EQUIPMENT REVIEW
 Lexicon Core2 / Digital Audio Card / by Loren Alldrin

 デジタル・リバーブやエフェクト・プロセッサーでよく知られるLexicon社がこの度Core2 システム・デジタルオーディオ・カードを発売し、低コストのデジタル・オーディオ・カード市場に参入した。
Core2のコンピューター上での24ビット・オーディオ・レコーディングは今ではすっかりお馴染みだが、その使い勝手のよさという点で他製品の群を抜いている。


■機能
 Core2は主に2つの部分から構成されている。コンピューターにインストールするPCIカードと、システムのI/Oコネクターが収納されているブレイクアウト・ボックスの2つで、DSUB25ピンの短いケーブルで接続されている。アナログのアンバランス・フォン入力×4、アナログ・フォン出力×8、S/PDIFのデジタルI/O・ピンといったすべての端子はブレイクアウト・ボックスのフロント部分についている。ピンのデジタル入力はシステムのワード・クロック入力の代わりにもなる。レイクアウト・ボックス・コネクターに加えて、PCIカードにはオプティカル端子が2つついていて、290・lightpipe I/Oまたはオプティカル・S/PDIFの8つのチャンネルが使用可能だ。
 Core2には24ビットのdbx Type IV コンバーターが内蔵されており、サンプリング・レートは44.1kHz /48kHzの2通りある。dbx Type IVコンバージョン・システムはdbx TSE (Nifty Tape Satuation Emulation)を採用しており、A/Dコンバーターが最大限のレベルで歪みをおこしそうになる時、それをスムーズにする役目を果たします。この働きで、コンバーターにヘッドルームが残り最後の数Dbをテープが歪むように処理することができます。各入力チャンネルのTSE機能をオフにしたい時は、Core2本体にあるジャンパーで操作する。
 Core2にバンドルされているソフトには、 ASIOとMMEドライバーに加え、Cool Edit Pro SEとLexicon LexPanel Controlもついている。LexPanelはWindowsのタスクバーにあって、必要な時に表示される。そこにはお馴染みのタブが4つあり、それぞれメニューとオプションを表示する。そこでCore2のエフェクト(Punch System, Clock Source/Sample rate, Active Input / Output)を設定する。また、Core2カードに付属しているオプションの"MP100"でLexicon MPX100のエフェクトを機能させることができる。LexPanelの編集windowでMP100のプログラム内容を選択したり、パラメーターを編集することが可能だ。MP100の入出力はCore2のどのアクティブ・オーディオ・チャンネルにも設定することができる。PunchタブでCore2のモニタリング・システムをコントロールし、コンピューターのレーテンシー問題を解決します。Punch機能がアクティブになっていればモノラルにつなぐアクティブ入力がどんな組み合わせであっても、アクティブ出力へと送ることができる。Core2カードの出力前に、アッテネーターでこのミックスのレベルを下げます。最後のLexPanelタブでカードの入出力の設定をします。入力、4つのアナログ出力、290 I/O、S/PDIF I/O等のオン・オフが可能だ。このパネルにはCore2の4つの入力レベル・コントロールもついている。このロング・フェーダーでアナログ入力レベルを−96dB〜+18dBの幅で調節することができ、ステレオにリンクさせることができる。また、どのチャンネルにおいてTSEがオンになっているのか、このパネルに表示されます。

■In Use
 Core2カードをMicron Millennia Max 500にインストールするのは実に簡単だった(Lexiconにはstatic−protector wrist strapが付属している)。Core2カードが未使用のIRQへと切り替わり、ドライバー/ソフトウェアのインストールが滞ることなく完了した。Core2をLogic Audio Platinum4.2、Cool Edit Pro 1.2やその他数種のアプリケーションで試用してみたが、ASIO/ MMEドライバー・モードのどちらにおいても完璧に機能した。LexPanelはよく機能した。Core2のモニタリング・システムはコンピューターのミキサーに頼らないユーザーにとってはたいへん嬉しいものである。1つだけ複雑なのは、オーディオ・チャンネルのコントロールに関してのLexPanelオーディオ・アプリケーションの理解である。例えば、MMEアプリケーションで、アクティブになっているオーディオ・チャンネルを通してモニターが可能であり、Windowの前面にあるアプリケーションのみでチャンネルのコントロールを行うわけである。
設定を変更したい場合は、LexPanelソフト、オーディオ・アプリケーション、またはシステム全体、のいずれかを再起動する必要がある。個人的に思うのはCore2の内蔵モニタリング設定が、オペレーティング・システムに左右されることなく、もう少し応用がきくものだったらよかったのにと思う(もっと高価なシステムはそれがきく−高価だという点以外は同等−)。何故入力を聞いているのかと何回か思った。レコーディング時や故障の原因をチェックする際などには、LexPanelアプリケーションの一部のメータリング機能が役立つことは間違いない。"音"ということで見ていけば、Core2は妥協することのない品質を提供している−この24ビットコンバーターがいい音を送受信するのだ。dbx Type IV TSE回路は本当に優れていて、クリッピングなどに悩まされることなくデジタル・レコーディングが可能になった。強く押すとTSEがきしむが、これはA/Dコンバーターが鎖製の電動ノコギリのような音を出し始めた数dB後に起こる。クリップが始まると、その結果は通常のA/Dディストーションに比べて数段いい仕上がりになった。各チャンネルごとにTSEをオフにすることができるが、ほとんどのCore2ユーザーはCore2が行うレコーディングを気に入っているので、オンにしたままにすると思う。私だったらそうするだろう。Core2のブレイクアウト・ボックスはコンパクトでよくデザインされている。ブレイクアウト・ボックスのアンバランスのフォン端子はしっかり固定されている。ブレイクアウト・ボックスはラック・マウント仕様ではないので卓上用ということなのだろうが、この長さのケーブルではほとんど使用できないのではないだろうか。私はコンピューターの上に特に固定もせず不安定な状態でブレイクアウト・ボックスを置いている。Lexiconは何故こんな短いケーブルを同梱したのだろうか、理解に苦しむ。
試用した私もユーザーの皆さんも同じ様に感じていると思うが、"取扱説明書"はほとんどの場合、事が起きた後に読むものと考えがちなのだが、説明書は大変役立つものだということを知ってもらいたい(時に粗悪な説明書もある)。Core2の取説の場合は前者である。カードのセットアップ法やWindowsの最適化の方法、そしてトラブル時の解決法など、ひとつひとつ丁寧に説明している。説明書では、バンドルされているCool Edit Proのソフトについても説明している。最新のリリース・ノートも("READ ME"ファイルの他に)加えられ、Core2には他の生産業者が模倣するのに充分なほどに詳しい説明書がついてくる。
いいぞ!Lexicon!
Core2について、最後に思ったことが2つある。さらに欲をいえば、バランス・アナログI/Oとヘッドホンが欲しいところだ。最近ではより一層安価なツールにさえもバランスI/OがついているのでCore2にも是非つけて欲しいと思う。また、Core2がヘッドホンひとつで直接入力をモニターすることが出来たら、ひとりで行うセッションで力強い味方になることだろう。
これでブレイクアウト・ボックスへのパワー・サプライとなるのは明らかだ。高い値がつくだろう。高値と引き換えででも入手する価値がある。

■SUMMARY
Core2システムの発売(登場)で、Lexicon社がエフェクターに取り組む姿勢同様、デジタル・オーディオ・カードに対しても真剣に取り組んでいる様子がよく分かった。Core2には最高級の音質、数多くの入出力、モニター機能内蔵、そしてオプションで取り付けられるエフェクト・プロセッサーボードがついている。モニタリング・システムがもう少しよく機能してくれたらとは思うが、この低価格ならうなづける。Core2の価格設定は、$200程度のシンプルなdigitizer cardと$1,000前後の上位機種との間をうまくうめている。この市場で他の製品に目をつけている人がいたら、Lexiconを考え始めるべきである。ただの"エフェクター製造会社"としてだけではなく、Core2システムを戦略商品として投入するべきだ。
Loren Alldrin:"Pro Audio Review"のプロジェクトスタジオの編集者であり、"The Home Studio Guide to Microphones"の著者。

<ひとくちメモ>
アプリケーション:スタジオ・レコーディング
主な機能 :外付ブレイクアウト・ボックス,
S/PDIFと290 デジタルI/O
オプションのエフェクト・プロセッサー・ボード
dbx Type IV 24ビットコンバーター(TSE内蔵)
待ち時間0のモニタリング内蔵
ASIO とWave driver
価格 :$499(U.S.)
発売元 :Lexicon (Tel: 781-280-0300)

<製品評価> Lexicon Core2 Digital Audio Card

−プラス評価−
●多数のI/Oがついた外付ブレイクアウト・ボックス
●オプショナルのエフェクト・ボード($150)
●内部待ち時間なしのモニタリング
●dbx TypeIV TSE内蔵・24ビット A/Dコンバーター

−マイナス評価−
●コネクターケーブルが短い
●I/O設定を変更する時にソフトやコンピューターの再起動が必要。

<総合評価>
いい音で、価格も手頃だ。使い勝手のよい機能を多数搭載したデジタルオーディオ・レコーディング機材である。

詳細レポート商品一覧へ