベット感があります。ミドルレンジの声がしっかりマイクに乗る感じがします。ここまでのマイクが派手だったので、落ち着いた印象に感じますね。

小泉:ダイナミックとコンデンサーの中間のようなニュアンスがありますね。ダイナミックのような若干のコンプレッション感があって、かつ、完成された音。

小此木:これはいいです。すごい。

中内:バランスがとてもいいですね。

KOTETSU:コンデンサーにしてはウォームな印象ですよね。耳当たりがすごくいい。どこにでもいけそうな自由な感じがします。

—--PAチーム-----

※KK 204とKK 205をまとめて試聴し、コメントを収集しました。KK 205の項を御覧ください。

KK 205

KK 205

製品ページ

  • Neumann KMS 105をベースモデルとしたマイクカプセル。
  • トランスデューサー:トゥルー・コンデンサー
  • 指向性:スーパーカーディオイド

—--録音チーム-----

KOTETSU:いい音!レコーディングクオリティです。ワイヤレスであることを忘れますね。KK 204もそうですけど、ちゃんと低域が残っている感じがある。

小此木:スーパーカーディオイド、いいですね。表情まで拾ってくれるマイク。

小泉:良い音を通り越してコメントがなくなってしまう(笑)。

中内:そうですね、聞いていてほわ〜としてしまう(苦笑)。

KOTETSU:ほんとに(苦笑)。これはいいです。KK 205も中央だと高域がしっかり出る。(KK 204とも)全然違う。

小此木:KK 204よりKK 205がいいです(笑)。

中内:やっぱりスーパーカーディオイドの方が小此木さんには合っているというのは一貫していますね。どの機種も声を張った時の余裕があるというのは新しい発見です。小此木さんのダイナミックレンジを捉えられるマイクという感じですね。

小泉:指向性を甘く見てはいないけど、特性がここまで違うか、という驚きがありました。

—--PAチーム-----

栗原:やっぱりNeumannはいいですね(苦笑)。

德田:めちゃくちゃ自然だよね。メモに「自然」としか書いてないです(笑)。

栗原:そしてカーディオイドのKK 204 は男性、スーパーカーディオイドのKK 205は女性がいいです。KK 204 の男性はめちゃくちゃいいですね。

德田:全体を通して、女性にカーディオイドを使うと少し遠く感じますね。KK 204/KK 205は、いい意味で聞いている音に近いんです。
EQで調整したいという感じがしないんですよね。ハイパス入れたら終わりだと思います。宅録にもこのまま使えると思います。

栗原:もちろんスピーカーとの相性で調整することはあると思いますけど、基本的にはこのままでしょうね。すごいマイクです。これはいいですね。

德田:こういうナチュラルなマイクであればあるほど、被りが気になってくるとは思うので、指向特性を詳しく知っておきたいですね。6dB落ちるのが何度くらいなのか、とか。ハウスのチューニングがうまくできていないと、うまく使えないかもしれないとは思います。

プロのエンジニアにとっても興味深い試聴会となった様子
プロのエンジニアにとっても興味深い試聴会となった様子

総括コメント

—--録音チーム-----

Sennheiser:最も気に入ったカプセルを教えて下さい。

KOTETSU:MM 435、MM 445は特筆すべき良さがありましたね。個人的な癖で歌っていて声が重くなりやすいんですけど、MM 435、MM 445は自分の声を軽く感じられるというか。歌い方をどんどん良い方向にシフトできるんです。歌うのが楽しくて楽でした。

小此木:カプセルを変えると、指向性が変わるとこんなに違うんだなと思って、驚きました。私はスーパーカーディオイドのカプセルが良いなと思いました。声が高い時にキンキンしてしまうのが気になっていたんですが、それもうまく収まってくれる。表現したいことをすべて包み込んでくれる、一緒に表現してくれるマイクだなと思いました。

KOTETSU:指向性の違いがここまで音質に影響を与えるというのは、本当に驚きでした。スーパーカーディオイドの音の密度の高さは魅力的だと思いました。一方で、指向性のシビアさもよくわかりました。弾き語り等でスタンドマイクで使う時があるので、ちょっと離すと音が変わっちゃうんですよね。そういう時はMMD 935-1とか、MM 435の広い指向性のカプセルの方が良いのかなと思いました。カーディオイドは声の響き全体をキャプチャしてくれるのが魅力的でしたね。ハウリング耐性ではなくて、楽器編成や音色で指向性を選ぶという方法があるなと思いました。

Sennheiser:ダイナミックとコンデンサーの違いは感じられましたか。

KOTETSU:ダイナミックマイクの解像度が非常に高くて、単純にダイナミック、コンデンサーという分け方、選び方はできないなと思いました。そのうえで、コンデンサーのフルレンジ感、上から下まで詰まった感じで聞いてもらえるのはやっぱり魅力があるので、KK 204、KK 205は特に魅力があるなと思いましたね。

Sennheiser:ボーカリストからみて、歌いやすさと音の良さは同じなのでしょうか。

KOTETSU:ちょっと違うなと思いました。例えばMM 435/MM 445とKK 204/KK 205はどちらも音が良いんですけど、MM 435/MM 445の方がモニターしやすいんです。一方でKK 204/KK 205はすごく奥行きのあるマイクなので、音楽的に選択肢が増える分迷いも出やすい。そういう意味で、歌いやすいのはMM 435/MM 445かもしれません。

小此木:KK 204/KK 205ははっきりしすぎてドキドキしてしまう感じがあるんですけど、MM 435/MM 445はいい意味でぼんやりさせてくれるんです。温もり、温かさがあって、それが歌いやすいなと思いました。

KOTETSU:ワイヤレスであることは忘れてしまうほど、音は良かったです。ライブで機会があったらMM 435/MM 445を指定してみたいと思います。

—--PAチーム-----

栗原:個人的にはKK 204がすごく好きですね。自然で、かつ4〜5kHzがうるさくならず、さらに高域のちょっとザラッとしたところに魅力があります。次いでMM 435、MM 445かな。現場での使いやすさを考えるとMM 435、MM 445ですね。

德田:Neumannはやっぱりいいですね。空気感のある音の表現をしたい時はNeumannですね。

栗原:800、900シリーズも思っていたよりも良かったです。

德田:意外と良かったのはMMK 965-1カーディオイドですね。ビックリしました。今回の音源のような、弾き語りのピアノと女性という音源では、楽器とひとつになっている感じが一番強かったのがMMK 965-1カーディオイドです。

栗原:MMK 965-1カーディオイドは音源や環境にマッチするととても良さそうですね。

德田:ちなみに多人数のボーカルグループという環境なら、MM 445一択ですね。指向性と音質、どちらの面から考えてもMM 445です。

栗原:本音を言えば全機種そろえてボーカリストやシチュエーションで替えて使いたいです(笑)。

德田:ボーカルってすべての音楽ジャンルを通じてとても重要なパートだと思うんですけど、特に意識しなくてもボーカルを前に出すことを実現できるマイクたちだとは思います。歌い手としてもエキスパートの人たちはどんなマイクでもボーカルの重要性を表せるんですけど、ビギナーには難しいと思うので、むしろ入門機としてSennheiserを使うことを勧めたいです。すごく面白い企画でした。
ありがとうございました。

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