6チャンネル同時入力が可能

『H6』は、XYカプセルやMSカプセルからのL/R入力に加え、4系統のXLR/TRSフォーン入力を標準装備。合計で最大6トラックの同時録音が可能です。XLR/TRSフォーン入力にはマイクレベルからラインレベルまでの幅広い信号を入力でき、外部マイクはもちろん、PAミキサーや音楽プレイヤー、キーボードやアクティブタイプのギターやベースの接続にも対応。XLRコネクタは業界標準の2番ホットを、TRSコネクタはTIPホットを採用しています。

各インプットには個別のゲインコントロールノブが用意され、録音現場での確実で素早いレベル合わせをサポートします。-20dBのPADスイッチにより、プロ機器が採用する+4dBのラインレベルも歪みなく入力できます。また、プリアンプは従来の3Vよりも高い5Vの電圧で駆動させることで、マイクもラインも楽器も入力できる余裕のヘッドルームを確保。PADスイッチと組み合わせた幅広いゲイン設定により、H4nと比べ30dB大きな信号から、14dB小さい信号まで対応します。

電源供給の必要なコンデンサーマイクを使用する際も、メニューオプションを選択するだけのシンプル操作。インプット端子別または全インプットに一括で、ファンタム電源(+12/+24/+48V)を供給できます。プラグインパワータイプのコンデンサーマイクも、XYカプセルに装備されたステレオミニ仕様のMIC/ LINE IN端子に接続して使用できます。

ライン/ヘッドフォン/USBアウトを装備

『H6』のLINE OUT端子は、本体のフロント面に用意されています。このステレオミニ端子からは、『H6』の内蔵ミキサーを通過したステレオ音声がアンバランスのアナログ信号として出力されます。内蔵ミキサー機能では、6チャンネル分のボリュームやパンを個別に調整できるので、録音現場でモニターミックスを作ってサウンドチェックすることができます。

『H6』のUSBポートは、本体の右サイドに配置されています。USBオーディオ・インターフェース機能の設定メニューにより、本体内蔵ミキサーを通過したステレオ音声か6チャンネル個別の音声をデジタルのままUSB接続されたパソコンに送ることができます。

さらに、ボリュームコントロール付きのヘッドフォン端子を本体の左サイドに装備し、ヘッドフォンを接続してステレオ音声をモニターすることができます。

また、本体の底面にモノラルスピーカーを内蔵し、ヘッドフォンが無くても録音結果をその場で再生して確認することが可能です。なお、ヘッドフォンが接続されている時は、スピーカーからの出力は自動的にオフになるので安心です。

まるで一眼レフのようにマイク群を使いこなす、用途に応じた6つのマイクカプセル・オプション

マイクカプセルを交換できるモジュラー・デザインを採用した『H6』。レコーディング環境に応じて、いつでも最適なマイクを選択できます。

新開発の大口径ダイヤフラムを採用自然で立体的な音像を捉えるXYマイク

XYマイキングは、センターの音をしっかりと捉えつつ、低域から高域まで左右の分離の良い録音を実現する、ステレオレコーディングの代表的なテクニックの一つです。自然な奥行きと広がりをもった立体的なサウンドで、特定の音源を狙った近~中距離の録音に最適です。付属のXYカプセル(XYH-6)には、クラス最高の14.6mmの大口径ダイヤフラムを採用し、最大136dB SPLの音圧でも歪みのないクリアなサウンドを録音することが可能。大音量のロックコンサートも安心して収録できます。

また、2基のマイクの角度を90度から120度に簡単に変更することができ、XY方式でよりワイドなステレオサウンドをレコーディングすることも可能です。

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モノラルからワイドなステレオ音像まで音源に応じて自在に可変できるMSマイク

センターの音を拾う単一指向性のMid マイクと、左右の音を拾う双指向性のSide マイクを組み合わせたMSカプセル(MSH-6)を付属。Side マイクのレベルを調節することで、ステレオ幅を自在に可変できるMSレコーディングが誰でも簡単に行えます。MS-RAW モードで録音すれば、録音後にステレオ幅を調整することも可能です。

ワイドなステレオイメージを捉えることができるMSマイクは、音源が複数ある広く開放的な空間での録音、例えばオーケストラやライブコンサート、サウンドスケープの収録に最適です。Side マイクをオフにすれば、インタビューやナレーション、会議などに適したモノラル録音を行うこともできます。

このMid-Sideテクニックは、ルームアンビエンスの量を調整したい場合にも非常に効果的です。スタジオレコーディングでも使われますし、その自由度の高さからリハーサルやライブレコーディングでも広く使われています。

狙った音をしっかり捉える 超指向性の高性能ショットガンマイク

別売オプションのショットガンマイク・カプセル(SGH-6)は、周囲の雑音を抑えて狙った音をしっかりとクリアに捉える超指向性マイクです。『H6』を映画やビデオ、劇場、ニュース取材などプロユースの音声収録に適した、パーフェクトなオーディオレコーダーとして使用できます。

カプセル内部の3つのマイクと『H6』本体での先進的なDSP処理技術により、『SGH-6』は物理的な音響管を用いた一般的なショットガンマイクと比較して、その鋭い指向特性と優れた周波数特性を維持しながら、全長は約半分の長さに抑えられています。

ショットガンマイクは、スピーチをしている人をビデオで収録する際によく使われます。例えば、話者にピンマイクを付けられない場合や、ビデオカメラの背後から話者の声を狙う場合に活躍します。但し、ショットガンマイクはカメラの望遠レンズのようなことはできませんのでご注意ください。音源からの距離が短い場合には申し分のない効果を発揮しますが、音源からの距離が約1メートルを超えると収録したサウンドに距離感が出てきます。距離が離れるにつれてアンビエンス成分が増えていきますので、音源からあまり離れすぎない位置から収録するのがよい音で録るためのポイントです。

※『SGH-6』は、モノラルマイクです。

ステレオ仕様のショットガンマイク

『SSH-6』は、センターの音を拾う超指向性のショットガンマイクと、左右の音を拾う双指向性のSideマイクを組み合わせたMS方式のステレオ・ショットガンマイクです。MSマイク『MSH-6』と同様に、Sideマイクのレベルを調節することで、ステレオ幅を自在に変えることができます。「RAW」モードに設定すれば、録音後にステレオ幅を調節することも可能。ショットガンマイクで特定の音を狙い、後から必要に応じてSideマイクで拾った環境音を混ぜることができます。

例えば映画/ビデオ/ニュース取材などのアプリケーションでは、役者やレポーターの声をクリアに収録しながら、ポストプロダクション時に周囲の環境音をミックスして現場の臨場感をプラスすることができます。逆に、周囲の環境音がノイジーな場合はSideマイクのレベルを下げて、セリフやナレーションを聞きとりやすくすることも可能。録り直しのきかないプロの現場でも、状況に応じたフレキシブルな対応が可能です。業務レベルの風防性能を誇るヘアリーウィンドスクリーンも付属しています。

外部入力を拡張する デュアルXLR/TRSコンボカプセル

さらに多くのインプットが必要な場合は、別売オプションのXLR/TRSコンボ・カプセル(EXH-6)をお使いください。『EXH-6』は、外部マイクやラインレベルの楽器、ミキサー、音楽プレイヤーなどからの別々の信号を入力でき、『H6』をコンパクトな6トラックレコーダーとして使用できます。

※『EXH-6』は、ファンタム電源の供給には対応していません。

よりラウドに、より近くへ、よりクリアにショックマウントを装備したXYステレオマイク

『XYH-5』は、マッチング済みの単一指向性コンデンサーマイク2基を90oのアングルでクロスさせた本格仕様のXYステレオマイクです。左右の正確な音像定位だけでなく、前後の奥行き感まで忠実に再現した、自然で立体的なステレオイメージを収録することができます。さらに、防振ゴムを使用した新開発のショックマウント機構を装備。マイクケースが直接ダイキャスト製の台座に接触しないフローティング構造を採用し、外部からの物理的な振動が直接マイクに伝わるのを防ぎます。これにより、レコーダー本体やDSLR等のハンドリングノイズを最小限に抑えることが可能になりました。

また、『XYH-5』はZOOMハンディレコーダー史上最高の最大140dB SPLの耐音圧を実現。これは、わずか50メートル先のジェット機の爆音を、歪みなく捉えるほどの高耐圧設計です。よりラウドに、より近くへ、よりクリアに。ポータブル・レコーディングの常識を覆す、かつてないレベルの高品位なレコーディングを実現します。

タイムスタンプを記録するBWF形式に対応最高24bit/96kHzの高音質レコーディング

『H6』は、WAVとMP3の2タイプのファイル形式でレコーディングすることができます。WAVファイルは原音重視の非圧縮フォーマットで、CD音質をはるかに超える最高24bit/96kHzの高音質レコーディングが行えます。『H6』では最大6系統のモノラルWAVファイルまたは最大3系統のステレオファイルに録音できます。『H6』のミックスダウン機能を使えば、マルチトラックのWAVプロジェクトを、各トラックの音量レベルやパンニング、ピッチを設定して、簡単にステレオのMP3またはWAVファイルとして書き出すことができます。

WAVファイルでレコーディングをした場合、『H6』は自動的に録音したファイルにタイムスタンプが記録されます。つまりBWF(Broadcast Wave Format)準拠のレコーディングが行えるのです。これにより、映像制作用の音声収録が行え、ポストプロダクション作業時に映像と同期させることができます。

一方のMP3ファイルは、人間の耳にはほとんど聞こえない音声データの不要部分を削除することで、ファイル容量を小さくできる圧縮フォーマットです。インターネットで録音データを配信する際に便利です。MP3ファイルは、原音に対して音質面でわずかに一歩譲るものもありますが、多くの場合その音質差はそれほど顕著なものではありません。なお、MP3ファイルを選択した場合、『H6』はステレオでのみレコーディングが行えます。したがって、マルチトラックでレコーディングしたい場合は、必ずWAVファイルを選択してください。

録音チャンスを逃さないプリREC、バックアップREC、オートREC

【プリレコード機能】

録音の準備が完了しないうちにインタビューが始まってしまった・・・。ケーブルをチェックしている間に指揮者のタクトが振り上げられていた・・・。出演者が予定よりも早くカメラの前に立っていた・・・。そんな不測の事態でも、『H6』なら問題ありません。『H6』のプリレコード機能を利用すれば、レコーディングをスタートさせていない状態でも、常に2秒間分の音声を自動的にメモリーします。RECORDボタンを押せば、それ以前の2秒間の音声がファイルの先頭に付加されます。つまり2秒前にさかのぼって録音することができるのです。

【バックアップレコード機能】

バックアップレコード機能は、まさに究極のセーフティネットです。この機能をオンにすると、メイントラック(L/R)に対して、オリジナルファイルとは別に12dB低いレベルでバックアップ録音を行います。もしオリジナルファイルが過大入力でクリップしてしまった場合でも、バックアップファイルに差し替えることで、歪みの無いクリアなサウンドを手に入れることが可能になります。   オリジナルとバックアップは、PROJECTメニューにあるBackup Fileオプションで簡単に切り替えることができます。録音後にどちらかOKのトラックをL/Rマスターに選ぶことができ、まさに「備えあれば憂いなし」です。なお、バックアップ録音機能は、MP3フォーマットではご利用になれませんのでご注意ください。

【オートレコード機能】

オートレコード機能は、一定の音量に達すると自動的に録音がスタートする機能です。この機能をオンにすると、RECORDボタンを押しても、すぐには録音がスタートせず、スタンバイモードに入ります。そして入力レベルが事前に設定したレベルを超えると、録音がスタートします。また同様にオートレコードストップ機能もあります。この機能をオンした場合、入力信号のレベルが事前に設定したレベルを下回ると自動的に録音がストップします。

録音品質を高める内蔵エフェクト

『H6』には、音声をさらに聴きやすいものにしたり、必ずしも良好とは限らない収録現場の音響的条件をカバーできる強力なエフェクトを内蔵しています。

ローカットフィルターは、任意に設定した周波数帯域(カットオフフリケンシー)以下の成分をカットすることができます。人の息による吹かれや、ポップノイズ、風切り音、マイクスタンドからの共振やエアコンの空調音など、耳障りな低周波ノイズを大幅に軽減します。

コンプレッサーとリミッターは、不安定な音量変化を均一化するのに役立ちます。これらは基本的に、自動ボリュームコントロールのように機能し、大音量の信号が入力された時にレベルを抑える働きがあります。この両者の主な違いは、リミッターのほうが過大入力をよりシビアに抑える点にあります。コンプレッサーには標準/ボーカル用/ドラム用のプリセットが、リミッターには標準/コンサート用/スタジオ用のプリセットが用意され、シーンに応じた設定を選択できます。

さらに、メトロノーム、クロマチック・チューナーを内蔵し、どちらも楽器演奏をレコーディングする際に便利なツールとして利用できます。

20時間以上のロングライフバッテリー

『H6』は、単3アルカリ乾電池4本で動作します。電池寿命は連続使用でも20時間以上使用可能。別売オプションのACアダプター(AD-17)を使用すれば、コンセントから電源を取れます。

最大128GBの大容量SDXCカードに対応

『H6』は、録音したデータをSDカードに直接書き込む方式を採用しています。サポートしているカードの種類は、SDカードの他に大容量のSDHC、SDXCカードにも対応し、最大128GBまでのカードを使用可能。長時間のレコーディングにも無理なく対応できます。

USBオーディオ・インターフェースとしても活躍

『H6』のUSBメニューで「Stereo Mix」に設定されている場合、『H6』は2イン/2アウトのオーディオ・インターフェースとして機能します。また、この設定が「Multi Track」の場合は6イン/2アウトのインターフェースとして機能します。H6内蔵のINPUTミキサーを使用すれば、USB経由で出力するステレオまたは6トラックのミックスが行えます。このミックスでは、各トラックの音量レベルやパンニングを別々に設定でき、ローカットフィルターやコンプレッサー、リミッターも使用できます。加えて、『H6』に入力された信号を、コンピュータやiPadを経由することなくダイレクトにモニターすることも可能です。これによりコンピュータなどを経由することにより発生するレイテンシ(信号の遅れ)を皆無にすることができます。また『H6』には、コンピュータやiPadからの出力と、『H6』の入力をミックスできるループバックモードを用意。例えばUstreamなどのインターネット放送を行う際に、パソコンの音楽プレイヤーでBGMを再生し、それをバックに6チャンネル分のマイク/ライン入力をミックスして配信することが可能になります。

また、USB2.0 Hi-Speed規格に対応し、パソコンへのファイル転送が高速かつスムーズに行えます。 Cubase LE(付属)などのDAWソフトによる編集や、オリジナルCDの作成、Eメール配信など、アイディア次第で活用の幅が大きく広がります。

※iPadへのUSB接続には、カメラコネクションキットが別途必要です。