
よりラウドに、より近くへ、よりクリアに
ショックマウントを装備したXYステレオマイク
センターの音をしっかりと捉えつつ、低域から高域まで左右の分離の良い録音を実現する、XY方式のステレオマイキング。プロが音楽の収録やフィールド・レコーディングの現場で使う、この伝統的なレコーディング・テクニックを、付属のXYマイクカプセル『XYH-5』がパーフェクトに再現します。
『XYH-5』は、マッチング済みの単一指向性コンデンサーマイク2基を90oのアングルでクロスさせた本格仕様のXYステレオマイクです。左右の正確な音像定位だけでなく、前後の奥行き感まで忠実に再現した、自然で立体的なステレオイメージを収録することができます。さらに、防振ゴムを使用した新開発のショックマウント機構を装備。マイクケースが直接ダイキャスト製の台座に接触しないフローティング構造を採用し、外部からの物理的な振動が直接マイクに伝わるのを防ぎます。これにより、レコーダー本体やDSLR等のハンドリングノイズを最小限に抑えることが可能になりました。
また、『XYH-5』はZOOMハンディレコーダー史上最高の最大140dB SPLの耐音圧を実現。これは、わずか50メートル先のジェット機の爆音を、歪みなく捉えるほどの高耐圧設計です。よりラウドに、より近くへ、よりクリアに。ポータブル・レコーディングの常識を覆す、かつてないレベルの高品位なレコーディングを実現します。

まるで一眼レフのようにマイク群を使いこなす、
用途に応じた5つのマイクカプセル・オプション
『H6』と同じ、マイクカプセルを交換できるモジュラー・デザインを採用した『H5』。レコーディング環境に応じて、いつでも最適なマイクを選択できます。
HARDWARE

ユーザーインターフェース
フロントパネルには、トランスポートコントロール(STOP、PLAY/PAUSE、REC、REW、FF)のほかに、録音トラック選択キーを配置。再生時にはトラック別のMUTEキーとしても使用できます。また、録音中の誤操作を防止するホールドキーも装備。さらにカメラストラップを装着できるほか、別売ホットシューマウント『HS-1』を使用して、一眼レフカメラ(DSLR)やビデオカメラに直接マウントすることもできます。

インプット
『H5』は、外部ソースを取り込むためのインプットも豊富に用意されています。2系統のXLR/TRSコンボジャックには、ダイナミックマイク、コンデンサーマイクを接続でき、ミキサーやポータブル音楽プレイヤー、エフェクトプロセッサー、キーボード等のライン機器、さらにアクティブタイプのエレキギターやベースもダイレクトに接続できます。インプット別に独立したゲインボリュームには、誤操作を防止するプロテクトバーを装備。プラグインパワー方式のマイクを接続できるステレオミニ仕様のマイク/ライン兼用インプットも、付属のXYマイクカプセル『XYH-5』に用意されています。
上位機種『H6』と同じ超低ノイズ設計の高品位プリアンプを採用し、+12/+24/+48Vのファンタム電源供給に対応。ソフトウェアの設定メニューで、PAミキサーなどプロ機器のラインレベル「+4dB」に対応する-20dBのPAD設定も可能です。マイクもラインも楽器も入力できる余裕のヘッドルームで、あらゆる入力ソースを最高の音質でレコーディングできます。

アウトプット
インプット同様、現場ニーズに配慮したアウトプットも見逃せません。ヘッドフォン端子には専用のボリューム・コントロールキーを備え、モニター音量をいつでも最適なレベルに調整できます。ラインアウトの出力レベルも、ソフトウェアの設定メニューから個別に調整可能。出力レベルを下げれば、一眼レフカメラ(DSLR)のマイクインプットにも、アッテネーターケーブル不要でダイレクトに接続することができます。さらに、録音内容の簡易チェックに便利な内蔵スピーカー、『H5』をパソコンやiPadのオーディオ・インターフェースとして利用できるUSBポートも装備しています。
SOFTWARE

録音モードと録音フォーマット
『H5』には、WAVまたはMP3フォーマットに対応した2トラック録音の「STEREOモード」と、WAVフォーマットのみに対応した4トラック録音(ステレオ入力+外部入力×2)の「MULTI FILEモード」の2つの録音モードがあります。
WAVファイルにレコーディングする場合は、16ビット/24ビットに対応し、サンプリングレートは44.1/48/96kHz*から選択可能。自動的にタイムスタンプが記録されるため、BWF(Broadcast Wave Format)準拠のWAVファイルとしても録音でき、ポストプロダクション時の同期作業も簡単に行なえます。
一方、MP3ファイルにレコーディングする場合は、音質面ではWAVファイルより若干劣りますが、ファイルサイズを小さくでき、メールへの添付やSNSへのアップロードなど、ネットでの使用に非常に便利です。
*96kHzサンプリングは、STEREOモードでのみ使用できます。

シグナル・プロセッシング
『H5』の内蔵エフェクトを使用すれば、さらに高品位なレコーディングを行えます。入力信号のバラつきを均一化するコンプ/リミッター、空調ノイズやボーカルのポップノイズなどの低減に効果的なローカットフィルターを内蔵。また、録音前のカウントダウンや録音中のガイドリズムとして利用できるメトロノーム、楽器のチューニングが行えるクロマチック・チューナーも搭載しています。

その他の特長
さらに、一定の入力レベルを超えると自動的にレコーディングを開始するオートレコード機能や、一定の入力レベルを下回ると自動的にレコーディングを止めるオートストップ機能を内蔵し、オートストップ機能では即時停止または最大5秒後に停止といった設定も行えます。また、究極のセーフティネットとも言えるバックアップレコード機能*も搭載。この機能をオンにすると、メイントラック(L/R)に対して、オリジナルファイルとは別に12dB低いレベルでバックアップ録音を行います。もしオリジナルファイルが過大入力でクリップしてしまった場合でも、バックアップファイルに差し替えることで、歪みの無いクリアなサウンドを手に入れることができます。
また『H5』は、4IN/2OUT(PC/Mac)または2IN/2OUT(PC/Mac/iPad)のオーディオ・インターフェースとしても使用可能。ループバック機能を使用すれば、パソコンやiPadから音楽を再生し、それをBGMにしてナレーションを追加することも簡単。『H5』をコンピュータやiPad**にUSB接続し、市販のDAWソフトを立ち上げたら、あとは作品づくりに専念するだけです。
*44.1/48kHz WAVフォーマットでのレコーディングでのみ使用可能です。
**iPadとの接続にはAppleカメラコネクションキットが必要です。