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| Electronic
Musician 誌 by Rusty Cutchin / 2006年 10月 |
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素晴らしいサウンドを生み出すスタジオモニター EVENT ELECTRONICS社のStudio Precision 8 ActiveスタジオモニターはElectronic Musician誌の2005年度エディターズチョイス・アウォードを受賞しました。チャンピオンとなったスピーカーの姉妹機が同じような偉業を達成することは稀ですが、同社のStudio Precision 6 Active(別称ASP6)も、このレビュアーにより最高の栄誉を与えられました。バイアンプ駆動のニアフィールド・モニター(EVENT社は『ダイレクトフィールド』と呼んでいます)、ASP6は純粋な高音、自然で透明感のある中音域、そして驚くほど強力な低音を再現します。
ASP8と同様に、ASP6はとても印象的な外観をしています。 フロントパネルはハイグロス・ブラック仕上げ。キャビネットのトップ、ボトム、サイドはブラックビニール・ラミネート加工で、塗装した木材のような質感を醸し出します。フロントパネルの裏側にはネオジミウムマグネット付の6.5インチウーハーを搭載。スピーカーの上には磁気シールドされた、フェロフルイド冷却構造のソフトドーム型ネオジミウム・ラジエーターが取り付けられています。(内部/外部イコライザーで補正しなくても幅広く、フラットな特性のサウンドを生み出す事から、EVENT社はハイフリーケンシー・ドライバーを表す際『ラジエーター=放射するもの』という単語を使っています。)このラジエーターは楕円形のバックプレートで囲まれています。フロントパネル下部に位置する、直径3インチのデュアル・リニアフロー・バスポートはポートノイズが出ないようにデザインされています。このポートのタイプは、許容入力をはじめとするスペックやカスタムデザインされたトランスデューサー、その他のデザインと同様にStudio Precision シリーズ独自のものとなっています。EVENT社は、Studio Precisionシリーズの高いパフォーマンスはこれらの特徴に因るものだとしています。 ASP6にはASP8と同じパワーアンプが採用されており、低周波帯(LF)のドライバーに200W、高周波帯(HF)のドライバーに80Wを出力します。クロスオーバーポイントは2.6kHzとなっています。ウーハーの下にはLEDパワーインジケーターが備えられています。 ASP6のリアパネルには入力端子、コントロールノブがあり、標準TRSフォーン入力端子はLine Input 1、XLRメス端子はLine Input2と表示されています。どちらの入力もバランス・アンバランスの信号を受け付けます。可変式のHF/LFトリムポットは3dBの範囲でカット・ブーストする事が出来ます。どちらのトリム調整ポットも12時の位置(0dB)にセンタークリックが付いています。完全に回した状態で、LFトリムは100Hzで±3dB、400Hzで±2dB、HFトリムは2.6kHZで±3dBの調整を行う事ができます。 Line Input 1の隣には、サブウーハーを接続した際に使用可能なハイパス・スイッチ(80Hz)があります。更に入力感度調整ノブも搭載、入力信号を完全に時計回りに回した状態の”MAX”から、反時計回りに回しきった状態の-20dBまで減衰する事ができます。センターポジションでの減衰は-5dBとなっています。リアパネルには電源をOn/Offするトグルスイッチ、同梱される電源ケーブルを差し込むソケットも配置されています。 ハイパス・スイッチは若干扱いにくい位置取りになっています。オフの状態では実質パネルと同一平面になっており、表面だけくぼんだ形状になっています。私はこのボタンを押す際、爪の先を使わなくてはなりませんでした。同様に、コントロールノブもリアパネルより1/8インチほどの高さになっており、サイズも約1/4インチに抑えられています。とは言え、親指と人差し指でノブをつかんで調整するのには何の問題もありませんでした。EVENTによると、ミキシングの状況においては致命的にもなり得る不慮の接触を避けるため、ノブやスイッチは少し扱いにくくデザインされているとのことです。
Apple Mac G5デュアルプロセッサーにFIREWIREで接続したコントロールルーム内Onyx 1620からの出力を、手持ちの2.1システムをバイパスさせて、ASP6のペアに送り、それからテストを始めました。 私はまず、その最大解像度での表現力は良いと思っていたiTunesのAACファイルからテストしてみました。私は毎日使用しているモニターでこれらのファイルのサウンドを熟知していたので、ASP6がそのサウンドをどのように再現できるか公平な評価を下す事が出来たのです。テストしたファイルは、AACやより粗悪なMP3ファイルで見られるように、ダイナミクスが欠如していたり、ステレオの音像が不明瞭であったりしましたが、それでも、例えばColdplayの”God Put a Smile Upon Your Face”やBruce Cockburnの”Wondering Where the Lions Are”におけるアコースティックギターはクリーンで、歯切れがよく、中高音域の潰れも見られませんでした。 次に購入したばかりのCDを、ミキサーにダイレクトにつないだCDプレーヤーと一緒にテストしてみました。Patty Lovelessの”Keep Your Distance”ではスネアドラムにちょっとしたキレが加わり、曲全体にドライブ感が出ました。Marc O’Connorの”Live in New York”のCDでは、フィドルがとてもスムーズに再現されているのに感銘を受けました。O’Connorのトーンレンジは強弱が変わりやすいものですが、ASP6は”Cherokee”の数オクターブを上下する高速ソロ部でも、レスポンスの途切れなく再現する事が出来ました。 他のEVENTモニターと同様、ASP6も高音域では非常に信頼がおけると満足したところで、私はいつも調べている、ベースパートにおける濁った低中音域のテストに移りました。それはJaco Pastoriusのソロであり、Earth, Wind and FireのVerdine Whiteのメロウでいながらくっきりとしたサウンドがあてはまりますが、ASP6はここでも素晴らしい結果を出してくれました。アタックのきいたハイエンドをもったベースサウンドであっても、行き過ぎていない心地の良いレベルでした。また、一つのパートが他の低中音域の中でも区別の付きやすいものであれば、そのパートをぼやけさせることなく、力強く表現してくれました。
ここまで良い結果を得られていても、私はASP6のウーハーがサブウーハー無しで近年のダンスミックスの低域全てを出し切れるとは思っていませんでした。しかし、Rihannaの”Pon De Replay”やOutkastの”I Like the Way You Move”を再生した時の低域は部屋を揺らすほどで、ASP6の40Hzでの急なロールオフというスペックを考えると、この結果は期待を大きく上回るものでした。しかも、十分なボリュームで鳴らしてもポートから爆風が吹いてしまう事もなく、十分な低音は保ったまま、せいぜいそよ風程度で済んでいました。 ASP6を導入した事で、自分が取り掛かっていたカントリーシンガーのデモとスタンダードジャズの新アレンジをミックスする為に取り入れたばかりの2.1サウンドシステムの再考を迫られました。例えば、ピアノソロでの中高域は当初控えめだったのが、ASP6によってはっきりと輪郭を現しました。ピアノソロは元々際立たせたかったので、それによってミックスのやり直しはしませんでしたが、今まで必要以上にその部分に時間を費やしていた事に気付かされました。つまり、以前のモニターは中高域がうまく出ていなかったのです。 また後日、エンジニアをしている友人が数日掛けて作ったロック・リミックスの原型をASP6で視聴してみました。その友人はドラムやギターのアタックがスタジオで作成した時よりも抑制されている事に驚いていました。彼はスタジオのシステムが高域を強調しすぎていた為に、レコーディング時にドラムやギターの高域を充分に録音できていなかったことに気が付いたのです。彼はその場でASP6を導入する事を決めました。
ASP6は私が抱いていた8インチ以下のサイズのステレオ・ニアフィールドモニターに対する考え方を変えてくれました。以前はこの程度のサイズのモニターは別途サブウーハーが必要だと感じていました。しかし、充分な低域、明瞭なハイエンド、豊かな中域、更にこの価格帯を考えると、ASP6はどんなパーソナル・スタジオにもイチオシの一品だと言えます。 |
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フロントパネルはハイグロス・ブラック仕上げ。キャビネットのトップ、ボトム、サイドはブラックビニール・ラミネート加工で、塗装した木材のような質感を醸し出します。フロントパネルの裏側にはネオジミウムマグネット付の6.5インチウーハーを搭載。スピーカーの上には磁気シールドされた、フェロフルイド冷却構造のソフトドーム型ネオジミウム・ラジエーターが取り付けられています。(内部/外部イコライザーで補正しなくても幅広く、フラットな特性のサウンドを生み出す事から、EVENT社はハイフリーケンシー・ドライバーを表す際『ラジエーター=放射するもの』という単語を使っています。)このラジエーターは楕円形のバックプレートで囲まれています。
