シンバル生産国としては世界屈指の存在、中国。特に金属系パーカッションや銅鑼のサウンドは、読者も容易に思い描くことができるだろう。この永きに渡るシンバル生産の技術を注ぎ込み、更に価格にこだわり抜いたという4つのシリーズのシンバルが、あの驚異的な価格で度肝を抜いたZennドラムから発売された。今回の試奏では、4シリーズの中から、ハンド・ハンマリングで仕上げられたZCEシリーズを、芳垣安洋に叩いてもらいコメントしてもらった。
●20"Ride
中音から低域にかけての成分がすごく伸びますね。その分ドラム・セットの中の他の成分をマスキングしてしまう可能性もあるかもしれない。でも高域はしっかり出ているのでツブははっきり聴こえます。厚さもあるし、ジルジャンのZシリーズのような硬めのサウンドが欲しい人には良いんじゃないかな。全体的にもパワーはかなりあるし、大音量の中でピング音を聴かせたい場合なんかにもってこいだと思う。
●18"Crash
チャイナ・シンバルのボウの部分を叩いたときと同じような"中国っぽい"成分が多いね。使い込んでいくうちにだいぶ音は変わっていくと思うけど、もともと渋い成分を持っているから、渋〜いジャズなんかで、サイドのライドでレガートを刻んだりするのにはいいんじゃないかな。
●16"Crash
18"よりも、シャーンっていう成分と、いわゆる中国の銅鑼っぽいウネる成分が混ざり合った感じが強いかな。そういう意味で、エフェクト・シンバルとして考えたら、他に無いような音なので、マレットでロールなんかしたらすごく面白いと思う。でも普通のクラッシュとして考えると、高域がシャーンっていってるわけでもないし、ロック・クラッシュみたいに中低域がゴーンっていってるわけでもないので、ちょっと中途半端かな。
●10"Splash
k.m.kのスプラッシュによく似てる。このシリーズは、口径が小さくなるほどエフェクトとして有効なんじゃないかな。
●14"Hihat
これは良いですね。落ち着いてるし幅広く使えると思う。中国というよりはトルコのシンバルっぽくて、あえて表現すれば、ボスフォラスとコンスタンチノーブルの中間くらいのニュアンス。ジャズの2拍4拍のフット・クローズなんかで、シャリッとした感じが好きな人にはすごく良いかもしれないね。
●トータル・インプレッション
このシリーズは小さく薄くなればなるほど、いわゆるヨーロッパのシンバルっぽくない倍音が出ますね。特にクラッシュ系は中国色がやや強いので、音楽の時と場所を選ぶと思う。でも、今回試奏したシンバルが単一のシリーズだということを考えると、個体差がかなりあるのかもしれない。他のヨーロッパ系メーカーのシンバルと倍音成分が少し違うので、いろんな音が鳴っている中でシンバルの音を目立たせたいような場合には、これくらい特徴的な方が表には出てくるだろうね。そういう意味では、エフェクティヴな要素としてはすごく良いんじゃないかな。またこのシンバルは使っていくにつれてぜんぜん違った音色になる可能性を秘めてるね。
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