2010年 お客様へのご挨拶

 新年、明けましておめでとうございます。2010年も、サウンドハウスを宜しくお願いします。

 2009年は激動の年でした。世界的な経済恐慌に突入するかもしれないという危機感に包まれる中、2010年に入って話題になった日本航空の破綻をはじめとする企業収益の悪化や、新卒の内定率の低下といった雇用状況に関する様々な問題を、メディアは連日のように取り上げています。現実問題として、経済状況は悪くなる一方だと感じている人が多いのではないでしょうか。こうした流れの中、日本社会はかつて体験したことのないデフレの時代へ突入したのです。デフレにより企業収益が圧迫され、結果として給与水準が下降トレンドに陥りやすくなり、それに連動して消費マインドは冷え込み、更なる経済の収縮がおこる。この連鎖がデフレ・スパイラルという悪循環なのです。また、日本人の人口が減少しつつあることも、この連鎖に拍車をかけており、歴史が逆行するような予感を払拭できません。

 本来、「物が安く買える」ということは嬉しいことのはずです。しかし、現実問題として、デフレの悪影響は極めて深刻であり、喜んでばかりはいられません。それでも価格が安くなることに世間の目は向けられ、デフレの象徴である100円マックやユニクロが独走態勢に入り、業界を席捲していることが注目されています。昨年末、再び牛丼の価格戦争が始まったという話題が報じられました。すき家が行った値下げにより、牛丼1杯が280円で食べられるようになりましたが、これは今から9年程前、2001年の「デフレ宣言」を受けて、すき家と吉野家が値下げ競争のあげく設定した歴代最安値と同じ値段です。2010年以降、これらのデフレ現象は更に加速し、Tシャツは300円の戦いとなるとも予想され、新車も100万円以下でないと高いと言われるようになり、百貨店やスーパーでもPB(プライベート・ブランド)商品に代表される激安商品が売り場を埋め尽くすことでしょう。

 サウンドハウスも実は、この「デフレ現象」に大きく加担しています。それが良いか悪いかは後世の判断に任せるしかないのかもしれません。確かに物が安く流通し、消費者の方々が喜んで下さることは嬉しいことなのですが、それがデフレという社会現象の原因のひとつとなり、結果として日本経済が収縮することになるのであれば、心が痛み、悩みます。それでも、デフレの波はさらに大きなうねりとなり、我々を飲み込んでいくことに違いはありません。今は、とにかく必死にこのデフレの波に乗ってサーフィンし続け、その向こうに見える陸地にまずは辿り着くことが大事であると考えています。

 その先発隊として、音響・楽器とはまったくジャンルは違いますが、アクアヴィルという500mlのペットボトルの水を昨年11月より販売開始しました。発売当初は24本入1ケース、送料込で1,280円。しかしそれでもまだ高いので、更なる努力をもって、昨年末より送料込みで1,000円を切った、980円での販売を実現することができました。アメリカでは500mlペットボトル1本20円が当たり前の世界です。ただ実際は、送料を加えると1,000円を超えるので、アクアヴィルの価格はもはや世界トップクラスの低価格と言えるでしょう。このアクアヴィル同様、楽器や音響機器でも、お客様のニーズをいち早く察知し、あっと驚く新製品をお届けできるよう、日々チャンスを窺っています。

 引き続きサウンドハウスを応援してください。皆様の期待に応えることができるよう、オーナー、役員、スタッフ一同、心をこめてお客様のサービス向上のために取り組んでまいります。

株式会社サウンドハウス
代表取締役